ファーストコンタクト
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2020年
37Aセントラルスクエア研究センターの地下で職員達が何やら活発に議論しあっていた。彼らの大部分が青ざめた顔をしていた。何が起こっているのか?ことの始まりは2時間前。『トンネル』の管理をしていたオペレーターが『トンネル』内部の空間歪曲が小さくなっていっていることに気がついた。しかしオペレーター及び科学者達はこの現象に対処できず『グラウンド』と地球との接続は断ち切られ、間も無く掘削推進システムも原因不明の理由で機能しなくなった。グラウンドにはまだ十数名の職員が取り残されている。
グラウンドにいる職員達も事態を察知していたがトンネルがある基地(仮に拠点Aとしておこう)から離れた場所にそれぞれ前哨基地が2つあったのでもしグラウンドから避難するならそれらの基地の職員も避難させなければならず対応に追われているうちに現実世界に帰れなくなってしまった。現実世界と断絶するまでの時間が5〜10分程と非常に短かったのも考慮すべきだろう。
何はともあれ大勢の37A職員が一時的にグラウンドに取り残されることになった。
現実世界と断絶してすぐ後拠点Aから西に16キロ離れた場所にある拠点Bが異常な無線電波を受信した。
普段他の拠点との通信に使われているものとは違う周波数だった。その無線通信は男性の声で自分は約2週間前に行方不明になったS・××××だと語った。彼は作業中に行方不明になった実在の人物だ。職員はマイクに顔を近づけその人物と会話する。
職員『あなたは誰なんですか?』
? 『私は今から約2週間前に消えた
S・×××× です。』
職員『今現在どこにいるのですか?』
? 『それは......。私にも分かりません』
職員『今まで何をしていたんですか?』
? 『........』
なおこの無線電波は拠点Bだけでなく拠点A ,C,でも受信された。拠点Aの人々は再度S氏(と思われる人)
からのメッセージを受信できるように準備し他の拠点の人々にも同様の行動をとるように呼びかけた。
拠点Bよりは拠点Aに近い拠点Cの職員達が謎の飛行物体を目撃したと報告した。グラウンドでは鳥や飛行昆虫といった飛行生物の存在は確認されていない。
それから信じられない出来事が起こった。S氏が拠点Cに訪れたのだ。すぐに彼は拠点Aに送られた。
突然ながらSは質問の嵐にあったが彼は結局自分が今までどこにいたのか、どうやって拠点だまで帰ってきたのかは語らなかった。Sは栄養失調の兆候を見せていたのですぐさまできる限りの治療と休養を施された。
それから5時間後には幸運なことにトンネルが再起動され地球との接続も再確立された。
その後の話だが『掘削計画』がどうなったのか全くわかっていない。37Aは『掘削計画』に従事する人員を大幅に削減し提案されていたあらゆるグラウンド移住プランを破棄した。なぜ彼らがこのような行動に及んだのかも大きな謎だ。現在情報公開のための裁判が予定されている。
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