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ラビリンス!!忘れ去られた王女は何かと大暴れ・・・  作者: 抹茶な紅茶
暴動ですか!? それとも騒乱!? いいえ、クーデターです!
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T-DAY:転移最大の作戦



顔が青ざめゾンビのような兵士たち!  だが、目だけは血走っている。

そんな兵士たちが ゆっくりとアリスに迫ってきた。

しかも・・・完全包囲状態、逃げることが出来ない!

「ひぇぇぇぇ」


そんなとんでも状況の傍らで・・・・皇帝と大公はボクシングの真っ最中であった。

こちらを気にする様子もない。

または・・まったく気づいていない!?

とにかく両者は・・・存分に殴り合いをしていた。


バコーン! グシャー! ドピャ!


殴るたびに・・・笑顔になる。

殴られるたびに・・・笑い声が漏れる!!

よほど殴り合いが好きなのだろう!!

二人だけの体育会系的・・血湧き肉躍る格闘世界を形成していたのである。



そして アリスは恐怖の世界を形成しつつあった。

いよいよ包囲網が狭まり アリスの目前にまでゾンビな兵士が迫ってきた。

両手を前に出し・・・アリスを掴もうとしてきている。


危機迫る!? 

だが 彼ら兵士は決してアリスに危害を加えるつもりはない!

助けを求めてきているのだ!!


そうだ! そうだった! アリスは思い出す!

彼らはゾンビじゃない! 兵士なのだ。お客様なのだ!

見た目は・・・血走っている目をしているが、一応・・お客様!!

お客様の対応をしないと!!!


「そ・・・そこにある募金箱に とにかく金貨をいれてください・・・入れてくれたらすぐに転移をはじめます」


アリスは叫んだ!! 欲の皮が突っ張るかのように叫んだ!!

こんな恐怖にさらされても・・とりあえずは金貨の要求である。


・・・だが、ほとんどの兵士は 落胆したかのように首を横に振った。

ここにいる兵士のほとんどが一般兵士・・・きびしい懐事情、貧しいのである!

金貨なんて持っているわけがない!

・・・というか、異世界の価値で言えば10万円相当、そんな大金を普段から持ち歩かないよね 


一般兵士相手に要求するには 高額過ぎたのである。



「えっ・・・・お金がないの!! みんな、お金がない!?

えっえっ し、仕方がない!! 皆さんの身につけている剣と鎧の寄付だけでいいです・・いいよね!? いいわよね!」


アリスからの一方的発言に 凄い勢いで首を縦に振る兵士たち。

剣と鎧の寄付だけで帰れるのなら安いもの!!

なんだったら・・全裸にだってなりますという心理状況であった。



「う・・うん、お・・okよね! それではみなさん! さっさと転移させます 」

アリス・・・完全にやっつけ仕事である。

そう!  怖いのである!

迫りくるゾンビな兵士たちの血走った目が・・・怖いのである!

こんな兵士・・・さっさと地上に帰しちゃいます!! 

いやな仕事は・・・手早く終わらせます!!




アリスは すぐに転移魔法の準備にはいった。

だが・・今回の転移魔法はいつもと違う!


兵士たちが身につけている鎧と剣を魔法によって強制的に外し・・・その中身、身体だけを地上に転移させないといけない。

しかも かなり大勢の兵士を一斉に転送するのだ。

一人一人、地上に送ると・・・時間が掛かるからである。


これだけ複雑なことを大規模に行うには・・・無詠唱魔法では無理すぎる。

そこで・・・アリスは詠唱魔法を唱えることにしたのであった。


「我と我、君と君、神と精霊の契約にそくした・・・(以下省略)

・・・・発動せよ! 時空転移」


時間にして10分・・・長い長い詠唱時間が必要となる。

ときおり・・・言い間違いやら 言葉が詰まったりしたのはご愛敬。


ちなみに、これだけの大規模転移魔法は手間もかかり 膨大な魔力が必要となる。

そう! この魔法はアリスだからこそできるのであった!!


シュルルッルル~

不可思議な音が広場全体に響く。

何が起きたのかと兵士たちはアリスを凝視すると・・・

・・・そのアリスの頭上に複雑な形をした魔方陣があらわれたのだ。

しかも・・・白く輝いている!


兵士たちはその魔方陣の美しさに息を呑んだ。そして自らの身体を見て・・・より息を呑みまくった。

自分たちの体が透け始めているのだ!

「なんと!!」

「えっ!?」


広場にいる兵士たち全員が陽炎のようにぼやけだし透明化・・・そして ついに!! 消滅したのであった。


彼ら兵士は鎧の中身だけ・・生まれた姿のまま・・転移させてしまったようだ!!

ようするに全裸である!!

そして・・アリスの目前、地下空間には・・・鎧と剣・・・そして下着だけが散らばっていたのであった。



「し・・・しまった~! 下着! 下着の転移に失敗したのか・・・」

もちろんワザとしたのではないです。

男を全裸にする趣味なんてもっていません!

(ただし 可愛い男の子は別である!)


