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ラビリンス!!忘れ去られた王女は何かと大暴れ・・・  作者: 抹茶な紅茶
暴動ですか!? それとも騒乱!? いいえ、クーデターです!
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皇帝VS大公



そんなこんなで 神の名をかたり アリスが転移魔法サービスをつづけていた頃、

アリスの父親・・つまり、この帝国の皇帝ルティスと、

クーデターの首謀者であり皇帝の弟であるユセル大公が・・・

何の因果なのか、それとも何者かの思惑なのか!? この広い、広すぎるラビリンスの通路にて鉢合わせしてしまった。


あまりの低確率すぎる鉢合わせ 天文学的な確率、わかりやすく言えば・・・

・・・1枚だけ拾った宝くじが10億円の当選! だけど支払い期間が過ぎており残念でしたというぐらいの確立であるw



「そ・・そのフザけた黒衣装におかし気なマスク!! 間違いない!!・・・おまえは弟の・・」

「げっ! バカ兄!」


ルティス皇帝 VS ユセル大公・・・両者は通路でボーイ・ミーツ・ボーイというか、おっさん同士でがっちんこ!

そして・・・すかさず互いの顔を見ると、両者同時にバクテンして後退、

相手との距離を取り、すぐさまファイティングポーズをした!!


この二人・・・まさに息がピッタシの兄弟!!

何かを通じあっているとしか思えない。

あげくにこの歳でバクテン!!・・運動神経も抜群の兄弟である!


だが・・・仲が良いわけではない。両者とも、血に飢えた狼のように睨んでいる。


「ぐっぐぐぐ」

「うっるるるるる」


「ガウガウガウ」

「バウバウバウ」


今にも決闘が始まりかねないような状態。

まさに宿命の対決。


他の兵士たちが飢えと渇きで死にかけているというのに・・

この両者、皇帝と大公は元気一杯、肌つやつや、健康体そのもので睨み合っていた。


この二人にとって・・・飢え!?渇き!?何それ状態、空腹のかけらもない!

別の見方をすれば まさに上流階級だけ肥え太るの図!

飢える民などおかまいなし・・・自分たちだけ飲み食いして好き勝手なことをする暴君に見えてしまう。



・・・とはいっても、補給が届かないこのラビリンスで、

なぜこの二人だけが元気一杯であるかというと・・・その理由は、もちろん魔法であった。


水系魔法によって水を召喚、飲料水を確保してたのである。

そう!・・水系をつかえる魔法使いに渇きは縁遠いものであった。


そして・・・その上! もしもの時のサバイバル用品・・・携帯食料を持ち込んでいたのである。


召喚した水を火系魔法でお湯にして携帯食料にそそぎこむ。

するとあら不思議!

携帯食料は形を変え・・・膨らんでいき、魔導の力によって 箱詰めされた豪華弁当に早変わり。

手のひらサイズの携帯食料が・・・ビックサイズの弁当箱になるのである。

懐に・・・ポケットに・・・ときには靴底に・・・もしもの時のための防災アイテム!!


まさに魔法である!! 理屈はない! 魔法なのである!!


そう! これがいわゆる・・・魔法携帯弁当。

しかも 中身はたいへん美味しく・・やみつきになりかねない味わい。




== この魔法携帯弁当詰め合わせセットを持ち込めば・・・1年は戦える便利グッズ、逃亡者に大好評なのです ==

== 素晴らしいですね! でもお高いのでしょ!? ==

== いえいえ・・・今回の特別セール、呪いのストラップ人形をつけて・・・この携帯弁当の価格が たったの10金貨! ==

== えっ~えっ~ ぱちぱちぱちぱち ==




通販番組のような説明ではあるのだが・・・決して安くはない!!

