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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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パピコ

 出勤する前に、武士に頼み事をした。


 ピスタチオ味のパピコを買ってこいと。


 なんでもとても美味しいらしい。私もピスタチオは好きだ。だけどそれがアイスとなるとどうだ。美味しいのかそれ。


 美味しいらしい。


 一つでも楽しみがあると、味気ない仕事も多少はワクワクするものだ。


 そういうわけで、喜び勇んでアパートに帰ったのだが……。



 ドアを開けて目にしたのは、パピコ(白桃味)をすすりよる武士の姿だった。



 ピスタチオは?



「無かった」


 無かったらしい。


「某もな、大家殿の喜ぶ顔が見たいと思い、店から店をハシゴしたのだぞ? どっこい、四つ巡っても一向に “ びすたつぃーお ” は見つからなんだよ」


 つぃーお言うな。腹立つな。


「仕方がないから、桃と梨と葡萄を買ってきたのだ。ほれ、冷やき箱に入れておる。どんと食え」


 いや、お前雪見だいふくも買ってんじゃん。何気無く手に取ると、パピコを咥えた武士が飛んできた。


「それは其のだ」


 取らねぇよ。

 つか、まだ食う気?


 晩飯のうどんが入らないのではないかと危惧したが、杞憂であった。武士はよく食べるのである。

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