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砂糖の海を拒むものへ贈るエール

作者: 青井 蝶

この世の中は、浅薄で外向的な人間関係と、外見的な、見せびらかしの、魔やかしな幸せモドキに溢れている。


好きなことだけすればいい

きらきらしていればいい

自分を苦しめることなんかない

修行なんてしなくていい

そんな甘ったるい言葉が並ぶ。


まるでグラニュー糖をザラザラ直接飲まされてるみたいな甘ったるさだ。

この砂糖の海で溺れられる人たちには、私は正直、敬意を感じない。

溺れて、グラニュー糖に水分を吸い取られてミイラになればいいと念じてさえいる。



一方で、現実を真っ直ぐ捉えようとする人たちがいる。

彼等彼女等の多くはシャイで、内向的だ。

このネットの時代でも、そうそう出会うことは稀だ。

この人たちは、臆病なほど繊細で、考え深いのだ。

そして、砂糖の海で海水浴している目出度い人々が悩むべきところまで、悩んでくれている。


こういう人たちは、決して目立たない。

それどころか、気持ち悪がられたり、馬鹿にされることも多いだろう。


人間は、例えば虚無に辿り着いたとしても、それにすら生きる意味と理由を結局のところ付与してしまう定めを負った生き物なのだ。


この、不器用な人たちは、人間の定めを見つめ、真理を追う旅人なのだ。

誰が何とバカにしようと、私は彼彼女らを応援、尊敬する。

また、その尊い心を大切にし続けて欲しく思う。


この内向的な人たちのおかげで、世界はとても豊かなのだ、という偉人の言葉を贈りたい。


苦しみ、悩み、葛藤、悲しみ、不自由さ

何と人間らしいではないだろうか。


人間が人間として、これらを生ききって、何を恥ずべき事があるのか。


人間に等しく与えられるもの

それは死だ。


砂糖の海で干からびて、カチコチの売り物砂糖菓子として死ぬのか

人間として生き、死ぬのか。


人として生きる、生きようとする

痛みを抱え、今日も1人歩くものに

私はエールを心から贈りたい。

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