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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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髪の毛

 髪が、伸びた。


 いや、そりゃ切らなきゃ伸びるに決まってるのだが。それにしてもこれはちょっと伸び過ぎである。言わずもがな私は基本短髪なのだが、今は後ろでちょっと括れるぐらいになっている。鬱陶しい。


「もさもさもさもさもさもさもさもさ」


 そして若干の癖っ毛なのでモシャり甲斐があるらしく、武士が楽しそうに後ろからモサモサしている。

 やめろや!


「嫌なら切ればいい」


 私だって切りに行きたいよ。

 でもさぁ、この一ヶ月半ずっっっっっと風邪ひいてたんだわ。咳ももうエンドレス・ゴホンゴホンでよ。そんな状態で散髪とか行ってみ? 切ってくれるおじちゃん「はわわ」ってなっちゃうよ。


「まあ確かに、風邪をひいて咳をしている者と長く同じ空間にいるのは抵抗があるな」


 だろ? このご時世ですし。

 したらまぁ、伸びに伸びて。


「……」


 何よ。


「前髪も邪魔そうであるな」


 うん、邪魔。


「いっそ一気に無くしてしまうのはどうだ?」


 あー、それいいかもね。

 こう、ぐっと剃り上げるんでしょ? いっそてっぺんまでいっちゃおっか。


「うむ。で、鬢と後ろの髪はもう少し伸ばしてだな」


 はいはい、そこは伸びても問題無いよ。括ればいいし。


「そして程よく伸びたら、髪結で整えて纏めてもらう」


 うんうん、やっぱ一つに結い上げてさ、邪魔にならないよう固定するのがいいよね。


「うむ!」


 チョンマゲじゃねぇか!!!!


「あっはっは!」


 あっはっはじゃねぇわ!!!!

 あー、もうやだ! 髪切りたい!


「ならば某が切ってやろうぞ!」


 真剣持ち出すな! しまえしまえ!

 介錯求めてるんじゃねぇんだよ!

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