いや! 王侯貴族にとっては安いのかもしれないのだが・・

一般兵士からすると この魔法携帯弁当の価格は年収に匹敵しており・・・

・・・王侯貴族ぐらいにしか手にできないのであった。


そんな弁当を皇帝と大公は口にして・・・元気はつらつなのである。

これぞ! 格差社会、これぞ! 魔法貴族社会。  




皇帝と大公は・・・・ファイティングポーズで相手を威嚇しつつ・・・戦闘可能な場所へと移動していった。

この通路は・・・狭すぎて、大技がつかえないのである。


そして・・・両者は・・・自然と・・・ラビリンス地下五階、中央の広場へと移動していった。

その広場の床は 少し高くなっており・・・ロープとコーナーが張り巡らされていた。

どうみても・・格闘リングである。

あげくにコーナーは赤と青の色でぬられていたりする。


そうここは・・・格闘技の戦場!!

まさに皇帝VS大公のために用意された場所なのである。



ルティス皇帝はニヤリと笑い上着を脱ぎ捨て・・・筋肉モリモリの上半身を披露した。

もちろん・・・大公も同じく上着を脱ぎ・・・上半身を見せる。

どこか異世界の某大統領のように 上半身を見せたがるのである!!


大人二人が上半身を見せ合う・・・しかも同時に片手をだし指先を曲げた。

かかってこいの仕草である!!



何とも言えない・・・微妙な雰囲気であるが・・・

なぜか・・・コングが鳴る!


カンカンカンカンカンカン!!


誰が鳴らしたか不明だが・・・コングがなった。


両者・・・ついに試合開始!

激しくパンチの応酬!! 

だが・・・両者には暗黙のルールがあった。

魔法は使わない!

先祖代々の掟! 決闘に魔法を使えば・・・そいつは卑怯者だ!ルールである。

そう!! 王家の男は上着を脱ぎすて・・拳のみで語るのだ!!



そんな王家の独自ルールな決闘の最中・・・飢えと渇きでふらつく兵士たちが・・・なにかに誘われるかのように・・

ラビリンス地下5階のこの格闘場広場に自然とあつまってきた。

クーデター側兵士も皇太子軍の兵士も・・・等しく集まってくるのだ。


ただし・・・もはや両軍に戦闘意欲はなくなっている。

飢えと渇きで戦力は喪失・・・両軍の兵士たちは・・・自分が生き残ることだけを考えていた。

そんな彼らが・・・なぜか・・広場へと集まってくる。


じつに不思議な現象である・・・ラビリンスに備えている何かの魔法作用なのか!?

それとも・・・なにかの因果なのか!?


ラビリンス中に散らばる兵士が・・・残り僅かな体力を削りながら・・なんとかこの広場へと集まってきた。

・・もちろんアリスも同様に なんとなくこの格闘広場へとやってきてしまっている。




そしてアリスは・・・目撃した。


飢えと渇きでぼろぼろとなってふらつき、または座り込む多数の兵士たち・・・

そんな悲惨な兵士たちが ひしめく広場のど真ん中!!

そのど真ん中の格闘リング上で 飢えと渇きに縁遠い・・いい歳した二人の男が 上半身を裸にして殴り合いをしていたのである。



じつにシュールな世界である。


一般庶民が飢えているにもかかわらず 上流階級が好き勝手にしているという分かりやすい構図に見えなくもない。

これぞ、暴君! これぞ、独裁者!

いまにも革命がおきそうな雰囲気。


そうである!・・・兵士たちはリング上の二人の半裸な男・・・皇帝と大公を冷めた目でみていた。

我々が・・・渇きと飢えで死にかけているのに・・あいつらは元気よくボクシングかと!!

ある種の怒りが・・・兵士たちの心の中で燃え上がってきていた。


皇帝と大公は自らの魔法で水を召喚し・・自らの財力で高価な魔法携帯弁当を持参していた。

それに引きかえ・・・一般兵士は魔法を使えず・・・食料の補給もない。

とんでもない身分格差である・・・命にかかわる格差である!



