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第1部 12芒星魔方陣 編  1章 ニュートロンフロー 2話

ニュートロンフローとは、人体に取り込まれた放射性物質(主にセシウム・プルトニウム)を体外へ排出させる薬の製造方法をさし、人工透析にによって、血液中に同製剤を投薬し透析機に体内に取り込まれた放射性物質を集める。

人工透析にによって、血液中に同製剤を投薬し透析機に体内に取り込まれた放射性物質を集める。

現在はまだ高価な治療法だが甲状腺癌などに対する効果的な治療法として注目を集めている。


 記憶には依頼者が特定されないよう無線通信による情報のやりとりのみだった。一方で日本では医大の准教授・・・。名前は・・・「佐藤」それ以外の本件に関する情報は持っていない様だ。ただサイボーグ化はシアトルで受けている事が分かった。

 この男、アメリカでフリーのエージェントだった。恐らく他にもニュートロン・フローの情報を売るつもりだったのだろう。

 しかし、この男はニュートロン・フローのデータを持っていない。私は周囲を見回し後ろに倒れている男を調べ始めた。

「!!」

 と、その時、倒れている男が爆発した。周りは一面火の海になった。私の周りには青い半球状の薄い膜が覆っていた。警戒していた事も有ってマジックシールドを展開していた。

「やっぱり、自爆」

 私は炎の中から意識を取り戻している男の所へ戻った。

「お前、どうやって俺の記憶を盗んだ。それも防壁も使わず?」

「企業秘密よ。それよりもやってくれるじゃない?自分の記憶すら改竄しているなんて思わなかったわ、さあ、メモリーは何処?」

「さあな」

「そう、だったら自白剤より残酷な死に方をお望みの様ね」

 銃口からはまだ糸が伸びて男の頭に繋がっている。まだ記憶を抜き取る事は可能なのだ。

 自白剤は使用すると人としての自我が破壊されその後は植物人間になってしまう。

 サイボーグにはもしもの際に自白剤を中和する薬品若しくは自白剤の効果が出る前に自殺する毒が体内に仕込まれている場合がある。

「やめ・・ろ・・」

 また男の記憶を探るとパスワードの掛かったデータが見つかった。パスワード解読ソフトを起動させ解除すると改竄前の記憶が複数見つかった。

 なるほど、この男がUSBメモリーを持っている。スーツの内側を探りメモリーを取り出した。

 メモリーを確認すると私の腰にポケットに用意していたハンディーパソコンにメモリーを差し込みデータをチェックした。

「間違いないわね」

 男の改竄前の記憶をさらに調べる。どうやらこのUSBメモリー以外にデータは持ち出されていないみたいだ。

 男の記憶の中に「経済学術研究都市大学病院、佐藤准教授」の名前が有った。恐らくこの事件に関わっているのだろうが捜査は他が部が行うだろう。

 サイボーグの男には体の動きを封じるプログラムを上書きし拘束した。


 銃を構え。銃を中心にして空間に青い線が現れる。まるで銃から新しい骨格が現れる様にその線が幾つも集まってくる。そして青く光る8連ガトリングガンに成った。

 引き金を引き連続した轟音と共に壁に穴が空き既に炎上している車もまたさらに強く燃え上がった。倒したエージェント達も着弾と同時に吹き飛んで行った。

 さらにチャフの鉄粉と弾の熱であちこちで小さな粉塵爆発が起こっていた。

 しばらくしてガス漏れの音が聞こえる。私は直ぐ部屋を出て壁に隠れた。

 ドーンと大きな音と共に爆発が起きた。部屋に戻ると

 周りに焦げた臭いが漂う、おそらくバックアップを取っている事だろう。他のメモリーも破壊した事だろう。


 建物の中では私が使ったチャフのため通信妨害が起きているので東京都庁の外に出た。

『リチャード、先に奪取したメモリーと拘束した4人を転送する。大丈夫かしら?』

『―問題有りません。転送準備が出来ました―』

『了解、じゃあ送るわね』

 ここに瞬間移動してきた時と同じプログラムで先にメモリーを転送しその後、拘束した4人をリチャードの所へ転送した。

『―転送のを認致しました。お疲れ様ですお嬢様、それではポイントEへお向かいください。直ぐに迎えの者が伺います―』

『少し遠くないかしら?』

『―申し訳ありません。ただいま人民解放軍がそちらに向かって下ります―』

『私達を出し抜こうとしてもそうはいかないわね』

『―現在我々の装備では近づく事すら出来ません。また既に我々の位置を把握している様です―』

『分かったわ、じゃあ出来るだけ見つからない様にするわ』

『―これから、エネミーの位置情報を送りいたします。その後はポイントEの合流ポイントまでどうぞご無事で―』

『分かったわ、』

 まもなくして人民解放軍の位置情報が送られてきた。反応の強さからパワードスーツ、つまり小型のパンツァースーツだろう、それが8体も居る。

「この距離なら探知されずにジャンプできそうね」

 ジャンプと呼んでいる魔法は「ダブルリング」瞬間移動のデジタル魔法だ。

 デジタル魔法は全てが召喚魔法だが、開発したキングローズ社では例外のデジタル魔法が幾つか存在している。ダブルリングはその1つだ。

 私は再び目を閉じてドーム跡地のイメージを確認した。2つの魔方陣が体の上下で現れ重なった所でドームが見える筈だった。が、魔方陣が重なる瞬間に陣にノイズが走っていた事に気付いた。


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