白恋の思い
「我等獣人族の主が誕生した事を今、報告しよう!」
ウォォォオ!という叫びが広場にこだまする
「何で、こうなった!」
地面に四つん這いになってうなだれる皇覇に
「それはわたしが説明する...」
隣に控えていた獣耳幼女が近寄る
「わたしの名前は白恋どうぞよろしくお願い申し上げます、我等が主様。」
恭しく一礼して名乗る
「そんなに畏まるな」
「...わかりまし、....わかった」
「よし、説明してくれ」
「ん。我等一族は決闘で我々で一番強い者を負かした者を主と定め、仕える事を誇りとする一族...なので皇覇様は我等が主」
淡々と説明する白恋
「...おーけー理解した。ところでこの一族が生まれてから仕えた主は何人だ?」
純粋に知りたくなったので質問すると
「過去にも現在も0。皇覇様に負けるまでは無敗」
「マジ?この世界の奴らが弱いのか?白恋が強すぎるのか?」
おそらく後者だな
「ご理解いただけましたかな?皇覇殿」
「あぁ、だがお前等全員連れては行かない」
「理由を聞いても宜しいですかな」
「あんた族長だろ?察しろ」
「ふむ。いつから気づいておられました」
「最初からだよ」
「流石ですな。して、理由が検討もつかないので教えていただけると助かりますな」
「はっはぁ!よく言うぜ!」
族長の言葉に大笑いして
「おーけーおーけー説明しよう。まず1、そんなに大人数で行動するのは面倒くさい。その2この村を守っていてもらいたい」
「1は理由出来ますが2の要求は何故ですか?」
「いいか?俺らはまだこのダンジョンをクリアしていない。てことは詳細では攻略したパーティは0だ。そして、獣人族は決闘で負かせば仕えてくれる、これは誰でも知ってることだ、そしてココに来た奴に、もし万が一負かされたら俺を呼んでもらいたい」
「何故」
「決まってるだろ」
にやけながら
「そのパーティを『ここの獣人族は俺の傘下だ!よくも手を出しやがったな!』といって全力で叩きのめし、泣きながら逃げていく姿を見るためだ!」
その発言に白恋以外の獣人族が一様に思ったことだろう
こいつを主にして大丈夫か?と
そんなことはつゆ知らず話を進める皇覇
「連れて行くのは白恋それと...いた。そこの狼少女と兎少女こっちゃこい」
木の陰に隠れていた二人の少女を見つけ出し、側に呼ぶ
「何です?」
「えっとぉ、ご用でしょうか?」
「うん。君たち名前は?」
「うち狼華!」
「わ、わたしわぁ兎喜ですぅ」
狼少女は狼華、兎少女は兎喜と言うらしい
「君らにはあっちのねーちゃん達に仕えて貰うけどいいかい?」
「もち!」
「わ、わかりましたぁ」
狼華はアイスの元へ兎喜はカレンの元へ走っていき自己紹介を始めたようだ
「さて、これからよろしくな、白恋」
「うん…よろしく皇覇様」
「様は付けるのか」
苦笑混じりに言う
「これは変えられない。掟だから」
「なら仕方がないか」
そういって歩き出す
そして白恋は皇覇の横を歩きながら自分の中に芽生えた皇覇への思いに確信をもった
(わたしは皇覇様のことが好きになった...)
いつかこの恋が叶うことを願いながらこれから森を出て旅に出るための一歩を踏み出した
ラブコメ展開入れてきますよ!
何でかって?獣耳幼女が可愛いからです!!(*´▽`*)
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