第1部 12芒星魔方陣 編 15章 プラザタウンの攻防 1話
シルビア編もこれから佳境に入ります。
6課へ出勤するなり当直の北条が席から私達に向けて声を張り上げた。
「警察本部がシティー・フォークとブルーバンドへ本件に対して合同捜査本部を立ち上げる決定をした」
「え!それは何時?」
ジュリアンは北条の所へ駆け寄って訊くと北条はパソコンの画面を確認した。
「5時41分に警報と共に通達が出た」
「余計な事を・・・」
ジュリアンは肩を落とした。それもその筈、今まで私達は敵が作る魔法陣を監視し最後の魔法陣が完成した段階で制圧し、魔法陣を防御結界として上書きする作戦を立てていた為だ。
しかし、こう毎回、魔法陣に絡み負傷者や放火事件として表立てば警察本部も動かざるを得ない。逆に言えば私達の力が及ばない為に起こった不祥事とも言えるだろう。
「それなら課長は?」
「5分前に電話が有った。直接本部に行くそうだ」
成田課長は本件に関しずっと以前から7課に協力を申し出ていたが、何故か7課は設立当時が戦時中だった為に内務省が管轄している。
一方、我々6課は学研都市建設の計画が上がった時に想定させる有事に備え設立された為、警視長の管轄になっている。
とりわけ7課が特殊で戦時中の部隊がそのまま公安に組織変更がされた為、10式の様な戦車は無いものの16式機動戦闘車を所有する等、自衛隊2個小隊程度の軍備が揃っている上に、我々への捜査干渉もよく起こっている。
それに今回の相手は人民解放軍となれば幾ら6課に特別な捜査権限が与えられていると言えども人員不足の中の捜査では限界が出る。
その協力も得られないまま責任を取らされる課長の理不尽さと来たら無いだろう。
「課長から連絡が有った。今の状況は?」
マリアはオフィスに入るなり北条達に説明を求めた。再度私達は説明を聞いている間に小河達もオフィスに入り全員が揃った。
「状況は分かった」
「私は気になることが有るの佐倉さん、お手伝い出来ますか?」
「私は構いませんよ、それで何をすれば」
小河は席を立ち佐倉の席で話しを始めた。
「私達はこれから、魔法陣の設置箇所の調査を行います。恐らく、今現在の予定箇所とは別の座標に魔法陣を設置する可能性が有るのでそのポイントを洗い出します」
「それはどういう事だ?」
「異形魔方陣です。通常の魔法陣の形を崩しても一定の条件を満たせば問題なく発動する魔法陣が有るのです」
「敵さんはそれをするつもりなのか?」
「分かりません。ただ、ここまで事態が大きくなった事は敵も分かっているはずです。その可能性を否定するわけには行きません」
斎藤は小河の説明に理解を示した。
「分かった他には?」
マリアは私達を見回す。そこへジュリアンが声を出した。
「私は屋上を使わせて欲しいのだけど良いかしら?」
「あれを使うのか?」
「ええ」
「いつも苦労をかけるが任せる」
「いいのよ、そんな事」
マリアはジュリアンに感謝した。
「他に無いか?」
皆沈黙している。
「無いなら、これから私の指示に従え」
「はい」
「小河と佐倉は12芒星魔法陣の調査と今後の魔法陣設置予定箇所の洗い出し、その結果が解り次第、全員へ報告、その後の配置は私の指示に従え」
「ジュリアンは精霊魔法を使うのだな」
「ええ、小河の話で私も気になっていた事がようやく理解できたわ。何か別の魔力を感じるのよ」
「他に協力して欲しい者は居るか?」
「そうね、学研都市の地脈に詳しい者が居れば」
ジュリアンはそう言いながら御門芽に目を遣る。
「分かりました、そういう事なら協力致します」
「頼んだぞ、それ以外の者は装備B2からB4 で指定ポイントにて待機」
「分かりました」
私は防弾チョッキを用意し各指定ポイントに向かった。




