発明品!…の?
久しぶりの短編。今回の主人公はにとりです。
「よし、出来た…!」
洞窟の中に一人の少女の声が木霊する。
少女の名は河城 にとり。種族は河童である。
「しかし、こんなものが知れたら…」
彼女はたった今「電子演算機」なるものを作り上げたのだ。しかも持ち運び式なので軽く、小さい。機能的には計算はもちろんカメラ、写真編集、文章作成、プリント……etc…
見た目は外の世界のノートPCにカメラをつけて通信系統やUSB、CDの機能を取り除いたものの様なものである。
彼女の懸念は誰かに持ち去られないか、である。
しかし持ち運べなければ意味がないのだ。
「こうなったら防犯を強化しなければ…」
実は彼女は以前家で実験をした際に失敗し、住処を吹きとばしたりしている。
なので(河童も住まないような)洞窟に居を構えているのだ。
そこに流木のドアをつけただけ。これでは防犯も何もあったもんではない。
現に、既に何度か盗難に遭っているのだ。
「盗もうとするやつは徹底的に懲らしめておきたいなぁ…。そうだ!」
にとりは早速作業に取り掛かった。
「ん?なにやらにとりの家が騒がしいな」
霧雨魔理沙はにとりの家を見て騒音に眉をひそめた。
しかし作業をする音と気付くとにやり、と笑った。
「今度はどんなものを作っているのやら。後でちょいと『死ぬまで借り』るか」
しばらくして。
にとりは防犯システムを完成させた。
PCには鍵が見えない様に掛けてあり、にとりの持っている鍵でしか開かない様になっている。
これだけで済ましておけば良い物を何を思ったかその鍵を引っ張ると入口が爆破され瓦礫でふさがる仕様になっている。これは舞い上がっている時の思考回路の末路だったりする。
「こんな風に引っ張るとドカンと―。」
――ッ!ドカアアアァァァァァァァァ―――ン!
「しまった!自分で引いてしまった!」
それゆえの末路である。
そして入口は塞がれ、勝手に閉じ込められたにとりであった。
「ッ!なんだ!?」
一方霧雨邸。夕方に鳴り響いた轟音に驚いて外に出ると、妖怪の山の麓から煙が上がっていた。
「ちょっくら見てくるか」
そう言って魔理沙はにとり家に向かった。
そして到着した魔理沙が見たものは瓦礫に埋もれたにとりの家の玄関(?)であった。
「おーい誰かいるか?」
「魔理沙!助けに来てくれたの!?ここから出して!」
「ちょっと待ってろ!端に寄ってろよ!恋符―」
「え?ちょっ!」
ちなみにPCは部屋の中央にある。
「マスタースパアアァァァァァァァク!!!」
「あああぁぁぁぁぁ―!」
瓦礫と共にPCは姿をけし、マスパによって洞窟が崩壊する音とにとりの絶叫が幻想郷に木霊した。
Fin
マスパの威力なめたらイカンwww
洞窟ごと壊す威力www
え?にとり?埋まったんじゃないですかね←