アリスのミスである。あくまでもミスである!!


鎧と剣だけをはずして・・・それ以外を転移させるのは さすがに難しかったのであろう。

微妙な調整の間違いにより・・・全裸で転移させてしまった。

そして・・・大量のきたない下着が 鎧や剣と一緒になって床一面に散らばっている。


「うっううう 下着なんていらない きたない!! どうしましょう!?」

アリスは おもいきりしかめっ面になった。


とりあえず散らばった鎧と剣をターゲットにしてアリスは再び転移魔法を発動し・・・ラビリンス奥にあるアリス専用の倉庫へ転送させた。

一応、鎧と剣はゲット!!

そして・・・残りの下着は見なかったことにした。




一方・・・地上、皇宮内の片隅に広がる人知れずの森では・・・全裸の人たちが あちらこちらでへたばり倒れていた。

もちろん・・・すぐに救援隊が駆け付け治療を施す・・・幸い死亡者は出なかったのは幸運である。


人知れずの森・全裸事件

皇宮の歴史史上とんでもない珍事が発生したのであった。


ちなみに・・転移して帰ってきた兵士が ほとんど全裸であり 

支給品である剣と鎧が失われていたため・・財務課の人たちが頭を痛めることになる。

標準装備である帝国製の鎧は たいへん性能がよく・・・巷で売られる鎧とは値打ちがちがうのであった。

そう! かなり高価だったのである。



あと・・・ついでにいうと この全裸兵士たちの中に女性がいなかったことは幸運であった。

期待した!? だめだよ!!




兵士たちを 一斉に時空魔法で転移させたあと・・

アリスは 一稼ぎしてホクホクだが、現金である金貨の収入はほんのわずかだった。

金貨2枚程度・・・少ない!!

だが! まだ希望がある。


そう! アリスの目の前には、先ほどの転移魔法で転移しきれなかった兵士たちが まだまだ残っていたのである。

転移魔法の範囲から外れた者や・・・または、時空転移魔法を自力で拒否できる能力を持つ者。



アリスは・・あらためて椅子に座り、机の上に募金箱を置きなおした。

そして・・・すこし休憩!

やはり転送しすぎて・・さすがのアリスも魔力が枯渇?はしてないけど疲れた!!

一応・・・まだまだ魔力に余裕はあります。



さてさて・・・ある程度、疲れがとれたところでアリスは・・・清廉なる神官のような顔をしながら兵士に語り掛けた。


「えっと・・・再び転移魔法サービスをおこないます。お布施は・・金貨1枚、もしくは、着用している鎧と武器でございます」


実に・・・どす黒いアリスであった。

そんなアリスに・・・他の兵士とは違い、スタスタと歩いて近づいてくる黒い影に気が付く。


渇きと飢えに無縁な人物・・・おそらく貴族だろうか!?

両手を大きく広げ仰々しい芝居かかった仕草をしながら近づいてきた。


その横では・・・相変わらず皇帝と大公がボクシングしているのだが・・・あえて無視しているのか・・アリスへと歩んできた。

「お嬢さん! こんなところで奇遇だね・・・わたくしの恋しい人よ」


よくわからないセリフを吐く・・・その人物はナイフ伯爵。

何故か・口にバラをくわえている。

本人は自分の芝居というか・・何かに酔っているようだが・・・アリスはおもっきり凍り付いた。

だが・・・中二病をわずらっているアリスと・・ある種、同じ人種ではあるのだが・・・



「えっと・・・どなたか知りませんが・・・ご希望なら地上にお送りします」

アリスは嫌な顔をしながら・・・営業スマイル。



そんなアリスの態度を見て・・・ニヤリ顔となったナイフ伯爵は、自分の手首をクルリと動かし・・

・・・まるで手品のように財布を取り出した。


「失礼! 失礼! お嬢さん! これは珍しい時空転移という魔法ですね・・・

・・・助かりましたよ わたくしも迷ってしまって・・よろしければ地上に・・・」


前髪をかき上げキザっぽい仕草をしたナイフ伯爵は なにげなく椅子に座るアリスの顔を直視した・・・・

そして 一瞬にして真顔になる。


「アリスフィーナ姫!?」


「!?」

アリスは わずかに目線を上げた。

まさか・・自分の本名を言われるとは思っていなかったのである。

 

現在の姿は神官服を着用しており・・・アリスフィーナだと分からないはず! 

絶対にバレないと思っていたのであった。



それに・・・アリスはこの5年間・・・ラビリンス内で引きこもっていた。

そのため 成長したアリスの顔は 世間に知られていない。分かるはずがない。



だが・・・ナイフ伯爵は・・・目の前の少女が・・アリスフィーナ姫であると見抜いたのである。

ヴェーラ皇太子から アリスの始末を依頼されたナイフ伯爵は・・・昔の肖像画から・・15歳になったアリスの顔形を予想したのである。

ある意味・・・このナイフ伯爵は・・・出来る男であった!


「お嬢さん、あなたは・・・アリスフィーナ様ですね!!」






--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)


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