神様と訓練
ソラさんの教えてくれる剣技は実践的なもので、今までクラブなどでがんばってたことはほとんど役に立ちませんでした。だから、ほとんど最初から。基礎の基礎からやりました。・・・それにしてもソラさんは何故刀の使い方を知っているのでしょうか?神様がこの世界に刀は無いといってたのに。
剣の訓練が終わった後は、神様との魔法の訓練です。訓練といっても神様が調べたところ、私は魔法の無い世界から来たので魔力を持っていないのだそうです。それで、神様は魔法は使えないことはこの世界では圧倒的に不利なので、魔法を使ってくる敵と戦う訓練をスルゾー!!といいだしました。
「刀に魔法無効化能力を付与しておくけど、魔法が無い世界から来たから魔法がどんなものか知らないだろ?だから最初は見てろ。後から色々やってもらうから。」
「はい。」
「じゃあ、まずは・・・『ファイアー・ボール』」
神様が唱えると、バスケットボールぐらいの火の球が空中に出現しました。なるほどこれが魔法ですか
・・・・・・すごいです。私は使えないなんて残念です。
「凄腕の魔術士や高位の魔獣は魔力を大量に持っているから、同じ魔法でもほら・・・『ファイアー・ボール』」
今度はとてつもなく大きな、小さな太陽のような火の球が現れました。
「魔力の量次第で大きさや質が変わってくる。だから、魔法は使い勝手がいいんだが・・・伊予に教えてもしょうがないか。」
神様は火の球を消しました。
「じゃあ、刀だして。」
「はい。」
神様は私の差し出した美斬と美鈴に触れると一瞬光ったような気がしました。
「魔法を無効化できるようにしたから。じゃあ構えて。」
よくわかりませんが二つとも構えます。すると・・・・・・
「よけるなよ『ファイアー・ボール』」
神様がいきなり火の球を撃ってきました。とっさに避けます。
「危ないじゃないですか!!いきなり何をするんですか!!」
「避けるなっつたろーが。何のために刀を構える時間をやったと思ってんだ。」
刀を構える時間をやった?それってつまり・・・
「あの火の球をこれで斬れと?」
「そうだ。それなら斬れるから。『ファイアー・ボール』」
また神様が撃ってきました。しかも今度はさっきより大きいです。
「せいやっ!!」
美斬で真っ二つに斬ります。すぱっと二つに割れて後方に飛んで行きました。
「その調子その調子。さすがソラの弟子。」
神様のほめられました。えへへ#
「じゃあどんどんいってみよか」
今度は何も言わずに火の球を撃ってきました。いろんな方向から。
「やあ!!とうっ!!せいやっ!!はっ!!」
左右と正面からきたのは斬れましたが上から来たのは避けれませんでした。
「うん。それでいいよ。無理に斬ろうとして怪我するより避けたほうがいいから。しっかり見極めるように。」
この後、ずっとこの『訓練』をしました。ボロボロになってソラさんに止められるまで。