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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
236/677

ビニール

 寝坊した。

 全速力で弊社に向かっているそんな時、普段鳴らないメールアプリから突然着信のおしらせ。


「学生のみなさん、まだ間に合います! お得なキャンペーンをこの機会に……」


 間に合いそうに!

 無いんだよ!!!!


 空気なんてものは読まない。そう、iPhoneならね。

 会社はギリギリ遅刻せずに済みました。






 そんなことはどうでもいいんですよ。武士の話です。

 江戸時代には無くて現代にあるものってたくさんあると思うけど、中でもビニール袋のものに出会った時の武士の反応といったら凄かったと思う。


「ぬおおっ! なんぞこれは! 軽い……薄い……透けて見える……水も弾くぞ! して、丈夫さは……」


 みよーん。


「伸びる! 伸びるぞ!」


 バリッ。


「破けた!!!!」


 マジでうるさかったです。つーかゴミ袋に穴開けんな。


「これは何でできておるのだ? 紙……ではないな。うぬ? キノコ?」


 キノコではないな……。


「海のキノコ?」


 海のキノコってなんだよ。


「……」


 舐めた。


「味がせぬ」


 まあそりゃそうだよ。いやだからゴミ袋舐めんな。いくら新しいからってヤだろ、なんか。


「一体全体、何でできておるのだ……?」


 そう言いながら、ビニール袋を手にチラッチラッとこちらを見る武士である。まあね、そこまで気になるなら教えてやろう。

 それはね、石油でできてんだよ。


「せきゆ……?」


 石油とは、大昔に死んだプランクトンが色々あって……。


「ぷらぷら……?」


 ……。


「……」


 困った時のYouTubeである。武士と一緒に石油のでき方を見ました。石油エネルギーと縁遠い生活をしていた武士は、とっても驚いていました。


「某、舐めてしまったぞ!!」


 まあ、そこは大丈夫なんじゃないかな……。


「しかしすごいな、びにーるぶくろ! これさえあれば某、雨すら怖くないぞ!」


 かぶって出かける気なのだろうか。めちゃくちゃ見たいけど、お前が考えつくことぐらいとっくに皆考えてんだよ。

 な、ビニール傘。


「これはしたり!!」


 今日のコイツはほんとにうるさいなぁ。

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