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第1部 12芒星魔方陣 編  1章 ニュートロンフロー 3話

シルビアが使用した魔法は「アーメリー(Armory)」シルビア専用のデジタル魔法。


シルビアが使用する拳銃(ベレッタM1951)の上部スライドと先端スライドに銀装飾をした専用銃から繰り出される形態変化魔法。

魔法陣無しでライフル型・ショットガン型・サーベル型に変わり、装填出来る弾薬は実体弾または魔弾を込める事が出来る。

魔弾は主に実体弾と同じ能力が有るが、魔弾に別の魔法を発動させればその性能(魔法の性能に寄っては威力が落ちるが)も発揮出来る。


 魔方陣はドームの前には現れなかった。再び現れた魔方陣の場所は崩壊した高架道路の付近だった。

「やられたわ・・・」

 転送魔法の失敗には魔方陣のノイズが気づいた事から驚く程では無かったが状況が悪い。すぐに周囲の状況の確認を行った。

 周囲に崩壊した高架道路、おそらく首都高だろう。近くに川の様な場所が在る。その地点まで移動すると崩壊した線路が在った。

「ここは飯田橋付近ね」

 GPS情報を元に現在地を確認し私は直ぐにビルの影に走った。それと同時に弾丸が私の足下に着弾した。それでも構わずビル目がけて走った。

「どうやら気付かれている様ね」

 目を閉じて意識を集中した。魔法名:「パッシブソナー」探知魔法。これは私のイメージだが私を中心に赤い波紋が広がる様な感覚だ。

「もう追いつかれていたなんて」

 8機のサイボーグの内4体がこちらに向かっている。その距離180m、その内の2体が私に追いついていた。既にインストールされたマップにGPS情報と照合し自分と敵の位置を把握した。

『リチャード、敵に気付かれたわ、作戦変更して殲滅するわ』

『―かしこまりましたお嬢様、ご武運を―』

『そっちにも2体行ってるから注意してね』

『―こちらでも位置を把握しました。お嬢様もどうかご無事で―』

『貴方も気を付けて』

 私は通信を切り瓦礫越しに様子を伺った。サイボーグと言うよりパンツァースーツと言った感じだ。全長2.5m位、背中にパッシブレーダーと衛星通信様のアンテナとデーターアンテナ、20mmの5連ガトリングを装備している。

 パンツァースーツとは戦闘用に特化した小型のパワードスーツの事を指す。

「ジャンプの失敗はあれのせいね」

 ダブルリングは強いジャミングで瞬間移動した場所が狂う事が有る弱点が有る。レーダーアンテナから強いノイズを発射したのだろう。

 私は銃をパンツァースーツの居る方向に向けた。ベレッタM1951Magic(マジツク)カスタム、魔法は杖などが有った方が集中しやすくスムーズに発動させる事が出来る。

 もちろんそういう媒体が無くても良いのだが、私の場合は武器にもなる銃のスライド部に魔力を集めやすい銀装飾を施している。

 その銃の周りの空中を青いラインが描かれ対物ライフルの像に成った。青い光のラインの銃を構え照準を合わせた。

 目の前にはコンクリートの瓦礫でパンツァースーツはここから見えない。だがスコープの先に小さな魔方陣が現れ障害物越しに敵の映像が見えている。そのまま私は引き金を引いた。

 轟音と共に銃口から白い光が矢の様に飛び出し目の前の瓦礫の手前で小さな青い魔方陣が現れ閃光は魔方陣の中へ、消え瓦礫の向こう側にまた小さな魔方陣が現れそこから閃光が出現した。

 そのまま弾丸は複数回、瓦礫や壊れた車の前後で同様に魔方陣が現れ光の矢は直進しパンツァースーツに命中し炎上し爆発した。

 今の弾丸は魔力で形成した銃とと同じく魔力で強化されは対物ライフルに相当の威力が有る。

 すぐに私は2体目に照準を合わせ引き金を引いた。2体目のパンツァースーツは私の撃った初弾で位置が気付かれている。

 高速で回避行動を取っていたが私の攻撃の方が早かった。2体目も攻撃が命中すると爆発炎上した。


 私はその場を直ぐに移動し東京ドームへ向かった。

 ポイントEは屋根の崩落した東京ドームに到着した。合流ポイントにはロケット弾で武装したパンツァースーツが待機していた。

「お疲れ様ですお嬢様」

「直ぐに出て、もう敵が来てる」

「承知しました」

 私は直ぐMV-22Fオスプレイに飛び乗り銃を目の前に構えた。離陸したオスプレイを追いかけてパンツァースーツ2体が発砲した。

 リチャードが対戦車グレネードのM72E10を発射する。パンツァースーツは戦車とは違って装甲が薄く2足歩行が出来るため前後左右、そしてある程度なら跳躍も出来る程機敏に動ける。至近距離でロックしていてもミサイルを回避出来る性能を持っている。

