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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
208/678

また来年

 大晦日。

 なんだろうな、今年はいつもより静かだった気がする。


「だっはっはっは!」


 いや、武士がうるせぇわ。ガキ使見て大爆笑だもん。

 コイツ笑いの沸点低いんだよな。すぐケラケラ笑うから。


 でもまあ、どんな状況でも笑えるってのはいいことだと思う。どん底の中でも笑えたら、なんだかまだ生きられるって感じするもんな。

 そんなことを、私はチューハイ(クリスマスプレゼント)を飲みながら思っていた。


「大家殿、何を飲んでおるのだ?」


 んー? お酒だよ、お酒。期間限定系の甘いやつ。飲む?


「飲むでござる!」


 ぶわっ、酒くせぇ! 何お前も飲んでんの!?


「芋焼酎」


 いつのまに買ってたのよ……。

 まあいいや。ほれ、かんぱーい。


「乾杯!」


 ――開発者の方の努力が垣間見える美味しくて安いお酒で、時代を超えて出会った我らが日本の片隅でグラスをかち合わせる。

 ボロアパートの床はスケートリンク並に冷たいし、窓の近くとか寄れたもんじゃないけど。そんでも小せぇ炬燵を囲んで、バカ笑いできる相手がいるというのはまあ、悪くないんじゃないかと思う。


「来年もよろしく頼むぞ、大家殿!」


 いや、そこはそろそろ江戸に帰ってくれ。


「ぬぬぅ!」


 そんなわけで、皆さま、良いお年を。

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