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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
131/714

毛玉クリーナー

「では、朝の鍛錬に行ってくるぞ!」


 そう言って出て行こうとした武士の頭を包むニット帽には、


 信じられないぐらいの毛玉がついていた。







「ぬおおおおおおおお!?」


 うぃーんじょりじょりじょりじょり。


「やめろ大家殿! 一体何をしておるのだ!」


 うぃーんじょりじょりじょりじょりじょりじょり。


「何だか分からんが分からんからこそ怖い! やめるのだ!」


 じょりじょり。

 はーい動かないでねー、もう終わるよー。


「ぬぬぬぬぬぬううううう!!」


 じょり。


 はいおしまい。帽子きれいになったよ。


「む……?」


 ようやく私の両足から解放され起き上がった武士は、帽子と言われて脱いで手に取ってみた。

 そこにあったのは、毛玉クリーナーによって毛玉が一掃されたピカピカのニット帽。


「……これは……」


 おうよ、スッキリしたろ。


「……時間が巻き戻ったのか……!?」


 なんでだよ。

 そんなビックリアイテム持ってねぇわ。


 説明してやると、嬉々として自分でやり始めた。じょりじょりと毛玉が取れていく感覚がたまらないらしい。

 武士が喜んでいるようで、何よりである。

 鍛錬はサボった。

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