逃走者
短めの作品です。
うぅ。少し息苦しいな。だが俺の命にまで関わることじゃない。ここはどこだ?ああ.....。俺はどうやら平原にいるらしい。しかし何故か空が血のように真っ赤だ!黄昏にしては空の色が赤すぎる,第一太陽は俺の頭の真上にある。どういうことだ?ついさっきまで俺はイングリット(女友達の名前)とカフェにいた。それがトイレの扉を開けた瞬間ここにいた。
何故?
発狂しそうだ。走ると数メートル先にチロチロと流れる小川を発見した。その小川を流れるものは見かけは普通の水に見えた、俺は手近にあった棒を拾い川の中に突っ込む、たちまち棒の水中に入れた部分が消えてしまった。溶けたのか?環境がどうもおかしい。まさか異世界に迷い混んでしまったとでもいうのか。そんなSFじみたこと信じられない。
俺はしばらくそこら辺を歩きまわっていたが思い切って真っ直ぐ突き進んでみることにした。5キロほど歩くと幸いにも道路を発見した。周囲は物凄く静か。今は正午(?)だというのに、まるで真夜中だ。自分の足跡だけが響く。
はあ。はあ。俺は今とても苦しい。数分前、道路に沿って歩いていると少し離れた場所に奇妙な建造物があるのを発見した。近づくとそれは加工した石を並べたり積み上げたりして作られた高さ5メートルくらいの祭壇のようなものでイギリスのストーンヘンジの石をやすりで削って整えた感じだ。その祭壇の上にはまだ火が燃え盛っている松明が設置されていた。誰かいるんだろうか?しかしそんな考えごとをしているひまは次の瞬間にはなかった。俺はうっかり松明の一つを転がしてしまった。そしたら… 奴が出てきた。そいつは困惑する俺のもとに迫ってきた!そして今俺はそいつから逃げ出したところだ。
ああ畜生!今さっきあいつが視界に入ってきた、しかも何気に歩く速度が速い。
もう駄目だ、景色が歪んできた。???? 俺が前にいたカフェの入り口が見える。イングリットが扉を開けて出てくる、「イングリット!助けてくれ!」だが俺の悲痛な叫びは彼女の耳には届かなかったようだ。
これで終わりか?いや、違うこんな場所で最後を迎えてたまるか、必ずイングリットや家族に会う!
俺は棒切れで奴の顔面を全力で殴りつけたあと力を振り絞り全速力で走り出した。逃げた!逃げた!逃げた!
気がつくと森にいた。そして目の前には金属フェンスがある、「誰か!」フェンスの前で助けを求めたが誰も出てこない。もう待ってられない。俺はフェンスを猿みたいによじのぼり中に降り立った。なおも走る。期待した通り平屋の家
?を見つけた。さらにいいことに扉の鍵が開いていた。内部は電灯がついていなかったので薄暗かった、コンピュータや発電機、箱が置かれていた、人はいない。いくつか廊下を曲がると1つの部屋に行き当たった、その部屋にはほかの部屋と同じく机や機械類が置かれていたが何よりも目立つのは部屋の真ん中にある両開きの扉がついたロッカーだった。
これでゴールか?
海外旅行とかいいですね。