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武士がいる  作者: 長埜 恵
2.武士がいる
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おつまみレシピ

 いいか、一度しか言わないからよく聞け。


 キムチだ。まずはキムチを用意するんだ。そんで、さきいか。あとはクリームチーズ。


 準備できた?


 そんじゃタッパーとかある? そこにね、全部ぶちこみます。「これぐらいかな?」というぐらいの量を入れます。

 あ、さきいかはちょっとキッチンバサミか何かで一口サイズにしといた方がいいかも。まあ好みだけど。


 はい、適当に混ぜます。

 「私と幸せになろうね?」なんてうっとりと思いながら混ぜます。


 はい、できました。


 キムチ好き、さきいか好き、チーズ好きが悶絶するおつまみの完成です。


「旨い……!!」


 武士もご満悦である。

 そうだろうそうだろう、キムチとチーズは江戸時代にゃ無かっただろうからな。 


 なんつーかな、チーズが入るもんだからちょっとキムチがマイルドになるんだよ。それでもちゃんと辛さは残ってるし、そんでさきいかの歯応えもいい。

 旨い。

 本当旨い。


 酒が進む。

 食も進む。


「これだけで米櫃を空にできるな……?」


 ああ、そうさ。

 気づいたら永遠に食べてしまってるんだ、ほんと怖い。


 あとね、武士。さきいか好き?


「うむ、好きだが」


 これをね……フライパンに入れるだろ?

 そんでこれに……醤油と! マヨネーズ!!


「うおおおおおおおお!!」


 はいじゃかじゃか! じゃかじゃか!!

 炒めろ炒めろ! 油は多分ひかずともいける! 何故ならマヨネーズって油だから!


 はい!


「なんだこれは……! もう、なんか、止まらん……!!」


 だろ。

 だがまだ終わらせねぇぜ?


 お次は!

 枝豆!(全部ふさから出してただの豆)


「それは……逐一ふさから出して食べるから旨いのではないか?」


 ああ、だがそれはまた別の日に楽しむがいい。

 今日は別の食べ方を紹介しよう。


 こちらをご覧ください! 片栗粉に適当なスパイス(唐辛子だのニンニクだの塩胡椒だのブラックペッパーだの)をぶち込んで混ぜただけのシロモノです!


 この! ハッピー(酒)パウダーに! 枝豆を! 投入!!


 はい、まぜまぜまぜまぜ!!


 そのままたっぷり油を引いたフライパンにドーン!! 炒めます!!


「大家殿の気迫がすごい」


 かーらーのー? キッチンペーパーで適当に油切ったら、ホラ食え!!


「……。……ぬうううう、うううううう!!」


 な、旨いだろ?

 ピリッとして、でも枝豆の甘みがちょうど良くて永遠に食べられるだろ?


 そこにー、白ごはん!!

 あとめちゃくちゃ赤いタコさんウインナー!!


 着色料!? うるせぇ、タコさんは赤くてナンボなんだよ!!


 ついでに黒ごまでお目々もつけてやったわ!


「タコ助!」


 タコ助言うな食えなくなるだろ!


 野菜が無い? 何言ってんだ、キムチ見えねぇの?

 ああもうしゃあねぇなぁ、ならキュウリもつけてやるよ!

 悪いことは言わねぇ、鶏がらスープの素と薄めためんつゆを混ぜてごらん? そんでおウチに塩昆布あるおりこうさんはそれを入れてみてもいいかな。

 はい、一品。


「……! ……!!」


 ほらまた武士が死んだ。

 昔からよく言われるんだ、お前は酒飲みと結婚したら嫁をツマミでアル中にするって。


「熱燗が……進む!!」


 ああ、飲め飲め。

 楽しいなぁ、酒を飲める夜は。


 しかしマジで友人がいないので、武士以外に相手してくれる人がいないのである。死ぬ前に友達が欲しい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 枝豆にこんなうまそうな食べ方があったとは……!! 全酒飲みの永久保存回ですね!! あ、ゴホンゴホン、ご飯でも行けるところが永遠の16歳の私には嬉しいです! ウインナーは赤くてなんぼ。激し…
[良い点] 金曜日になんて更新をしてくれるんですかー! さきいかとキムチはある。よし、クリームチーズを買って帰ろう。 [一言] ついでにクラッカー(またはリッツ)を買って、できたツマミをアボカドと一…
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