動き始める思惑
「ぱーぱー!」
駆け寄ってくる白恋を待っているのは
「おー白恋。早いなー。早速始めようか」
勿論皇覇であった
「白恋が戻るまで魔界にいようとおもう」
「妥当な線ですね…」
アイスが返答する
「じゃあその間は別行動でいいかしら?」
カレンの提案に
「それいいね!うちも賛成!」
「わ、私はどちらでもぉ」
という話になったため今は別行動をとっている
皇覇は白恋の稽古及び保護者的な立場で今に至る
「よっしゃ、じゃ、スタート」
皇覇の言葉で稽古(という名の模擬戦)を開始する
「うりゃぁ!」
白恋が特攻してきた
「まだ幼児化が残ってるな~」
短絡的な行動に皇覇はそう判断する
「えーい!」
大振りの攻撃を
「ほい」
回避しつつ足を引っ掛け転倒させる
「うわぁ!」
勢い余って一回転する白恋
「おいおい。大丈夫か?」
心配そうに近寄る
「隙有り!とぉ!」
倒れた状態から腕を使い飛び上がり皇覇に向かって蹴りを放つ
それを
「甘い」
人差し指で受け止める皇覇なのだった
「うぅー!なんで!なんで勝てないの!」
今のところ10戦全敗の白恋が叫ぶ
「はっはっはー!そんな簡単に負けないわぁ!」
腰に手を当てて笑う皇覇は
「そろそろ稽古は切り上げて街で旨いもんでも食べようぜ~」
といった
「それいい!おなか減っちゃった!」
先程までふてくされていたとは思えないほど楽しそうにはしゃぐ白恋であった
アイス・狼華視点
「狼華ちゃんは別のところへいってはどうですか?私といてもつまらないでしょうに」
アイスが向かったのは魔術本を売っている本屋だった
「いーの!うちはアイス姉ちゃんについてきたいだけだから!」
楽しそうに言う狼華に
「本当ですか?それならいいのですが…なにかみたいものなどがあればいって下さいね?」
「うん!わかったわ!」
元気よく頷く狼華に
「後で模擬戦やりますか?」
そういうと目を輝かせた
「いいの!?」
「えぇ」
それが目的だったようでとても嬉しそうにはしゃぐ狼華を見ながら、あぁ、少しめんどくさい事になったかも、と思うアイスだった
カレン・兎喜視点
「えっとぉ兎喜ちゃん?無理して付いてこなくてもいいのよ?」
ビクビクしながら付くる兎喜に声をかけるカレン
「い、いえ!別に無理なんてしてないですよ!?」
明らかに無理している様子の兎喜に
「うーん…私ちょっと用事があるから一人にしてほしいなぁ、なんて」
というカレン
「どこかへお出かけですか?」
「まぁ、そんなとこかしら」
苦笑いで城から出て行くカレンを見て怪しさを覚えた兎喜は後を付けることにした
(どこに行くのかなぁ…)
カレンは魔界でも端の端深淵(案内板より確認)という場所まで来ていた
そこへカレンの前に一人の男が現れた
その男はフードを被っていて顔は見えず声は低め、背丈は高い。ということしか分からなかった
「…はどうなっ…?」
「…によって……ているが…だな」
「…近々………開始…わかった?」
「りょ…した。準備………しておこう」
何やら話しているが余り聞こえない
そうこうしているうちに会話が終わってしまった
兎喜はカレンより先に帰るため駆け出した
その姿をカレンと男が見てしまったことは気付かずに……
カレンは何してたんですかねぇ
感想、指摘などおまちしていまする