 やはりパンツァースーツには命中せず代わりに周囲は火の海になった。

 だが私が詠唱するには十分な時間を稼げた。

 私は銃を地面に向かって構えると銃を中心に青いラインが空中を描き大型のバズーカ砲の様な形になった。

「レーザーニードル!」

 叫びながらベレッタM1951のトリガーを引く、銃口から紫色のレーザー光線が地面目がけて進み途中でレーザー光線は6本に別れ直角に曲がりサイボーグ達を襲った。

 こちらに向かって攻撃していた2体にレーザー光線が命中すると爆発炎上した。

 回避行動を取る残り4体のパンツァースーツにレーザー光線は弧を描くように追随し次々と命中した。爆発炎上したパンツァースーツの残骸は周囲に無残に散らばっていた。

 オスプレイに装備して置いた除染装置の中で除染を行ったあと防護服を脱いだ。防護服の下にはぴったりと体に張り付く様なスーツを着ている。髪の毛も頭を保護するフードに収まっている。

 赤い髪の毛を背中まで垂らし後ろで2つに分け丸めている。目の色は赤みの強い橙色、身長は162cm比較的引き締まった体格をしているが出る所は出ている。

「リチャード、メモリーの確認は済んだ?」

「はい、スキャンは済んでおります」

 リチャードはアタッシュケース型のパソコンで解析したUSBメモリの解析結果を表示した。

「これで間違いありません、ニュートロン・フローの開発データです」

「他にコピーされた形跡は有るか分かる?」

「調べましたがその形跡は残っておりません、もしその場合は大本のデータから複製した形跡を疑った方がよろしいかと」

「そうよね、私ならこっちからコピーするけど」

「このメモリが末端のコピー先の可能性は有るがさすがに間にどれだけコピーされたか迄は分からないわね」

「状況からしてその可能性は低いかと思われます」

 リチャードはデータを確認した後アタッシュケースのパソコンを片付けた。

「さっきの戦闘で私のジャンプの座標が600mもずれたのだけど、ただのジャミングとは考え難いわ、何か形跡が残っていないかしら?」

「何ですと!」

 リチャードは驚いた様に私を見てその後しばらく目を閉じた後、再びアタッシュケースのパソコンを起動させその時の無線状況の履歴を確認し始めた。

「なにやら妙な周波数の強い電波を確認しておりますが、その件に付いては本社に連絡をしたの後、私が調査を行います」

「分かったわ、さて一度、屋敷に戻りたいわ、チーフから非番を貰っていたわね」

「マリア様から一度本部へ報告の後、1週間の休暇を頂いていると聞いております」

「OK、本部に戻って報告よ」

「かしこまりました」

 私が所属しいる組織は『警視庁公安部 公安6課』公に存在しない組織となっている。

「報告、ご苦労様」

 本部に戻った私はマリアにデータを渡した。

 大島・マリア・エメラルド、この組織のチーフを務めている。

「今日から非番だったね、姉さんの所へ帰るのか?」

「はい、もう怪我が回復したと聞いてますが、脳髄膜コンピュータの定期検査も有るので一度本国に戻ろうと思ってます」

「もう1年か・・・。分かった。エドワードさんにこれを渡しておいてくれるか?」

 成田課長は私に祖父エドワード・R・ボールドマン宛ての手紙を渡した。

「分かりました」

「気を付けて言ってくるのだよ」

「有り難うございます。課長」

 公安6課の成田課長に軽く挨拶を済ませ本国のイギリスに戻った。


今は「対戦車ライフル」とは呼ばず「対物ライフル」と呼ぶそうです。

もう戦車にこの種の武器が効かないからそう呼ばれるようになりました。

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