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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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兜を被る時は髷を解くらしい

 兜を被る時は髷を解くらしいぞ。



 そう武士に伝えると、武士は細い目を思い切り開いてこちらを見た。


「それはまことか!? 其は父より、兜を被るには髷が無いとならんとそう伝え聞き、ドヤ顔で周りに言いふらしてしまってたぞ!」


 武士がドヤ顔とか言うな。

 なんか変な言葉ばっかり覚えるなぁ、このちょんまげは。


 昔々は髷に冠を固定させてたりとか何とかあったとからしいが、平和な江戸時代においてはまあ武士の象徴程度の役割だったとかなんとか。

 兜を被った時に蒸れを抑えるという意味では、ちゃんと髷というか月代も意味はあるとかなんとか……。


 いや私が分かるわけないだろ。

 なんでお前が詳しくないことを私が調べなきゃいけないんだ。お前が知ってなきゃいけないんだよ、お前が。


 そう言うと、武士は少しムッとした。


「大家殿、話は変わるが、その絵が動く板(※スマートフォン)はどうして指で動くのだろうな。ぜひ理屈を教えてくれ。お得意のエレキテルか? エレキテルなのか?」


 腹が立ったので、食べていたパピコを取り上げた。風呂上がりの楽しみを奪われた武士は悲しそうな顔をしたが、私の知ったことではない。


 そうしたら、少し目を離した隙に、ヤツは冷凍庫から二本目のパピコを取り出していた。


 うちの家計を圧迫する前に、はよ江戸に帰れと私は思う。

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― 新着の感想 ―
[一言] ちなみにスマホを指で操作できるのは、指から微弱な電気が出て通電しているからです。って誰か言ってました。
[良い点] 武士結構、好奇心旺盛だよね。 [一言] いなくなったら寂しがるクセに。
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