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誕生!魔導師アリス


世界を覆う白い霧が晴れ・・・眩しい光が目に入ってくる。

アリスは徐々に覚醒を始めていた。

長い長い・・20年にも及ぶ夢の世界から目覚めていく・・・


「たしか断頭台で・・・ラスボスとなり、世界征服をしたはずなのに・・・」


そこは、天井がなく太陽の光が降り注ぐ不可思議ラビリンス、地下10階の魔導鍛錬教室であった。

そして・・・その教室に置いてあった睡眠学習チェイサーでアリスは目覚めた。



「・・・・えっと もしかして・・・今まで夢を見ていた!?」


あまりにもリアルな・・・現実世界のような夢を20年の間、見続けてきたのである。

そのためなのか・・・目覚めた事実をなかなか認められない。


「夢!? 現実!? いや! もしかしたら 今が夢であるかも・・・

だが ・・しかし・・あれ~ いや~ん だめ~ん! いったいドーナッツ!?」 

現在、アリスの思考は錯乱状態。


現実世界と夢との齟齬そごに困惑しつつ なんとか現状を把握しようとしていた。



あれが夢・・・本当に夢・・・!?

20年近く・・・夢を見ていたってことなの!?


だが・・・夢の中だといっても・・・その体験してきた数々の経験、

あの三十六課での修行・・・魔法訓練・・・数々の知識・・・全てを確実に思い出せる。


なのに・・なのに・・・夢だというの!?


アリスは この現実世界を確かめるため上半身を起こし 横にある時計の針を見た。


そして・・・衝撃の事実を知る。

寝ていた時間は・・・わずか1時間だったのだ!

あれだけの数多くの体験、夢の中とはいえ20年間生活していたはずなのに・・・現実世界では一時間ほどしかたっていない。





アリスは・・・思い出した。

アリスが横たわっている睡眠学習チェイサー。


これは・・・睡眠中の夢の中で魔法知識などをマスターできる素晴らしい魔道具。

母親であるミリナがアリスのためにプレゼントしたものであり・・・娘もきっと喜んでくれると思っていた。


だがしかし・・とんでもない欠陥を秘めていたのである。

睡眠学習チェイサーによって作られた夢の中で・・過酷ともいえる訓練の数々・・・

その過酷さに耐え切れず・・・多くの者が心を壊し、廃人になったというトンデモ魔道具だったのであった。


もちろん・・・母親ミリナは この魔道具の危険性を知らなかった。

ものすごく高性能だと信じていたのである。


いや! たしかに高性能なのは間違いない!!

ほんの短時間で・・・数十年の経験を体験できる・・・とんでもない性能なのだ。

ただし・・・その副作用は大きかった。


アリスは たまたまなのか、体質なのか!?

事あるごとに脳内麻薬を分泌しまくったおかげで・・・精神崩壊を防ぐことができた。

脳が壊れそうになるたびに・・脳内麻薬で脳の機能を低下させていたのだ。

アリスの持つ体質によって運よく助かったのだが・・・多くの人は精神を崩壊させ廃人になってしまっていた。



某異世界にて回収騒ぎにまでなったこの睡眠学習チェイサーは 恐るべき超危険魔道具だったのである。

とくに・・ラストシーンであるギロチン処刑で アリスのように脱出できず、首を斬られると

ほぼ100%の確率で心が壊されるとされていた。



寝心地がよく・・人をダメにするこのチェイサーは リアルに人を ダメ(廃人)にする性能があったのである。


まさに奇跡、または運の良さ、それとも才能!?によって アリスは知らず知らずのうちに危機を回避していた。



睡眠学習チェイサーで眠っていたほんの僅かな時間で・・・夢の中では20年。

そう! あの長い人生は夢だったのか!?・・・・

いわゆる 一炊之夢・・・というか夢落ち!? 



だが・・・夢の中の経験は アリスの実体験として刻み込まれていたのである。

アリスは 間違いなく魔導師としての能力を開花させていた。


それを証拠に・・・現在、アリスは夢時間にて20年の修行というべき成果・・・

・・・時空系に属する浮遊魔法を行使して浮かび上がっているのだ。

胡坐をかいた状態で 地面から1メイリ(1m)付近をフワフワと浮いている。


「う・・・うち! 魔法が使えている! 本当に使えている!!」


魔法が使えない無能者と言われたアリスが魔法を発動した。

・・・しかもかなり難易度の高い魔法である浮遊魔法を!!


