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妹と変態兄貴

「おい、ジョーダン」

「なに、センゴク」

 いきなり名前がミスマッチだが、これは二人のあだ名だ。

 一応、主人公がセンゴク。

 ジョーダンは女のような顔をしているが男だ。

 二人は狭い室内のコタツで温まっていた。学校に行く前に、換気をしておこうと思って、ずっと開けていたのがいけなかった。コタツの外はほぼ真冬なみになっている。

「何で俺に、彼女がいないか知っているか」

「不細工だからだ」

「ほっほっほ、一言で俺の心を抉るとはたいしたもんだ」

「あと、変態」

「俺は変態では無い――いきすぎた変態だ」

「威張って言うことじゃ無いね」ジョーダンが呆れたように白い息を吐き出した。

「真面目に聞けよ。これはお前がもてない理由にも繋がるんだぞ」

 ジョーダンは細くてアイドルのような容姿をしている。性格をクールだと自称しているが、ただの根暗で、口が悪いだけだ。

「俺がジョーダンの尻を触っているからだ」


「それを見たクラスの女子が、俺たちをカップルだと思っていやがる」


「しかも俺が受けで、ジョーダンが攻めだ」

「そこはどうでもいい」

「どうするんだ。俺はこれからの大学生活を常に尻を守っていかなければならないのか」

「心配事はそこかよ」

「当然名誉にも関わる。耐えられるか? 俺たちが卒業した後、同級生が俺たちを懐かしむときに――オカマだけど良いやつだったと言われるんだぞ」

「お前はオカマじゃないけど、良いやつではない」

「言われなくても知っているし!」

「つーかさ――お前が俺の尻を触らなければ万事解決じゃない?」


「それは譲れない」


「ちょっと言っている意味が分からないけど」

「大丈夫。自分でも言っている意味が分からないから」

「言っとくけど、触られて俺は嬉しがって無いからね」

「ガーン」

「ガーン。じゃねぇよ、馬鹿」

「俺は触っていて楽しいぞ」

「本人の意思は無視かよ」

「嫌がるから、楽しいんだよ」

 ケケケッ――センゴクは笑った。

 二人が喋っているのは、センゴクが一人暮らしをしている部屋である。狭い、臭い、汚いと底辺の生活を送っている。それなりにバイトをして、酒に金をつぎ込んで、ネットでAVを見て、栄養バランスの悪い食事を摂っていた。センゴクは人生の夏を、唾棄してもいい場所でおくっていた。

 二人は他愛の無い会話を終えて、暇そうに目をこすり、トランプを取り出した。そして、二人でババ抜きをし始めた。


 ババを一枚抜き忘れた。


 やる気をなくした。


 突然、玄関のチャイムが鳴った。

「センゴク、NHKか?」

「それか宗教かもな……静かにしろ」

 軽く扉を叩く音がした。

 数十秒息を止めて、帰るのを待った。

「ったく、学生がNHKに金なんて払えるかよ。シモの世話だってタダの時代だぞ」

「うんじゃあ――かえっかな」

「もう?」

「親が飯を作っているし」

「実家通いは楽で良いねー」

 センゴクは嫌味を言った。この寒い季節、一人暮らしにとって食器洗いは辛いのだ。どれだけ親という存在が偉大なものかセンゴクは身にしみて味わっていた。

「まあね。甘えさせてもらっているよ」

 センゴクは立ち上がり、ジョーダンが出て行ったら鍵を閉めるつもりだった。

 ジョーダンが扉を開けた。


 目の前にフードを被った人が黙ったまま立っていた。


 こわっ。


「さよならー」

「逃げるな!」

 センゴクは逃げるジョーダンの服を掴んだ。


 目の前にいた人がフードを外した。

 黒髪で外側にはねるようなくせがある。両方とも二重で、鼻が少し低い、完成されていない顔ですぐに年下と分かった。そして、かなりの美少女だった。


「おにいちゃん!」

「ノォォォ!」

 センゴクの動きは早かった。ジョーダンを扉の中に引き込むと思いっきりドアを閉めた。

「センゴク、妹キャラのデリヘルでも頼んだのか?」

「おにぃいちゃぁんあけてよぉぉ」

「うるせぇ! 騙されないぞ! NHKの新手の手先だ!」

「……あけてよぉぉ」

 外にいる自称妹が扉を軽く叩き始めた。

 センゴクは借りている身にもかかわらずけり返した。

「センゴク、話を聞いてみたらどうだ?」

「お前は今まで食ったパンのミミを覚えているのか」


「間違っているよね。いろんな意味で」


「どうぞー」

「あ、ありがとうございます――あれっ、お兄ちゃんは?」

「居間で精神的ダメージを癒しているところ」

 センゴクは奥の部屋で体育すわりになって俯いていた。

「それで君は何者?」

「はい――私の名前は〇〇〇〇です」

 センゴクはそれを聞いて、妹キャラに近づいてきた。

「親父の娘か」

「はい」

 半分だけ血が同じ兄妹の初対面だった。

今回のパロディネタ:ジョ〇ョ

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