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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ホットケーキ

 ホットケーキを作っている。


 ムーミンの影響かなぁ。何の影響か分かんないんだけど、とにかく私はホットケーキを重ねたいんだよ。

 大小なんざ知らん。バランスなんざ知らん。とにかく、ちょっともちもちのホットケーキをアホみたいに重ねたい。


 案外崩れないものである。


「塔であるな!」


 そうやって焼いては乗せ焼いては乗せしていると、武士が目をキラキラさせて割り込んできた。

 え、そう? 塔?

 その感覚は無かったな……。五重塔的な?


「うむ!!」


 合ってたよ。

 まあなんでもいいや。ホットケーキ食べる?


「ほとけ?」


 仏だと本当に五重塔になっちゃうよ。

 ホットケーキな、ホットケーキ。食べたいっつってたろお前。


「かたじけない! いただこう!」


 あーもー、待てってもー。すぐ食べようとするやつがあるかよ。

 ちょっと待ってろ、バターとメープルシロップかけてやっから。


「うむ!」


 はいはいよ。

 ほれできた。


「いたらひはふ!」


 食いつきながら言うんじゃねぇ。


 こうして武士の腹の中に瞬く間にホットケーキが消えていく中、私はひたすら焼いては乗せ続けていた。まるでわんこそばの様相だが、武士は大変嬉しそうなので良しとする。


 ……いや、全然作るの追いついてねぇな。私の分も残しとけよ武士。

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