何人かの 気の短い兵士は腰に差している剣の柄を握った。

そして・・・リング上の二人の男を睨んだ・・・その時!!事態は急変する。

少女の声が広場全体をこだましたのであった。



「太陽神ルーラー様のご加護により・・・みなさまを地上に転移させるサービスを開始します

お布施は・・金貨1枚、もしくは、着用している鎧と武器でございます」



ここで・・・アリスの登場である。

この広場の片隅で机を設置、もちろん 机にはお布施をいれる募金箱が置かれている。

その机の横で椅子にちょっこんと座り・・神官服姿のアリスが瀕死の兵士たちに手招きをしていたのであった。


アリスにとって・・・ここが正念場!!

金を がっぽり儲けるチャンスなのである!!

これだけの瀕死状態の兵士・・・アリスにとって、金のなる木、いや! 金を持っている兵士にしか見えていない。


・・広場の真ん中で・・・どこかで見たことのあるどこかの大公が どつき合いしているが・・

とりあえず無視する。襲ってくるようだったら吹き飛ばせばよいのだから!!


さぁ!・・・商売の始まりだぁ!!と言いたいところだが・・・あまりにもアリスは異質すぎた。


どうして・・・こんなところに神官が!?

しかも・・・年端もいかぬ少女!?

本当に地上まで送れるのか!?


アリスはこの広場に来る前に 何人かの兵士を地上に送りとどけているのだが・・・

・・・そんなことを ここにいる兵士は知らないのである。


それでも・・・藁をも掴む気持ちで・・フラフラとなり 足をもつれさせながらアリスに歩み寄る一人の兵士。


「金貨一枚のお布施でお願いします!」

神官服姿のアリスは・・・さっそくの金銭要求である。

瀕死の相手に対しても・・欲の皮が突っ張りまくっていた。




そんな・・詐欺まがりの金銭要求に対して・・その兵士は無言で金貨一枚を懐から出した。

普通なら・・・警戒しまくるはずなのだが・・・もはや飢えと渇きの極限状態の彼に正常な判断力はなかったのである。


チャリーン


金貨の音が広場にこだました。


「まいどありー! おひとり様、迷いの森方面へ出発です」

アリスの嬉しそうな声とともに・・・・時空魔法を発動させ・・・その兵士は陽炎のようにぼやけ・・・消えていった。


その様子を見た他の兵士たちは困惑し動揺・・・・そして、希望を感じたのである!!


消えた!? 本当に地上に送られたのか!? 

もしかしたら助かるのか!?  地上に帰れるのか!?


兵士たちは徐々に光明を見出していく・・・

そして・・・飢えと渇きに苛まれながら歓声が上がった!!


「帰れる!? 帰れるのか!? 帰してくれ~ 」


あの少女に頼めば・・・帰れる。

きっと家に帰れる。

兵士たちの目や鼻から いろいろなものがこぼれた。


「娘よ 俺は帰るぞ~」

「嫁たちよ! 俺は帰る!」

「俺・・・帰ったら嫁をもらうのだ」

「俺・・・帰ったら・・二人目の嫁をもらうのだ」

「俺・・・帰ったら・・五人目の嫁をもらうのだ」



重婚容疑者の者が何人かいるようである。

異世界なので それはそれとして問題は無いのだろう。



そんなことよりも・・・兵士たちはアリスへと注目した。

兵士たちにとって・・・一種の救世主的存在。

もはや 泣きつき・・すがりつくしかない!!


兵士たちは気力の全てを吐き出し・・フラフラとよろめきながら 

または・・・床をはいずりながらアリスへと迫ってきた。

人の波がゆっくりと・・・アリスを包囲しながら迫ってくる。


それはまるで・・・ゾンビ集団が襲ってくる光景!

特に兵士たちの目!! 最後の希望にすがる血走った目が怖い!

まさに・・・骨の髄までしゃぶりつこうとする食人集団にしか見えなかったのである!!

このままでは・・・食べられてしまう!?



アリス!! あまりの恐怖のためなのか、髪の毛が逆立つ そして、のけぞり椅子からずり落ちた・・・腰が抜けそうだ!!

ものすごくビビる!!  ものすごくビビった!! 

「ひぇぇぇぇ~ お助け~!!」








--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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