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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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ドライカレー

 昨日はカレーの日だったので、カレーを作った。


 ドライカレーだけど。


 いやね、私めちゃくちゃドライカレー好きなんですよ。自分で作るんですけど。

 一時期あまりにもハマり過ぎて、会社の昼休憩の間に一度家帰ってドライカレー作って、出来上がったタイミングでタイムアップになってカロリーメイトかじりながら会社戻ったことがある。「お前カレーの匂いするけどカレー食ってきたの?」「いえ」「あ、そう」「作ってました」「え?」みたいな会話を上司とした。(その日からあだ名がしばらく「狂人」になった。)


 それぐらい好きである。


 そんなドライカレーを、武士に振る舞ってやることにした。


「いつもの“かれぇ”とは違う」


 覗き込んできた武士が言う。


 うん。

 これドライカレーだからね。


「どらい?」


 そう。

 乾いてるって意味な。


「カラカラ!?」


 ではないな……。

 そういやなんでドライカレーってんだろ。別にドライってほどでもないのに。


「くだんの“かれぇ”とは違い、干上がってるからではないか?」


 ああー、なるほど。

 お前頭いいね。


「ぬふぅ!」


 お、自慢げにしちゃった。

 まあいいや、ほらできたよー。


「ほう、これが干上がった“かれぇ”……」


 うん。

 食えよ。美味しいよ。


「……」


 一口食べた武士の目が煌めいた。


「美味い」


 だろ。


「ほんのり甘い」


 お前、辛すぎるとダメだろ。

 だからちょっと砂糖入れてるんだよ。


「砂糖!? かれぇであるのに!?」


 蜂蜜でもいいんだけど家にねぇんだよ。

 だから私は砂糖を入れる。


「ぬぬぅ、しかし美味いな……」


 SBのカレー粉を信じなさい……。

 明日世界が滅びそうになっても、私はこの缶を信奉する……。


「ぬぅ」


 あとさー、具がわちゃついてる感じが好きなんだよね。私猫舌だから、普通のカレーだとジャガイモで火傷すんだよ。


「ああ……大家殿の作る“かれぇ”は、いつもじゃがいもと人参が小さき様であるからな」


 おう。


「某はゴロゴロが好きである」


 だからたまに作ってやってんだろ、野菜ゴロゴロカレー。


「ほくほくが美味しい」


 それも分からないではないけどさ。

 でもその点ドライカレーはいいよな。もう全部の野菜を細かくしちゃっていいから。全部まとめてガーッといける感じがね。


「乗っけたチーズと生卵で、更なる幸せが某に訪れる」


 あ、もう聞いてませんね、これ。

 別にいいけど。


 はー、美味い。やっぱ自分で作るドライカレーが一番美味いわ。


 そんなわけで、カレーの日はこんな感じだった。ところでなんで1月22日はカレーの日なんだろう。いっつつ? フーフー? 語呂合わせじゃないのかな……。


 なんでもいいか。カレーうめぇ。

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