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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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オール電化

 やっぱり、今家を建てるならオール電化がいいのかねぇ。


 でもなぁ、そうなると停電が怖いからなぁ。太陽光パネルとか付けといたら安心なんだろうか……。


 CMを見ながら、確か自分はそんな事を言っていたと思う。


 すると、武士が顔を真っ青にして割り込んできたのだ。


「よせよせ大家殿!  “ おーるでんか ” は良くないぞ!」


 お、こんな所にアンチがいたぞ。

 そういや武士はまだ車とか怖がっているヤツだったな。

 オールエレキテルになったら、それこそ怯えてしまうかもしれない。


 ……いや、家建てるなら流石にお前は追い出すわ。

 ちょっと私血迷いかけた。


 私の思惑をよそに、武士はわなわなと震えながら続ける。


「思うに、それは莫大な金がかかることであろう。大家殿は一見裕福に見えるが、おーるでんかとなると甘くはござらん。そもそもだな、そこかしこにでんかを侍らすなど、恐れ多きことと思わんか……!」


 ……。


 なんか、話がズレてる気がするな。

 問い正すと、ヤツは小首を傾げて言った。


「オール殿下の話ではないのか」


 なんだその恐ろしい住宅。


「ああ、勘違いしておったのか! 某たいそう驚いたぞ! ……え? 家が全部エレキテル? ……となるとあれか。階段が動いたり戸も勝手に開くようになるのか。某大歓迎だぞ?」


 いやだからお前は住まないからね?


 もっとも建てる予定も無いけどな!!


 まあ、所詮は取らぬ狸の皮算用である。雑談のネタぐらいにしか使えない話は終わり、二人でまたテレビを見るのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] オール殿下。地獄絵図かな?
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