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第1部 12芒星魔方陣 編  16章 風紀委員(ブルーバンド)の少年 2話

「あんたが言っているのは12芒星魔法陣の事か?」

 裕貴はジャンと位置情報の通信をしている最中に訊いてきた。

「あら?どこからそんな情報を入手したの?」

「この学園にはデジタル魔法のカリキュラムだって有るからな、魔法陣の事くらいは分かる」

「それなら、この魔法陣がこの学研都市そのものを亜空間に送る物だって事も知っているって訳ね」

「亜空間?」

 12芒星魔法陣の実体を裕貴は知らないようだ。

「そこまでは知らなかった・・・と」

「どういう事だ」

「ただ、学研都市を破壊するだけなら同時多発的に爆弾テロを起こせば早いじゃない。何故そうしなかった?」

「現に今テロが起きているだろうが」

「これはかく乱よ、さすがに7箇所も魔法陣を設置すれば、どう言う魔術が発動するか勘付く者も出てくるわ」

「つまりプラザタウン(ここ)や第1ジオフロントで起きた爆発はただのテロって事か」

「そうよ、魔法陣が完成したら街ごと亜空間へ飛ばして必要な時、必要な情報だけを取り出す結界を張るのよ」

「そんな事したら、この街に住んでいる人達はどうなるんだ」

「人だけさらに別の空間へ飛ばされてそのまま彷徨い続けるわ」

「それは死ぬまでって事か?」

「死ぬ事も、歳を取る事も無いわ、そのまま無限の時間を永遠彷徨い続けるのよ」

 裕貴は黙ってしまった。そして目を閉じて銃をブレザーの中にしまった。

「12芒星の亜空間結界の事は分かった。それで、次のその場所は何処になる?」

「予定地点を張っていたのだけどここの騒ぎで私も事態収拾に当たっていたのよ」

『―シルビア、ジャン、BL10地点、国道179号線で伏羲と思われる男を衛星カメラが捉えた―』

『分かりました。直ぐ向かいます』

「どうした?」

「通信が入ったのよ。私は行くわ」

「ちょっと待ってくれ、どういう事か分からない事が有るんだが」

「何、手短に頼むわ」

「あんたが追っている魔法陣ってのは昨日の放火事件と関係が有るのか?」

「ええ、誰かが結界を張って敵の侵入を拒もうとしていたみたいだけど余り意味が無かった見たいね、それどころが敵の思う壺だった様だし」

「昨日ってこの近くで有った放火事件の事か?」

「ええ、私も日本に一昨日の夜帰って来たばかりだったからここまで事態が悪化しているとは思わなかったわ」

「悪化ってどういう事だ」

「ここまで来ると、わざわざ12芒星にこだわる必要が無いって事よ」

「言っている意味がよく分からない、つまり12芒星と言う事は既に聞いた。だが12芒星

の形で無くても魔法陣が成立するって事か?」

「そう、異形魔法陣って言うわ」

「異形魔法陣?」

「旧東京の山手線がそれに該当するわ、繭型結界って呼ばれていたわ」

「今回の異形魔法陣はそれと同様の事になっている訳だな」

「そうね、その場所に見張りを付けているわ」

「それが、シティー・フォークと言うわけだな」

「でも、それが出来なくなった。異形魔法陣のポイントは59箇所も有って、その全てに数人のシティー・フォークを配置していたのだけど、この騒ぎでシティー・フォークは事件現場の警備に当たらなくては成らなくなった」

