表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/47

第1部 12芒星魔方陣 編  5章 見えないガーディアン 2話

 さらに翌日の4月13日木曜日のミーティング。

「昨日のBA74地区で起きた襲撃事件、その遺留品の式神から指紋が検出された」

「それでもバンクに載ってなかったのですね」

「そういう事、結局、早く陰陽師を確保しないといけないと言う事」

 そこにジュリアンが割って入った。

「しかし、その陰陽師を確保する人員を誰にするの?」

「それは、目的は多分我々と同じだよ、今まで通りオートマトンの基地とそれを輸入している企業を当たるうちにまた遭遇する可能性が高い、それを当たる」

「相生港は昼から5課の連中が押さえてこっちの操作ができなくなった」

「それまでに分かった事は?」

 北条の報告にマリアは問いかける。

「怪しいインボイスを見ただけでは何とも、上手くカモフラージュしてあって何も分からなかったよ」

「そう・・・それじゃあジャン達のオートマトンの捜索お願い、おそらくまだ有るわよ」

「了解」

 斎藤と北条は返事をした。

「それと、ジュリアン、ちょっと私に付いてきて」

「分かったわ」

「それじゃこれで解散」

 公安6課のオフィスビルを出て小河とライトライナーに乗って第3ジオフロント付近の研究施設へやって来た。この辺りもパワードスーツの軍事施設や核物質の安定化施設など他、福島第一原発の廃炉シュミレーション施設が有る。

「ここならシティー・フォークの警戒の目をかいくぐって大規模な兵器を揃えられるって事、シルビア良い所に気が付いたわね」

「昨日の襲撃が有った倉庫を見て気が付いたの、研究施設ならカモフラージュ出来るのじゃないかと思って」

 そして現場を見て回ってここが3箇所目の施設の前にたどり着いた頃には午後2時を過ぎていた。

 研究所の入り口の守衛室、誰も居ない・・・。

「トイレかしら」

 しかししばらく待っても誰も守衛室に人が来ない。

「おかしい、中に入るよ」

「はい」

 小河はシルビアとゲートを潜り施設内へ進む。私も小河も口には出さないが様子が何か普通では無い事に気が付いていて、私達はフォルスターから銃を抜き細心の注意を払いながら奥に進んで行った。

 キーの付いた部屋の入り口に着いた。ドアの両側に立つと私はカードリーダーにキーを入れカードの先から伸びているコードをスマホに接続しアプリを起動させた。

 スマホの画面に順に暗号が表示されドアのロックが解除された。

 小河は開くドアと同時に銃を構え部屋に突入した。奥は誰も居ない、また30m程の通路と部屋の入り口が通路の両側に続いていて奥が曲がり角になっている。

 小河は銃を構え曲がり角へ発砲した。

 小河が放った銃弾は丁度、角から出てきた男に命中したが鈍い金属音と跳弾し通路の壁に着弾し撃たれた男は直ぐに角に身を隠す。

「防弾チョッキ?」

 撃たれた男とは別の男が私達目がけ発砲してきた。

 私には迫ってくる2発の弾丸が見えている。私の構えるベレッタM1951は2発の弾丸を打ち落とした。私の脳髄膜コンピュータの計算処理能力は1sec/23Gb。その処理能力は肉体さえも通常の限界を超えた行動が可能になる為、普通は出来な飛来する銃弾を打ち落とす事も可能になる。

「お見事!」

 小河は先に通路の角まで待避し反攻姿勢を取りながら私を褒めた。

 だが角からオートマトンが現れ両腕からサシンガンが撃ち放たれた。

 私は迫ってくる銃弾は0.1秒辺り1.1発、ロシア製のPP-19 Bizonを改造してオートマトンに搭載しているのだろう。私もさすがに目で見えているが先ほどの男が撃った銃とは違い連射速度が違うため対応しきれない。

 私も通路の角まで飛び退け弾丸を避けた。しかしこのままでは2人共この場を動けない。

 ベレッタM1951の銃口を目の前に構え詠唱を始めると、足元に大きな魔法陣が現れ光りの帯状に光の柱が立ち上った。

 私は再び角に出て迫ってくる無数の銃弾は光の柱に吸い込んだ。周囲の内壁や照明設備が魔法陣の中心に集まり固まり出した。

 そして大きく成長した塊が幾つかの立方体が形成され高さ2m位の人の形に積み木の様に組まると共に立ち上がりけたたましく吠えた。

「ゴーレム?」

「デジタル魔法による錬金術で錬成しました」

 小河の問いに私は小声で言った。ゴーレムは30m先の男と達と私達の間に立ち盾になった。しかし、3体に増えたオートマトンは両腕のPP-19 Bizonカスタム砲でゴーレムの体表が剥がされ再生が追いつかずにいる。

