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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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寒くなってきましたね

 朝。

 冷えた布団と、身震いするような気温に秋を感じる。私は腕だけ出すと、まだ眠る武士の方に手を伸ばした。


 がしりと何かを掴む。ずるずると引き寄せる。


 私は、ぬいぐるみのタコ助を抱えて再び布団にくるまった。


「大家殿ー」


 迷惑そうな声が外から聞こえる。知らん知らん。寒い寒い。


「返せ、タコ助殿を」


 やだよ。こいつふかふかなんだもん。

 あー、暖かい。手触り最高。


「夏は見向きもしなかったくせに」


 お前はシルバニアファミリーと戯れてろ。この子は私のものだ。


「……」


 お、諦めたか。


「ぐー」


 違う。二度寝だわ。

 あー、それにしても私もあと十分経ったら起きて会社に行く準備をしなけりゃいけない。面倒くせぇな。どうせ私がいなくても会社は回るし地球も回るんだよ。仮病使おうかな。ダメか。

 つーかコイツ、昨日は「朝から鍛錬する」とか言ってなかったっけ?


「ぐー」


 さては寒くて諦めたな?

 おいコラてめぇ、起きやがれ武士。鍛錬どうした。


「……」


 足だけぴこぴこ動かすな! ストレッチのつもりか!


「ヒルナンデスでやってた。これで内腿に隙間ができるらしい」


 お前にゃいらねぇだろ、それ!


 武士の太腿はムキムキなので、もう隙間とかそういうアレではないのだった。

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