「伏羲の狙いは何処になるのだ?」

「裕貴?どうして伏羲が動いているって知ってるの?」

「それは、俺の友達にサイコメトリー能力を持つのがいて、ダイアモンドダクトの騒ぎで伏羲と接触した残留思念で分かったんだ」

「だったら、その時に次の目標の場所の残留思念は分からないの」

 裕貴はその言葉を聞いて直ぐに電話を取りだし誰かに電話を始めた。

「―さっきの伏羲に付いて教えてくれ。何か、場所が特定出来る様なイメージが見えなかったか?―」

 電話は続く。

「―その場所は分かるか?―」

「―廃倉庫?―」

 暫くして。

「―分かった、有り難う―」

「場所の特定迄は出来ていないが廃棄倉庫みたいだ」

 携帯を切った裕貴は言った。

 その裕貴の言った事を確認する為、私は衛星とリンクを取る。マリアの言っていたBL10付近に廃倉庫の有無を衛星画像の解析を始めた。

「ここから北に3キロ地点の周囲300mの所に廃棄倉庫が有るか分かる?」

「分からないな、でも少し待って」

 衛星との通信は時間が掛かる。まだ解析出来る十分な映像データが送られてこない。

 裕貴はまた携帯を取り出し電話を掛けた。

「―先輩、今事務所に居ますか?―」

 映像データの受信が終わり解析に掛かる。

「―すみませんが、一つ調べて貰いたい事が有るのですが―」

 解析が終了した。それにはBL09地点に廃倉庫を見付けた。

『姉さん、BL09地点に廃倉庫があるの。伏羲は多分そこに居ると思うわ。ここで8箇所目と断定して残りのポイントを探れない?』

「―ダイアモンドダクトから北に3キロの周囲で使われていない倉庫が有るか調べて欲しいのです―」

 裕貴の電話を続いている。

『―確かに候補地に上がっているわ、でもどうしてここだと分かるの?―』

『今、伏羲と接触した可能性の有るブルーバンドと一緒に居るのだけど、そのメンバーの中にサイコメトリー能力者の者からの情報よ、それと伏羲の目撃情報の場所と近いわ』

「―今は、とにかく場所を教えて下さい―」

 裕貴の声に剣が出てくるのが分かる。私はそれを尻目に通信を続けた。

『―分かったわ、直ぐ調べる―』

「―そこまでの行き方は?―」

 そこへ斎藤の通信が割り込んだ。

『―チーフ、第1ジオフロントはメインシャフトが完全に崩落しているぞ、揺動にしてはこんな大規模なテロを起こす意味が分からんよ―』

「―分かりました。有り難うございます―」

『―私もそれを考えていた。これはまた別の思惑が絡んでいるでは無いかと思っている―』

 確かにかく乱にしては大事過ぎる。やはり何か別の思惑が働いていると考えるのが自然なんだろう。しかしこの状況でそう言う判断が出来る事は誰にでも出来る事では無い。

「―え?まさか―」

 裕貴はまだ電話を切り、スマホを操作している。

「この事を内緒にするのは良いけど、余裕の無い発言は相手も分かるものよ」

 裕貴は私の言葉を無視してスマホを操作している。

「場所が分かった」

「それで、場所は何処?」

「ここからちょうど真北に3キロの国道だ」

 そう言いながら裕貴は私に携帯の地図の目標地点を表した。私の目星を付けた所と一致する辺りは今まで敵が魔法陣を設置する度に第3勢力とも言える何かが妨害していた事に納得した。

「分かったわ、貴方はどうするの?」

「俺も行く」

 やはりそう言うか・・・。

「相手はサイボーグよ、裕貴は武器を持っているの?」

「俺は今これだけだ」

 裕貴はそう言いながらブレザーのデリンジャーを見せた。

「そんな装備で大丈夫なの?」

 そもそもデリンジャーは2連発で終わりだ。さらに言えばブルーバンドが使用している弾はゴム弾か麻酔弾、これでは伏羲に勝てない。さらに朝倉裕貴の経歴も調べてある。

「何とかなるだろう」

 私は呆れて言葉も出なくなった。そこで本部に予備で置いてあるベレッタM800を転送魔法で私の手元に取り出した。

 裕貴はイリュージョンを見ているかのように目を丸くしていたが私はその手の銃を裕貴に差し出した。

「これを使いなさい。銃の扱いは慣れているのでしょ?学園20位さん」

 目の前に居る朝倉裕貴は射撃で学園内20位、これは実践射撃の為オリンピックの射撃競技より難易度が高い。但し、記録の上では・・・だけど。

「あんた、一体何者?」

「言ったでしょ。警察よ。ちょっと特殊だけど」

 裕貴は疑いを持ちつつも銃を受け取った。

「さて、長話もおしまい飛ぶわよ、止めても付いてくる気でしょ?」

「え、あー」

 やっぱり分かる?と言わんばかりの顔をしている。

「だったら行くわよ、掴まりなさい」

「お、おう」

 裕貴は私の差し出した左手を避け後ろにしがみつく、裕貴の手が私の胸に当たる。

「もう、何処触ってるのよ」

「え?でも捕まれって」

「左手よ」

 裕貴を睨み付けると後ろに下がり謝りながら私の左手を取った。

 私は右手にベレッタ1951を構え意識を集中させる。すると俺の足元と頭上に青い魔法陣が現れその魔法陣が1つに重なった。その魔法陣の重なった先には、廃墟になった倉庫が有った。


次回、1年ぶりの「朝倉裕貴編」を投稿します。

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