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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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また出た

 風呂場でのんびり着替えていた時に、またしてもソイツは現れた。




 あああああああああ武士いいいいいい!!!!!




「なんだ! 何事ぞ、大家殿!?」


 出た出た出た!

 まっくろくろすけが出た!


「ススワタリ殿が!?」


 ああああごめん相当マイルドに言っちゃった!! ちがう! トトロ一切関係無いんだ!!

 油虫があああああ!!!!


「なんだ」


 なんだじゃあるか、お前!!!!

 とんでもねぇことだぜ!? 一匹見たら百匹いるって思わなきゃなんないとのご評判をいただく御虫様ですわよ! おふざけになられるのも大概になされまして!?


「何故突然姫君になったのだ」


 いいからもうお前助けて! ちょちょっとプシューッてするだけでいいからさ! プリーズヘルプミーイェイイェイ!


「むう、異国語を使うでない。まだよくわからんのだ」


 ずっとおんなじことしか言ってねぇよ!! 安心しろ!

 ああこんなことしてる間にも逃げちゃうよ! ほらおいで!


「ぬー、大家殿も立派な日本男児であろう。一人で倒してくれ。某はゆーふぉーきゃちゃーの指南を見るので忙しいのだ」


 ンなもん後でいくらでも動画で見せてやっからさ! 

 はいはいよいしょよいしょー!


「ぬううううう」


 で、風呂場に到着したわけだが。 

 まあ普通にいなくなってましたよね、黒き衣をまといて平凡な民家に降り立つ虫。

 ビクビクと怯える私を眺めて、あくびと共に武士は言う。


「夢でも見たのではないか」


 どうか今晩お前が寝ようとした瞬間、掛け布団から油虫が飛び出てきますように。


 そんな邪な願いをかけれども、やはり恐怖は拭えず、結局その後数分風呂場で右往左往した私であった。

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Gヤダ。土に還れ。
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