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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
137/678

ぷるつや

 ある日、武士のジャージズボンに、なんか黄色い汚れがついていた。


 ……おい、武士。


「ぬ」


 何その汚れ。


「ああ、これか……」


 おう、それだ。


「……」


 ……。


 武士と見つめ合うこと、きっかり三秒。

 武士は言った。


「……これは、きなこにやられたのだ」


 きなこ。


 ……きな子!? 誰よその女!?


「む、口が滑ってしもうた!」


 アタシというものがありながら! アンタってばまた別の女に手を出して!


「違う! 誤解である! 誘ってきたのは向こうの方なのだ!」


 言い訳にならないわよ!

 一体どんな女なの!?


「むむむ、透明感があり、ぷるぷるとした肌の……!」


 ハンッ! その表現だとさぞかしぷるつやの食べがいのある子だったのでしょうね!?

 もっちもちだったのでしょうねぇ!?


 キィィッ! 今日という今日は許さないわよ!


「堪忍でござる! 某にはお主しかおらんのだ!」


 問答無用、切捨御免!

 者共、であえっ! であえーいっ!!


「ぐあああああっ!!」


 ……。


「……」


 ……ま、わらび餅美味しかったなら何よりだよ。

 着替えておいで。


「うむ、かたじけない」


 うん。


「そうだ、大家殿」


 はい?


「最近、ネタが無いと言っておったが、これはネタになりそうか?」


 いっちょまえに心配してんじゃねぇわ。

 ネタにするよ。ありがとね。

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― 新着の感想 ―
わらび餅wwwおいしいよね!
[一言] 危なかった…。武士の気遣いがなければ、定期的にあるネタない回になるところだった。
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