拙い理論
俺みたいなのはいつもボッチだと思われるだろう。俺ですらなんでボッチじゃないんだと嘆いたことがある。
俺には何故か友達という人種が近くに沢山いるようだ。
俺は全てにおいて等しく平等に接するよう心掛けている。
頼まれたり、相手が慰めて欲しい時は面倒だが、相手の言うことを聞いている。
頼まれたら断れない優しい精神が本音を圧倒し、俺を自己犠牲野郎にさせる。
もしかしたらこれが本音なのかと疑ったこともあるが、いつも違うと決めつけ即座に考えることを放棄した。
俺のほぼ矛盾した性格は相手にとって誰にも壁を作らない優しいやつに見えるそうだ。
推量ではなく伝聞。
俺の本音を知っているやつは一人だけでそいつから聞いた。
下駄箱に靴を入れ上履きを取り出す。
上履きを履き、隣に見える階段を66段上り、4階まで辿り着く。
俺の教室は……端から2番目にあるところで、
「おはよう」
と声を掛け、記憶を辿り、昨日座っていたところを探し座る。
泉という苗字のせいか、いつも廊下側になっている。
窓側ならば日差しが心地よいのだが廊下になると冷たい風に加え騒音まで漂ってくるから居心地が悪い。
今は――
『ねぇどのクラスになった~』
『2組になったよ~』
『え~そのクラスになったの。担任斎藤とか可哀想。でもこっちも男運ないし、どっちかっつーとそっちの方が良かったな~』
『え~そんなことないよ、あの担任以外は結構いいのは認めるけど斎藤がすごいマイナスに引っ張って行ってるもん』
『それもそうかもね』
――という具合に聞くに堪えない会話が繰り広げられている。
ちなみに担任について嘆いていたのはうちのクラスの知らない女子で顔も見たことがない。
いや、見たことがあるかもしれないけど一切記憶にない。
記憶にないならその程度だということか。
男子について嘆いていた女子は去年一緒のクラスの………
だったはずの………
誰だっけ……?
思い出せない。これが若年性アルツハイマー病というやつなのか…一回記憶を辿ってみよう。
レッツ・シンキングタイム!
元々正常ではないようだ。
またなんか忘れたら心配しよう。レッドカルテはきてないし。
全く興味のない女子の興味のない薄い話を子守唄にして寝ることにした。
徹夜の疲労は長きにわたり続くと聞いたことがある。そのせいだろう。
くだらない薄い会話には文字通り欠伸がでてくるのでそれを利用しようと考えた結果だ。
腕を交差させ右肘に顔を載せて目を閉じ体の力を抜く。重力に逆らわず襲ってくるであろう睡魔に身も心も委ねる。
――ドカァ!
机に蹴りがいれられたようだ。
俺の拙すぎる理論の検証が妨害されてしまった。端から見たらただ寝ている奴の机をけっただけに映るだろうが俺にはかなりの大問題だ。
本当に出てきた欠伸を噛み殺し、妨害者を睨み殺そうとする。
他人ならば睨んだりはしないがどうせ犯人はこいつだってわかっているから大丈夫。
サブタイトルのつけ方とか、話の切り方に自信がありません。
どうしたらいいのでしょうか?
答えは……
まあ書くしかないです。
書いて書いて書いて恥の上塗りをしていって成長していくのです。
偉そうには言えませんが。