獣人種
「きゃぁぁぁああ!!!」
逃げ回るカレンを追いかける狼の群れ
他の狼の群れを討伐しながらその光景を見ている皇覇とアイス
「大丈夫.....じゃなさそうだな」
皇覇達が助け出した後すぐに倒れ込んでしまったカレン
「私達から離れるからですよ」
ため息をつきながら言う
「だって!少しくらい手伝いしたかったんだもん.....」
俯きながら呟く
「そんなカレンにはこれ!」
そう言いながらバックから何かを取り出す
「てってれ~。連射型携帯銃~」
「何ですかそれ?」
アイスが銃を鑑定する
《連射・鳳凰》
幻想級武器
装備可能レベル 150
効果 攻撃力+60000000
防御力+60000000
回避+99999999
スキル 《光速移動》
固有スキル 《ランガンの達人》
「カレンさんにぴったりですね。固有スキルのらんがんの達人?ってどういうことですか?」
「説明してやろう!この銃はこの世界には無い連射機能がついている。これは俺がいた世界の銃。ベレッタAR70/90というアサルトライフルを元に俺が作った。苦労したぜ。装弾数は30。射程は約500mだな。弾に属性付与可能でこれはカレンが魔力を込めると弾によって変わる。そうだ、ほいこれが弾ね」
そういって弾を渡す
「「えっ!?」」
いきなりカレンとアイスが驚いた
「俺のいた世界ってどういうことですか!?」
「あんた異世界人だったの!?」
同時に質問してくる二人に
「あれっ?言ってなかったっけ?」
「「言ってない(です)!!」」
色々質問してくる二人を無視して
「まっカレンこれでランガンしろ!」
「ランガンの説明してもらってない!」
「おお、そうだった。ランガンっていうのは撃って走るの繰り返しってことだ。光速移動で敵は追い付けないし固定スキルで回避も火力も命中も確実危険は無いぞ」
「へ、へぇ。凄い武器ですね…」
「早く出しなさいよ!」
そういって奪うように取る
「さて、試し撃ちといくか」
会話をしているうちに仲間の血の臭いを嗅ぎつけてきた狼の群れが集まり始めていた
「さっカレン!やってこい!」
数分後
「きゃぁぁぁああ!!!」
弾切れで逃げ回るカレンの姿がそこにあった
何とか異界の森を進んでいくと...
「おっ、あれが村か」
森の中の集落が見えてきた
「あそこに可愛い獣耳っ娘達が!」
カレンが走って村へ駆け込んでいった
「しくしくしくしく」
門番に蹴り出されたカレンがいじけていた
「当たり前だ馬鹿が」
「当然の結果ですね」
「うわぁぁぁん!」
泣きじゃくるカレンをよそに
「ここが獣人の村であってるか?」
「そうだが、何用だ人間」
人狼の門番が質問してくる
「少しの間滞在したい」
「断る、といったら?」
「断らせないさ」
「ほぅ。ここの試練を知っているようだな」
「勿論だ。そうでなければここに来ないさ」
「良かろう。現在村にいる者で一番の強者を此処へ!」
そういって数秒後
「.....わたし」
「おぉ、そなただったか」
「「獣耳っ娘幼女!!!」」
カレンとアイスが叫ぶ
「可愛いよぉ。皇覇さん私が欲しいです!」
「やらん。俺が戦いたいから此処に来たこと忘れんな。また今度にしろ」
「うぅ~皇覇さんの頑固者~」
「それにこの幼女はこの村で一番強い。外に出ている奴含めてもな。アイスでも勝てないな。多分」
「ほぅ。なかなかの観察眼だな」
「...何でわかったの?」
「まぁ、勘だな」
「...そう。まぁいい。早く終わらせて帰って引きこもるから...」
「やはは!俺に勝てたらな!」
「...負けないわ」
「此処では始めるな。場所を変える」
村から離れた所に何もない広場があった
直径約1000mといったところか
「ルールはありありでいいか?」
「うん...何でも使っていいよ」
「では。始め!」
フッ
二人の姿が消える
「おらぁ!」
「なんの」
皇覇の拳と獣耳幼女の蹴りがぶつかる
地面が砕け、風圧が遠く(皇覇達が見えないくらいで魔法を使い)見ているアイス達にも届いた
「すご...」
カレンが呟く
アイスも門番も口を開けて何も言えずにいた
「そろそろ本気でいくぜ?」
「こっちも」
皇覇は剣を獣耳幼女はクロウ(鋭い爪のような武器)を装備する
「おい、獣耳幼女。魔法防げるな?」
「...問題無い」
「上等!」
皇覇は重力魔法を発動
獣耳幼女は流石の反応で魔法を回避
続けて皇覇に接近し腕を振るう
剣で弾いて横なぎに一閃
かわされる
蹴りが飛んでくる
回避し雷を周りに放射する
上にジャンプして回避
互いに距離をとる
そしてまた接近し剣とクロウで打ち合う
打ち合っていると獣耳幼女の体制が崩れる
「爆砕斬!」
その隙に皇覇が剣術のスキルを使う
剣を叩きつけるように全体重を乗せ振り下ろす
「くっ!双龍爪!」
体制を崩しながらも皇覇の攻撃を弾く
「まだまだぁ!」
追撃に銃を使う
「エレクト!」
相手を麻痺させる弾に設定し撃つ
しかしクロウで全て弾き飛ばす
「....そろそろ疲れた」
「そうか?俺はまだいけそうだが」
「あなたみたいな体力バカと一緒にしないで」
「ひどい言われようだな。っと」
クロウでの連撃を軽々弾いていく皇覇
「...強いね」
「これくらいの強さがなきゃ仲間を守れないだろ?お互いに大変だろうな」
「...そうね」
攻防をしながら皇覇の性格を判断していた獣耳幼女
(この人ならきっと...)
芽生えた思いと一族の為の仕事を確認した獣耳幼女は
武器を構え直し
「そろそろ終わらせる」
「もう?」
そういいつつも構える皇覇
「シッ!」
「ハッ!」
二人は駆けるそして互いの武器がぶつかり合う寸前
「なっ!」
獣耳幼女が武器を捨て四肢を投げ出す
そこからの皇覇の判断は速かった
まず剣を止めることが出来ないとわかり獣耳幼女に防御術式を展開
剣を止める
そして突進の勢いを殺すため減速魔法を発動。獣耳幼女を胸に抱き止める
「あっぶねぇだろうが馬鹿!」
奇跡的に互いに無傷ですんだ
「合格」
「は?」
「合格。あなたは我等獣人種の主に任命する。そしてこれからはわたしがあなたの旅に着いていく側近の任に付くことになる。よろしく」
長く喋って疲れたのか息切れをしながら言った
そして報告してくるといい村へ帰った
「まじで?」
残されたのは突然の出来事に困惑する皇覇だった
獣耳幼女ktkr
皇覇とやり合えるほど強い!
というわけで皇覇はめでたく(?)獣人種の主になったお話でした
感想、指摘など募集してます!