この世界で この浮遊魔法をつかえるものは・・どれだけいるだろうか!?

それだけ珍しい魔法をアリスは行使していた。



アリスは魔法を使えた喜びで歓喜し、はしゃいでいる。

夢の中で修行し獲得した魔術を現実世界で使用できるのだ。


もう・・・誰にも無能と呼ばせない!!

うちは立派な魔導師なのだ!!


・・・・・浮遊魔法によって空中をコロコロと転がりまくり 高揚感に浸り続けるのであった。




◇◆◇◆◇◆◇


そして・・・次の日になってもアリスは相変わらず空中で浮いていた。

いわゆる・・地に足がつかない状態・・浮かれてるのである! 物理的に・・・



皇宮内、大深度ラビリンスの奥深くにある母親ミリナ経営の!?"" 魔導鍛錬教室 ""

この教室には・・・睡眠学習チェイサーだけではなく、

母親ミリナが持ち込んだ数々の魔道具が並べられていた。

そんな魔道具を アリスは・・・浮遊しながら興味津々となって観察していたのである。



数多くある不可思議な形!?やら興味ある魔道具(おもちゃ)を動かしてみたいと思っていた。

だが! 恐ろしい!怖い!  

何が起きるのか分からないような魔道具も含まれているかもしれない。

睡眠学習チェイサーのように・・・・


一度使うと・・・20年の間、拘束されるとんでも魔導具もあるかもしれないのだ(夢の中だが・・)

興味はあるが・・・軽々しく使用するのをためらっていたのである。




ちなみに・・睡眠学習チェイサーは厳重に梱包し封印している。

なにかの拍子で寝転び・・・再び夢の中へ20年間の旅立ちなんて可能性もあったからである。 

あんな過酷な体験は 夢の中であっても遠慮したい!!

完全に危険物扱いであった。




アリスは・・・一つの魔道具に目が止まった。

見た目は ずんぐりむっくり太った魚のような形状。

そして・・・その表面に大きくドクロマークが描かれている。


見ただけで危険物だとはっきりわかる魔導具である。

アリスは恐る恐る近づき・・・ドクロマークの下部に書かれていた説明文を読んだ。


書かれている言語は この世界の言語ではなかったが、アリスは夢の中で異世界言語を学んだのですぐに読めた。


「かくゆうごう・・・ば・・く・・」


アリスはすぐにこの魔道具を梱包し・・・すばやい速さで部屋の隅っこに追いやった。

とんでもないものが 無造作に置かれていたのである。


世界を滅ぼす危険な魔道具・・・

・・・母親ミリナは どうやってこんな危険物を手に入れたのだ!?




そんな戦略兵器的危険物の横に・・まさに正反対の性質をした物がチョッコンと置かれていた。

それは・・・抱っこするのにちょうどいい大きさの・・・ぬいぐるみだった。


見た目はペンギン・・・青みかかったペンギン・・・


「か・・・かわいい 心が癒される」


もちろんアリスは手に取って・・抱きかかえる。

この縫いぐるみ・・・なんていい香りがするの!?

なんともいえない・・・心を穏やかにする匂いだ。


・・・精油!?アルマオイル!?香木!?・・・


アリスは抱き枕のようにペンギンぬいぐるみを抱え・・・何とも言えない匂いに誘われるままZZzzz

・・・・眠りへと誘われる。

夢の中へ・・・・





そして・・・お約束のように・・・睡眠学習・ペンギン編が始まろうとしていたのであった。

『 ここはペンギン寺36課! 一子相伝ペンギン拳法の道場なのです 貴方に我らペンギン族に伝わる秘拳をお教えしますのです』

白い道場着を着た可愛いペンギンが勢ぞろいして アリスを手招きしていた。


だが・・・今回のアリスは気づいていた。

ここが夢の世界で・・睡眠学習チェイサーのような世界であると!!


「待って! うちは魔法が使えるのよ 拳法は不要よ!!」


『 そんなことは言わずにお教えしますのです 』

白い道場着を着たペンギンたち・・・おそらく40匹近くが ゆっくりとアリスに近づいてくる。

そして・・アリスはペンギンたちの目を見て悟った。


これは挑戦状! 無理やりにでも道場に押し込む気なのね。


ならば・・・こちらも臨戦態勢!

