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動機自慢



 2019 5 10


 あの頃の自分はそれなりにトンがってたと思う。「エロゲーなんかゲームじゃねえよ」とか本気で思ってたフシがあったし、業界全体をナメてたと思う。今思い返すと自分でも恥ずかしくなるようなディスりネタを平気で投稿してた。ボツってくれた編集さんに今では感謝である。もしあれらが掲載されてたと思うとぞっとする。

 

 でも、ハガキ職人としてその世界に触れてみると、クリエイターというものがどれほどの才能を持っているのかを実感できた。月ペースで凄いコラム書く人はいたし、毎回笑わせてくれる広報もいた。そんな人たちがプロというものなのである。

 いつの頃からか自分はコンシューマーより、エロゲーメーカーに入社したいと思うようになってた。志望するメーカーまで決めてた。まあ、門前払いを食うだろうけどね。


 そうなると当然、自分はどんなエロゲーを作りたいか、なんて妄想もし始める。まともにエロゲーをプレイしたこともないってのに。

 誌面で紹介される僅かな情報を頼りに、エロゲーとはこういうもの、と、漠然と当たりをつけて、俺エロゲーを頭の中で作ってたっけ。


 が、そもそもエロゲー自体をよく知らないし、恋愛ADVとかほとんどプレイしたことない自分にそれほど素晴らしい設定やストーリーなど浮かぶわけもない。いかにも「素人が作るとこうなる」ようなものばかりでしかなかった……のだが、それでも、あの頃の自分はそれなりに本気で夢見ていたのである。そしてあろうことか、その夢が実現できる、いい時代になったのである。


 実際、読者コーナーでもゲーム作りたい、制作サークルに入りたい、なんて投稿はよく見た。分かる、分かるとも。その気持ち。当然、彼らはエロゲーを志向してたのだろう。叶わないなら一般作でもいっかな? とも思ってたかもしれない。大丈夫! いつかできるから! そんな時代がすぐ来るから!


 前置きがめちゃくちゃ長くなってしまったが、自分がエロゲー制作に踏み切ったのにはそういう甘酸っぱい理由もあったりなかったりする。いや、決して「僕のような天才にエロゲーはふさわしくありませんから」てな意識高そうな理由付けをメガポジ直しつつしたいわけじゃないんだ。そもそもメガネなんかしてないし。天才じゃないし。


 でも、それらの理由付けもあまり意味はないのかもしれない。バカゲーが沢山の人に見てもらえて反響があったとしても、自分はきっとエロゲー制作に手を染めてたと思う。つまり、「よく知らなくても、俺はエロゲーが好きなんだ!」ってことに尽きると思う。これ以上の理由があろうか。たとえ白い目で見られようとも。


 自己満であればゲームのデキがどうであれ、とてもゲームと呼べるシロモノではなかったとしても、それを後ろめたく思う必要は全くないはずだ! これは、かつてエロゲーを見下していた贖罪であり、今の自分がかつての自分のために、作ってやらなければならないゲームなのである。

 


 ……なのだが、いざ実際に作るとなると、妙な方向に行っちゃうのが素人ってもんなんだよなあ……


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