プロローグ
昨日、僕はずっと仲間だと思っていた仲間から別れを告げられた。
それは一方的に、交渉の余地もなく、
「……悪いけど、今のシンリは弱すぎる」
「私たちもあなたが憎くてこんなことをするわけじゃないの」
「そうそう、ただちょっとアンタには努力が足りてないのよ」
今までパーティーを組んでいた少女たちにこれまでもさんざん言われてきたことを再び言われた。
冒険者になってから、一年以上が経過した。
しかし初めてクエストを受けてから今まで、僕たちは一緒に頑張ってきたが、僕が前線に出たためしはない。
なぜならそれはひとえに、僕――シンリ・ハノヤが弱いからである。
一年かけても、芽吹く気配すら感じさせない僕にとうとう嫌気がさしたのだろう。
だからその言葉の最後の次に出てくる言葉も、なんとなく察していた。
「「「……さよなら」」」
そういって彼女たちはいなくなった。
しかし僕はそろそろかなと、予想していたから、動揺も少なかった。
「ははは……。今までありがと」
乾いた笑い声をあげて、僕からも承諾の意を示す別れの挨拶を済ませったのだった。
さて、明日からどうやって生きていこうか?