アリスは身構え・・・魔法発動の準備に入る。



ついに アリス VS ペンギン軍団・・・世紀の対決!! 夢の中だけど。

だが・・・アリスは劣勢に陥っていた。

数的な不利ではない! ペンギンが可愛くて・・・魔法攻撃をためらってしまうのだ。

抱き枕にしたいほど 可愛いペンギンたちが迫ってくる。


そして・・・アリスは敗れ去った。

ペンギンたちの可愛さに敗れ去ったのだ。


だがご安心を・・・!!

睡眠学習チェイサーのように夢の中で20年間の修行という危険な魔道具ではなく、

いつでも修行をやめて・・目覚めることができる機能付きだったのである。

この ""ペンギン拳法睡眠学習魔導具"は普通に異世界で売られている品質安全マーク付きの魔導具だったのであった。



ちなみに・・・このペンギン拳法とは・・・寝不足解消するための拳法・・・または体術である。

抱き枕を正しい姿勢で抱き・・・寝不足なく快眠するという寝不足2000年の歴史が生んだ快眠拳法であった。


抱き枕一つで快眠だ!


決して・・・戦うための拳法ではなく、平和的な拳法だった。

この日からアリスは・・・ペンギン枕片手に・・快眠をむさぼるようになったのである。



夜は快適快眠、そして 昼間は、ラーインさんの弁当を食べた後・・

・・・・この魔導鍛錬教室に設置してあるディスプレイに釘付け状態となっていた。



ディスプレイ!? 釘付け!? 一体何が起きたかと言うと・・

アリスはとうとう見つけてしまったのである。


魔導ディスプレイと・・ビデオ再生機。

異世界で放映されているテレビ番組を この世界で見ることができてしまった!!

しかも・・・ビデオスティック本数が数万本! 一生かけても見れないほどの数!!


異世界のエンターテインメントは・・・あまりにも刺激的過ぎた。

この世界にはない最先端文化であり、誰もが魅了される素晴らしいものだったのである。

もはや後には引けない・・・アリスは文字通り・・魔導鍛錬教室に引きこもり異世界エンターテインメントに浸りきることになる。


ドラマ、アニメ、報道、教養、コメディ、映画・・・あらゆるジャンルが網羅されていた。


とくにアリスが好んだのは・・・アニメ!

可愛い少年の出てくるアニメに無我夢中となっていた。

・・・・というか10歳のアリスにとって妥当な性向であり・・・決してショタコンではないです!



どちらかというと・・アリスの場合、完璧に中二病となっていた。

人気アニメ・・・""魔導少年かぐらなカバラ""にドップリとはまっていたのである。


「魔導少年になってみないか!? 」

アリス・・思わずアニメ内のセリフを口ずさむ。

あげくに・・・魔導少年的な必殺ポーズをとってしまう。


その上・・・アリスが着ている変形ドレスのダイヤルには・・なんと魔導少年衣装という項目まであった。

少女ではなく少年である!!

この変形ドレスを作成した母親ミリナは・・・何のつもりで少年モードを取り付けたのだろうか!?

もはや知るよしもない。


もちろん・・・当然のように アリスは変形ドレスのダイアルを魔導少年モードに変更する。

そして・・長い黒髪を帽子に隠して・・見た目もばっちし少年に早変わり・・

アリスは・・・"魔導少年かぐら"になりきり おもいきりはしゃぎまくったのであった。


部屋から出てラビリンス中をかけめぐり・・・そして皇宮内の各所に出没!

多くの人たちに目撃され 大騒ぎとなった!!


「かぐら君参上」・・・という奇声をあげながら、

派手派手しい!? または露出気味の衣装で 少年が皇宮内通路を走り回る。

警備兵の何人かが その少年を捕まえようと追跡したが・・結局、追いつけず・・いつのまにか姿を消す!!


アリスは・・・おもいきり魔法を使い・・・高速移動、スモークを炊きながら走り回るなど 好き放題で暴れまわった。

そして・・・皇宮内に出没する謎の少年怪人として・・・怪談!? または都市伝説となっていくのであった。


一説では・・・第5王子の悪ふざけではないかという噂が流れたりした。

わりと大人しい王子なのだが・・思わぬとばっちりである。




そんな都市伝説的騒ぎを引き起こすアリスは・・まだ10歳。

実に子供らしい遊びである!!

・・・・夢の中で20年の経験があるのだが・・・本質的精神年齢は10歳なのだからしかたがない。



ちなみに 後年、成人したアリスは この頃のことを思い出しては恥ずかしくなるのであった。完璧な黒歴史である! 










--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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