参入自慢
2019 5 6
普通の、というとこれまた語弊があるかもしれない。3作目は無謀にも18禁ゲーム、早い話がエロゲーである。いや、決して自身のバカゲーが全く反響がないとかDL数が雀の涙ほどの伸びしか見られないとか、それでヤケになってエロゲーなら応援してくれる人がいるかも、とか、そういったよこしまな下心で参入を決めたわけではない。
ごめん、嘘です。突き詰めれば上記の理由が主なものです。バカゲーでは応援してくれる人なんかいなくっても(というか、バカゲーとはそもそもそういうもの)エロなら見てくれる人がいるんじゃないかな? という、安直極まりない動機である。
例えるなら大作RPGを出したい野望を抱く制作チームが資金調達のためにエロゲーをリリースするようなものか。
が、これは都市伝説に過ぎず、そんな理由でエロゲーを作ることなどまずないらしい。
そもそも制作したゲームを販売するとなると会社を起ち上げる必要がある。しかもエロゲーだからといって制作費が安く済むわけでもなく、資金調達という目的ならこれほど効率の悪いビジネスもないらしい(最近はどうかは知らないが)。エロゲー業界はそもそもエロゲーを作りたくて仕方がない天才たちによって支えられていたと言っても過言ではあるまい。
「コンシューマーでやりたいんだけど仕事がないのでエロゲ作ってまーす」なんて人がそもそもエロゲーメーカーに在籍しているのがおかしい。考えてみればアタリマエである。多分あれは冗談か自虐ネタであろう。エロゲーはゲームではないなどと見下す風潮は実際あった。
まあ、技術を持ってる会社が面白半分で参入した、といった稀有な例もないわけでもないらしいけどね……
商業作品ではありえないとしても、個人制作のフリゲーならそういうことも充分ありうるって話だ。そもそも制作資金なんて必要ないし。(笑)
などとエラソー言ってるが、実は自分にはそれほど高い意識はなかったりする。これまたあまり告白したくはないのだが、かつて自分はハガキ職人だったのだが、投稿してたのがエロゲー誌だった。パソコンも持ってなかったのに。その動機がまさに、「エロゲーを見下していた」からなのである。
コンシューマーのゲーム誌は読者ページが充実したものが多かったが、その反面、競争倍率がハンパなく、常連を張ろうとすれば余程高いクオリティのイラスト描くか、毎週、あるいは月ペースで爆笑必至のネタを出すかの2つにひとつ。第3の道として強烈な個性を放つ、というテもあるが、どれも凡人にはハードルが高すぎる。実際、数回投稿して挫折した。
そこで自分が疎開先にエロゲー誌を選んだのが「エロゲー誌ならヌルかろう」という、安易な考え。
まあ、今でも当時の自分の気持は分かるし、合理性はあると思う。が、あまりにも世間を知らなさすぎる。確かにユーザー数は少なく、18歳未満お断り(建前だが)なので読者の絶対数は少ない。しかもエロゲー誌はその特性上、好き好んで投稿する物好きなどそうはおるまいと安直に考えたのだが、まあ、理解できなくもない。
しかしそれはサブカル世界の深淵を覗いたことすらない若者の浅はかなる思い上がりであった。