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転生したら転生してなかった件  作者: いりはら
3/6

遭難者

私の書く小説は1話1話が短い気がします。もうちょっとボリュームをつけた方がいいかも。

空が曇っている。今にも雨が降りそうな感じだ。こんな天気なので森の中は文字を読むのに少し困るくらい薄暗かった。『警戒を怠らず歩け。』私の隣を歩くD博士が言った。『まだグラウンドについてわかっていないことは多い。』私はうなずく。『了解した。』

私たちはしばらく森の中を進み、周りのものより大きい1つの木を発見した。木の表面は黒色のドロドロしたものに覆われてる。『これは恐らくカビだな。B博士サンプルを取るか?』『ああ、そうしよう。』博士はバックから採集器具と試験管を取り出して木に近寄り私の前でカビを取り始める。私はその様子を見守った。


突然身体が落下する感じがした。尻、腰に痛みが走る。何が何だか分からず私はしばらく呆然としていたが少し経つと周りの状況がわかるようになった。

まずここは私がさっきまでいた森の中ではない。巨大なビル群が立ち並ぶ都市だ。これだけでも異常だがさらに不可解だったのは空の色が赤色になっていたことだ。別にこれ自体がおかしいわけではない、グラウンドでの『晴れ』の空はいつも赤色だ。私が驚いたのはほんの少し前まで曇り空だったのが急にどうして晴れになったのかということだ。テレポートした?掘削推進システムのようにか?

それにしてもグラウンドに人工物があるのは知っていたがこんな大都市があったとは驚いた。

誰かいませんか!大声で呼びかけるが私の声が虚しくこだまするだけで返事はなかった。ここはゴーストタウンなのか。路上に乗り捨てられた車はサビと砂ぼこりで汚れていた。それに道路のひび割れた部分からは背の高い草が生えている。どうやら廃墟の街らしい。

コツン、コツンと歩く私の足音が響く。周りの建物はうつろな窓をぽかんと開けている。この周囲数十キロで活動しているのは私だけのように思われた。あたりは凄まじく無音だ。私は何か不安を感じずにはおれなかった。静けさとはここまで人を不気味に感じさせるのか。

とにかく今はすぐに拠点に戻れる状況ではない。私の所持品はエネルギーバー4本、水入りペットボトル2本、懐中電灯1つ、コンパスが一個、折りたたみナイフ1本、そしてそれを入れるバックパック、これがすべてだ。持っている食糧だけでだいたい2日保てる。私は立ち並ぶビルやマンションの間を通り過ぎやがて海沿いまでやってきた。ざばん、ざばんと音を立てて波がコンクリートの護岸にぶつかる。水平線まで続く海と海岸線が確認できた。海の下には魚なんかがいるんだろうか?私は港に係留させられたままの船も見た。その多くがペンキが剥げていた。 


腕時計の目をやるともう午後3時半だ。向こうにでかい橋がみえている。しばらく経って私が橋を渡り切ると数ブロック先にスーパーの看板が建てられた建物があった。生鮮食品や冷凍食品は腐敗によって消滅していたが缶詰がたくさんあったので私はその中から5個選んだ。外に出て見ると西の空が青色になっていた。これがグラウンドでの夕暮れだ。私は夕暮れになっても少しの間移動していたが周りがそろそろ暗くなってきたので公園のベンチで野宿することにした。

グラウンドの夜は暗い。廃墟の街では何も光を発しないので光源は空にぽつんと浮かぶ月の光だけだ。



朝になって起きた私はエネルギーバーを1本食べると再び歩き出した。私はひたすらに歩いた。やがて目の前のビルがだんだん少なくなっていきとうとう私の周りには道路と少しの建物と草原が広がるようになった。いや時々草むらの中にトラクターが隠されるようにあるのを見ると、ここらへんはもともと畑地帯だったらしい。

それから3時間程歩いているとそこだけ草があまり生えていない獣道のようなものを見つけた。しばらく立ち止まったあと私はそこに進入した。

草むらをかき分けながら道?を見失わないように進んでいく。野原に出た。驚いたことに向こうに空港のような建物がある。近くに放棄されていたSUVに標識が貼られていた。読んでみると『M37U』と書かれている。他にも色々な車が付近にうちすてられていたがそれらの車にも『M37U』という標識が貼られていた。また私はボロボロになったドーム型のビニールハウスや一軒家をいくつも見つけた。ここ一体が1つの街のようだ。そして肝心の大型建造物に近づく。こちらも廃墟らしい。ガラス扉は外されて地面に置かれている。私は内部に入った。埃まみれだった。だがここがただの廃墟ではないことがわかった。

直系が6〜8メートルはあるリング状の物体を見つけたからだ。同じものが右、左にそれぞれ1つずつあった。なんだこれは?見たところ何かの機械のようだが。私はハッとした。私はこれを以前見たことがある。そうだ協会がグラウンドに開発したワープホールの枠に似ている。だが協会はワープホールを3つも生成してはいないしワープホールが収容されている拠点もこの廃墟ほどでかくない。リングに手を突っ込む。何も起こらない。さすがに機能していないか。

私は落胆した。だが外に出たときが転機だった。東の空をなにかが猛スピードで飛んでいった。私は興味本位でその方向に向かって進んでいった。

森を抜ける。次の瞬間私は死ぬほど驚いていた。



読んでくれてありがとう!

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