始まり!幽霊生活!~可愛いおばけ、めざします!~
ほぼ会話文だけ。書きなぐり
こんばんは!あたしは三栗彩音、17歳!花も爆散するかわいい女子高生!そんなあたしは現在…。
(え~ん!こんな若さで死んじゃうとかあんまりだよ~!)
死んだー!!!
とまあ、一応自覚しているタイプの幽霊です。
死因はお餅。大好きすぎてネットで見たすすり餅という食べ方が気になったから親がいない間にチャレンジして、失敗→このざま。
このまま机に突っ伏している肉体を見続けるのも嫌だし。やる事ないけど外に飛び出してフラフラさまよっているわけですが…。
(今まで気が付かなかったけど、意外と幽霊って多い感じ?)
イメージしていた幽霊って血みどろお化けとか落ち武者みたいな怖いのを想定してたけど、意外と皆さん充実した生活送ってんのね。
ブティックの前でマネキンを見比べて自分の服を魔法みたいに変える幽霊のお姉さん、犬に声をかけて手を振っている幽霊のおじさん、横断歩道の真ん中でうずくまる生身の女の、子おおおお!?
(ちょっとー!キミ危ないでしょ!いくら歩行者天国とはいえ、せめて道路のわきのほうに行きなさい!って、慌てて声を掛けちゃったけど、そういえば聞こえないんだっけ?)
「…お姉ちゃん?」
(私って死にたてだし、まだそういう感覚無いからなあ。)
「私に、言ってくれたの?」
(こういう時言葉が届かないってつらいな。でもせめて誰かが気が付いてくれれば。)
「革靴履いたお姉ちゃん!」
(はい!って、え!キミ、あたしのことが…)
「う、うん。みえてるよ、茶色い革靴はいた、赤いシュシュつけてるセーラー服のお姉ちゃん」
(ほんとに…、ほんとに見えてる!ってそうじゃない!キミ、こんなところでしゃがんでたら危ないでしょ!しゃがむならせめて道路の脇で!)
「心配してくれた…。幽霊なのに…」
(心配するのに幽霊も美少女もないっての。)
「美少女じゃないとは思ってるから幽霊であってるよ?」
(こ、こ、このクソガキ。それは私が自分で言うセリフであって、君が言っていい言葉じゃないからね。)
「ねえ、お姉ちゃんはどうやって死んだの?自殺?他殺?そもそも死にたて?」
(中々にデリケートな事聞いてくるね。幽霊によっては多分怒るかもしれないし、あまり聞いちゃダメだよ。あと死因は大好きな餅が喉に詰まったから。)
「そうなんだ、中々にカッコ悪いね。ちょっと安心した」
(人の死因に安心もクソもないでしょ…)
「あるよ。未練がある幽霊って生きてたよりも身勝手で、見える人に色々要求突きつけてくるんだよ。」
あいつら自分勝手で怖いんだ、と呟く。
(ふーん。こわいねえ。見た感じ別に怖そうには見えないけど?)
自意識過剰じゃない?とテキトーに話を流そうとしたら、なんかあたしを押しのけるようにしておっさんの幽霊が女の子の前に仁王立ちした。幽霊同士は触れるのね・・・
(ふへへ・・・きみ、おじちゃんとイイことしない?・・・大人に、大人にぃ!してあげるよおおお!!)
とりあえずおっさんを引きずり倒して近くのドブ川に蹴り落とした。
(信じなくてごめん。幽霊って本当に自分勝手なのね。)
「わ、え・・・すごい。すごいよお姉ちゃん!ねえ、私の守護霊になって!」
(どうしたの?急にお目目キラキラさせちゃって。にしても守護霊ねぇ。)
「おねがい!うんって言って!早く!」
(いやいやそんな急かさないでよ、ってあれ?なんか体消えてきた。成仏するかんじ?)
「まともな幽霊集めて部隊組むのー!!」
(うーん。あたし誰かの下につくの嫌なんだよね。あ、とうとう意識まで・・・)
「やだー!!」
突然の衝撃!思わず目を覚ましたら自宅で餅を吐き出していた。
「え!?あたし生き返った?」
どうやら詰まった餅が飛び出たことで息を吹き返し、生き返ったらしい。
そしてまた衝撃。命の恩人め、あたしが息を吹き返したことにまだ気が付いていないらしい。
お礼を言うべく後ろを振り向く。
(さっきはよくもドブに突き落としてくれたな!ブス女!)
とりあえず便所に流した。
「って、あたし幽霊に触れるようになってる!もしかして生き返った今も能力が使えるようになったとか?」
試しに力を抜くと体から抜け出して幽霊になることができた。
(そっか・・・、よし。守護霊にはなれないけどあの子やっぱり見捨てれないよね。)
日中はかわいい女子高生として煌めいているから、放課後はかわいい幽霊として煌めいてやる!
(かわいいおばけ、目指します!いくぞー!)