 私は銃を胸に当てゴーレムへ魔力を込める。ゴーレムは吠えながら傷ついた身体に剥がれ落ちた破片と通路の真横に有った入り口のドアがゴーレムの再生速度は上がったがこのままだとそう長く持ちそうに無い。

「このままだとやられちゃう」

 小河が壁の影に隠れH&K P2000で応戦しながら私に訴えた。オートマトンの攻撃の他に2人の男達がマシンガンとランチャーでゴーレムは攻撃され頭が吹き飛んでしまった。

 私はゴーレムへ魔力を送りながら銃を相手に構え発砲する。

 ベレッタM1951から繰り出された銃弾は壁に当たると青い魔法陣が現れの消えると影に隠れている男に命中した。しかし手応えが違う。

「先輩、あいつらは一体何なのよ」

「一部、肉体を機械化したサイボーグだと思う。私の9ミリじゃ火力負けしちゃう」

 小河はパラベラム弾の空になったマガジンを投げ捨てメタルジャケットのマガジンを装填しさらに反撃し続ける。

 私はこの状況を打破出来る魔法のリストを参照する。しかし現状に有った魔法が無い。

「それなら!」

 私は意識を集中すると髪が逆立ちビリビリとしてくる。私と男達の間に在ったゴーレムは銃撃で粉砕され銃弾が私の左肩を擦っていく。

「シルビア!」

 小河の叫び声と同時に閉じていた目を開け銃口を前に向けた。

「サンダーボルト!」

 銃口から球体になった電気の塊が周囲の空気を押しのけ赤い火の玉の様になって通路の先の壁に直撃するとそこから周囲へスパークが発生し着弾地点周辺の壁や照明が吹き飛ばされる。スパークは30m離れた私達の所まで伸びてくるが通路の壁の繋ぎ目に有る金属部へ曲がり消えていった。

 一方、奥では3体のオートマトンは白煙を上げマシンガン等の武装からパンパンと小さな爆発を起こしている。

「ちょっとやり過ぎじゃない?」

「制圧したはずよ、でも注意して相手はサイボーグなんでしょ?」

 私と小河は銃を構えたまま用心深く進む。オートマトン3体は完全に沈黙している。そして男達は5人の内3人は動かなくなっている。

「動くな、警察だ」

 小河は銃を構えたまま警告する。私も銃路構えて男のいる所へ進んだ。

「この野郎・・・」

 残る男2人は私達を睨み付ける。しかし相手はサイボーグ、動けなくなったとはいえまだ身体に武装などの仕込みが有るかも知れない。2人は男達の些細な動きに注意を払う一方で対サイボーグ拘束錠をポーチから取り出した。

「シルビア気を付けて、こいつ等、全身義体よ」

「全身義体?一体何処にそんな技術を持ってるの」

 私は男を強引にねじ伏せ首元のソケットに拘束錠を差し込み動きを封じた。そして2人目の男に拘束錠を差し込もうとする間、小河が尋問する。

「お前達はここで何をしている」

「・・・・」

「まあいい、尋問すれば分かる」

 目の前にひらりと式神が舞い降りる。

「!!」

「先輩、伏せて!」

 私の叫び声と同時に式神の短冊の端に火が付きその瞬間に辺り一面が火の海になった。

「きぃやー」

 3m程度吹き飛ばされ通路の壁に激突した。辺りは粉塵が舞い上がり視界は無かっている中、小河を私は探す。

「先輩!」

 小河は私が吹き飛ばされた通路の反対側に倒れている。駆け寄れ左腕上腕部に通路からむき出した瓦礫が突き刺さっている。

「い、痛い」

「直ぐ、治療するわ」

 小河に刺さっている破片を抜かずに銃を構える。

――ENTER――

 プログラム名『カロウション』、物体を腐食させるデジタル魔法は小河の腕に刺さってる破片をグルグルと回りながら錆びながら消えていき。そのまま『ヒーリング・オペレーション』実行する。

 小河の足元に現れた魔法陣からロボットアームが幾つも現れ傷ついた小河の傷口をまるで手術の縫合をするように傷口が塞がっていった。

「筋繊維と血管、あと切れた神経を繋ぎました。左手、動きますか?」

「ええ」

 小河は左手を握ったり開いたりして動きを確かめながら辺りを見回した。

「有り難う、それにしてもやられたわね」

「ええ、男達はみんな死んでしまったみたいだわ」

 小河は焼け焦げた男達の死体を転がし調べ始めた。

「脳核まで人工だなんて・・・。とにかく持ち帰って詳しく調べましょ、何か出てくるかも知れない」

「それと、ここの調査もですね、この者達が一体ここで何をしようとしていたのかと、状況からして敵対している陰陽師が何をしようとしているのか調べないとね」

 連絡を受けたマリアと斎藤の2人と鑑識が合流し現場検証を行った。


徐々に本編に迫って行きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