ハイスペックな俺
トントン
肩を叩かれた。
……トントンもありえな…そんなことはどうでもいい
一刻も早く直樹を処刑することを考えないと
……一刻は二時間でそんな余裕は…それもどうでもいい
普通に井上姉に任せよう。
「やあやあ直樹君そんなに苛められたいなら早くいってよ~俺友達の悩みを解決してあげることに全力を注ぐのがモットーだからさ、いつでも相談して来てくれて構わないよ。それこそ疲れて眠くなってもう少しで眠れるなんて時でもさっ…それで、どんな苛められ方が良いの?直樹く
――何の用かな西崎さん。ごめん寝ぼけていたみたいだ」
振り向いてみたら直樹じゃなくて中学で知り合った西崎さんだった。
いけないいけない本性晒すとこだった。知られてもいいんだけど。
本当に何の用だろう。
完全に眠気が飛んでしまった。
答えを待っていると西崎さんが口を開く。
「えっと…ちょっと春休みの宿題で分からなかったとこがあるんだけど教えてくれないかな……数学なんだけど」
「ああ……いいよそんぐらい。それで…どの辺?」
「資料の活用の辺り」
「ごめんもう少し具体的に…代表値とか近似値とかあるじゃん」
「えっと…2枚目のプリントの大問2番全部お願い」
「ああ……中央値とか最頻値とかの辺りだね。基本的に数え間違いや四則計算のミスがなければ大丈夫だよ。ヒストグラムに慣れることも大切かな」
小学校の頃から俺はかなり勉強ができて昔から頼りにされてきた。
大体苦手科目でなければ学年トップはキープしている。
苦手科目は……ないな。
でもちょっと英語がダメだな。
基本的に塾のような怠いところには行かないから教科書とか貰ったプリント以上の事は知らないしわからない。予習復習は真面目にやるタイプだし。
……暇だからというのが一番の理由でゲームやラノベに飽きた時とかかなり便利だし焦って定期テスト勉強しないで済むし。
ただ英語は小学生では遊びみたいなもので、中一の始めはアルファベットから習う。
それに比べ英会話教室に通っていた人はもうかなり進んでいるから相対的に俺は英語が得意とは言えない。
小学生の頃から結構頼りにされていた名残か今も現在進行形で続いている。
俺は基本的に答えまでは教えないでそこで必要な公式や補助線を教えてあげ答えまで導くようにしている、今みたいに。
「もう一回確かめてみてダメならもう一回言って」
「うん、わかった」
「じゃあ確認したら教えて、こっちとしてもどの辺が間違え易いか知りたい。もうすぐ先生来るから」
「あ、そうだね」
気が付けばもう予鈴のチャイムが鳴ってもおかしくない時間だった。
「相変わらずモテモテだな」
突然直樹が話しかけてきた
「わかって言ってるだろマゾフィスト。あれはモテているんじゃなくてただ頼りにされているだけだって」
「まあな……でも嫌いな奴に教わろうとは思わないはずだからそれなりにモテているっていうんじゃねーの」
「さあな……あ、チャイムが鳴った」
いつも通りキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴る。
普段の先生ならもう来ていてもいい頃だが……直樹が言っていた美少女(?)転校生と話でもしているんだろう。
それかこの先生がいつも遅いだけか。
……考えても意味ないな。
ガラガラ
もう擬音語はいいよ!だれにツッコんでんのかは知らないけど!
昨日同様に先生が入ってくる。
――否
後ろからもう一人黒髪の美少女がいた。
自分で言うのもあれだけど…中学時代はかなり勉強ができました!
ただ、思い出とは美化されるものです。
この記憶が捏造ではないことを祈ります。
話は変わりますが例の如く今回のサブはナルシストが使うのでしょうかね。
ちなみに今回はものの数秒で書きました。タイトルだよ!
多分三章からはわかりやすくⅠとかⅡとかにします。
配慮を大切にする速水零でした。