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普通の夏休み?

7/31月曜日


 ガヤガヤガヤ

「かぁー、まったく気分がわりぃぜ!」

朝から騒がしい教室に、ひときわ騒がしい声が響く。


「どうしたんだ?カズト。」

俺は、そんな騒がしい友人に話しかける。


「聞いてくれよ。ただでさえ夏休みに早起きしなくちゃいけなくてめんどくせぇのに、学校に来る途中で変なババアに絡まれたんだ。」


そう答える彼に俺は

「御愁傷様だな。服装の注意でもされたか?」

と、聞いてみる。


「いや、それがよぉ。最初はババアも、暑いのに学校で勉強なんて偉いねぇってニコニコで話し掛けてきたんだ。」

「ほぉーん、それで?」


今のところ彼が不機嫌になる要素は無さそうだが

「だから俺が、教室はクーラーが効いてるから別にそんな暑くないって言ったんだ。そしたら急にババアが怒り出してな、この期間に本館を開けるなんてけしからん!!祟りが起きるぞ!!なんて言ってきやがったんだ。けしからんのはお前の頭の方だってな。」


 確かに、いきなりそんなこと言われたら、俺だって気分悪くなる。


「別館で勉強とか、祟りの前に暑さに殺されるよ。」

「まったくだ。俺としては、こんなくそ暑いのに本館を閉めとく理由が分からねえよ。」

「本館を開ける条件として、必ずクラスで出欠をとるとかも意味が分からねぇよな。」



そんなことを話してると、ガラガラッとドアが開いて、先生が入ってくる。


「今日はこれで全員かー?出欠をとるぞー。」

と、そんな風に今日も特に何事もなく解散かと思われたが、出欠を取り終わると先生が


「ところで誰か、先週の木曜日にタカオと一緒に帰ったやつは居るか?どうやらまだ家に帰らずどこかに行っちまったみたいで、親御さんも連絡が取れないそうだ。」

と言う。


ざわざわと、周りでお互いの顔を見合わせあう。

「2組の3人と一緒に帰ってたと思いま~す。」

そう誰かが答える。


「そうか、このクラスは誰も一緒に帰ってないんだな。わかった。それじゃ、お前らは各自の活動に移っていいぞ。」

その言葉を合図に皆部活や勉強など、それぞれの活動を始めていった。



「なぁ、タカオって誰だっけ。」

俺がそうカズトに聞くと

「確かバスケ部の奴だったかな。俺もよく知らねえわ。」

と、返される。



その日はそのあとタカオの事が特に話題にのぼるわけでもなく、カズトと他のクラスの友人3人と、帰路に着く。



その後も結局、タカオに連絡が付いたと言う話がないまま、他には、特にいつもと代わり映えの無い日常が続いていた。その週の木曜日までは。


8/4金曜日


ガヤガヤガヤ

「今週もあっという間に終わりだな。」

俺がそう言うと

「外がクソ暑いのと蝉がうるせぇの以外何も記憶に残らねぇ一週間だったな。」

と、カズトが返してくる。


そして、ガラガラッと先生が入ってくると

「今日はこれで全員かー?出欠をとるぞー。」

出欠を確認し始める。


今日もいつも通りこのまま解散かと思っていると、先生が、まるで月曜日の時と同じような表情をして

「誰か昨日の下校時間のあと、バレー部のアユミと連絡を取ってる人はいないか?昨日から家に帰ってないそうだが。」

と、クラスに聞く。


また教室がざわざわ、としていると

「あの、私達、部活のメンバー8人で帰ってたんですけど、他のクラスの子達は知らないんですか?」

そう逆に先生に聞く声がする。


「いや、まだ職員会議で話が出ただけで他のクラスはわからん。とりあえず話を聞きたいから後で他のメンバーも一緒に職員室に来てくれ。」


先生が、女子生徒にそう答えると、その他はいつも通りの流れ

だったが、解散する前に先生が

「あー、あと、毎年この時期になると夜中まで外をうろうろするやつがふえる。このクラスには居ないと思うが、夏休みだからって羽目を外しすぎないようにな。」

と、話した。



キーンコーンカーン

「なぁ、あの噂聞いたか?」

その日の帰り、昇降口で別のクラスのエイジ、シュンタ、ヨウスケが合流してくるなりそう言ってくる。


「噂ってなんだ?」

カズトがそう聞き返すと

「タカオもアユミもお化けに拐われたんじゃないかって。」

と、ヨウスケが答える。


馬鹿馬鹿しいな。まぁ、突然連絡が付かなくなるならそんな噂もでるか。そう思っていると


「なんでそんな噂がたってるんだ?」

俺も気になっていることを、カズトが聞く。


「どうやら、2人とも居なくなった日に門の近くで変な音を聞いたって言ってるらしいんだ。」

そのエイジの答えに、俺が

「どんな音だったんだ?」

と、聞くと

「いや、他の人が話してるのが聞こえただけだからそこまではわからない。」


という返事が返ってきた所で2人の話題は終わり、そのあとは他愛の無い話をしてそれぞれの帰路に着いた。

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