映画館で会いましょう
「これでようやく事件解決だな。いやあ、一時はどうなるかと思ったぜ。」
「私は、大丈夫だって信じてましたよ。なにせ、私には無敵のパートナーがおりますから。」
「お、おいっ! 急に何を言い出すかと思えば。改まってそんなこと言われちまうと……、照れるぜ。」
「何か勘違いをされているようですね。私の無敵のパートナーは、花ちゃんですよ。」
「え? そんなぁ。マジかよ。」
主人公たちが、談笑をするシーンに続き、エンディングテーマが流れ始めた。そして、最終話に登場した印象的なシーンの静止画、登場人物のアップの静止画を組み合わせたエンディングロールとなった。
今期のドラマの中では、そこそこの視聴率。
王道のバディーものであること、主演の2人が今、話題のコンビであること、脇役にも個性的かつ演技派が揃ったということもあって、最終話を前に第2期制作を期待する声も少なくなかった。
実際、最終話では、これまではっきりとは明示されてこなかった敵組織の一部がチラ見せされていたのだ。
主人公の1人、小前田 稀は気が付いていないような描写がされていたが、もう1人の主人公で小前田のパートナーである銚子 則夫の方は、敵組織の一員とすれ違いざまに一瞬表情が変化したところをアップで抜かれていた。
これは、エンディングが終わった後に、何らかの発表があるのでは?
そういう期待を煽っている演出だ。
しかし、そのままCMに突入してしまい、なんと、5分近くも、お菓子と自動車と生命保険の宣伝を見る羽目になった。いや、番組の提供をしているのが、お菓子と自動車と生命保険のメーカーなんだから、仕方がないのだが。
が、遂に、主人公2人を演じた麻多瀬 彬雄と早久 史郎、ヒロイン役の綺羅木 蘭が登場した。
よっしゃ~ぁ! これは、セカンドシーズン決定だな!
「え~とぉ~。今日で最終回を迎えた訳なんですけどぉ~。」
「応援してくださった視聴者の皆様。」
「皆様の応援のお陰で。」
「「「せいのっ! 映画化が決定となりましたぁ!」」」
え?
「気付きましたかぁ? 今日の放送回、途中で、ちょこっとだけ、悪の組織の皆さんが出てたんですよぉ~。」
「そうそう、まだまだ、謎はすべて解明されたわけじゃなかったんだよな。」
「というわけで、続きは映画版となります。」
「「「「せいのっ! この次は、映画館でお会いしましょう!」」」
何じゃそりゃ?




