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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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武士が踊る

 武士は、踊るのが好きである。


 別に上手いわけではないが。


「おお大家殿! 夕餉はおむらいすか!! 某、これは喜びの舞を踊らねばなるまいな!」


 そう言い、足と腕をフリフリして踊るのである。ウザいし埃が舞うのでやめて欲しいが、「これは我が家一子相伝の舞」とか言って踊り続けるのだ。

 その割には同じものみたことないけどな!!


 お気に入りのコップ(ミッフィーちゃん)を割ってしまった時も、酷かった。しばらく台所に突っ伏していたので眺めていたら、次第にフリフリ尻を振り始めた。

 そして飛び上がると、節をつけながら拳を床に向かって放ち始めたのである。


「しかし左様なことなぞ関係あらぬ!! しかし左様なことなぞ関係あらぬ!!」


 元ネタは小島よしおかな。


「うむ! オカピー!」


 オッパッピーだよ。オーシャンパシフィックピースだよ。

 オカピーだと、当初はシマウマだと思われたけれどキリンの仲間だった縞模様の美しい動物になるよ。


 コイツ、私が思うよりアホなのかもしれんな。


 しかし長く続いた外出自粛期間中、あまり武士が太った様子など見られなかった。


「ひとえに舞のおかげであるな! 大家殿もどうであるか!?」


 体重計に乗って青ざめる私の隣で、武士は私の気持ちを代弁したという“悲しみの舞”を踊っている。放っといてほしいし、やはりウゼェなと私は思うのであった。

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