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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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武士が風邪ひいた

 武士が風邪をひいた。


 鼻風邪がベースのちょい咳。


 滝のように鼻から液体が出ている。


「寒い」


 着る毛布を着込んで震えている所を見るに、どうも寒気もあるらしい。

 病院に行くべきだ。それは私も分かっている。


 ……でもなぁ……。


 コイツ、保険証持ってねぇんだよなぁ……。


 つか戸籍自体無いんだよな。江戸に帰れよもう。

 そんなわけで、とりあえずただの風邪である内は様子を見ることにしている。


 夜、鼻が詰まって何度も起きていた(割と眠りが浅いので私も気づいて起きてしまう)ので、黄色のベンザブロックを投入。経口補水液を飲ませ、ひとまず寝なさいと寝かしつけた。


 しかしあれだなぁ、お前全然風邪ひかねぇと思ってたのに、とうとうひいたねぇ。

 そう言うと、着る毛布にくるまる武士は呻いた。


「それについては、実は某、心当たりがあるのだ」


 ほう、何?


「最近、ミカンを食べておらん……」


 ああ……。


 お前、この冬信じられないぐらいミカン食ってたもんね。

 食べ過ぎて、もう肌にミカンが定着したぐらいだもんね。


 そうかぁー、ミカンが切れたから風邪ひいたのかー。

 仕方ねぇじゃん、ミカンもう高いんだもん。


「ミカンの力は偉大だったのだ……」


 ミカンすげぇな……。



 ところで家のティッシュがすげぇ勢いで無くなってんだけど、どうしたもんかね。近所のドラッグストアはまだティッシュ加入が追いついてないんだよな。本当お疲れ様です、店員さん、運送業さん、工場さん。

 

 なんとなくこれ私も移りそうな気がするので、私も動けなくなる前に謎の紙不足が解消したらいいなぁと思うのである。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 武士が風邪引いてますが鼻セレブは使ったのでしょうか。 [一言] 初めまして。一気読みさせて頂きましたがなんかすごい好きです。
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