第4話:電車サバイバル
このネタ…分かる方は多いかと…
皆さんこんにちは平山孝宏です。
ガタンゴトン…
今、電車に乗ってます。
事の発端は数時間前…。
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「ねぇ〜!」
「んあ?」
「これ何ですか?」
ソフィアはテレビを指している。
テレビには電車が映っていた。
この区間をグルッと一周している山田線だ。
料金が安い上に主要都市に手軽に行けるので利用者は多い。
「これに乗りたいですぅ!」
「え〜…」
「乗りたい!乗りたい!乗らせろ!!」
「行こうか♪」
命が惜しいしね…。
…でもこの電車、裏の顔があるんだよね…。
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「わぁ〜…」
ソフィアは目を爛々と輝かせ座席に正座した形で窓の外を覗いている。
見た目、俺と同い年の女の子が少年少女のような姿ではしゃいでいるのは正直恥しい…。
「ソフィア、お願いだから普通に座ってくれ…。
どうしても外を見たいんならドアの前に立ってろ」
「嫌」
即答ですか…。
俺たちが電車に乗って5駅目、俄かに周りが殺気立つ。
それを察知したかのように車内放送が流れた。
「まもなくぅ〜、肋原〜。アバラバラ〜。あばらバラバラみたいな?(笑)
ケフンっ!降り口は左側です」
な、何?この車掌…。
「尚、次の停車駅にてチャレンジクイズを行いますので10分少々停車いたします。
問題は電車がホームに進入次第出題いたします。
正解されました車両から扉を開きます。
今回は早押し、○×クイズとなっております。皆様〜、頑張ってください」
…出たか。裏の顔…。
この電車―というか路線はたまにこんなふざけた事をやってくる。
それが通勤ラッシュの時も平気でやってくるから、遅刻者が多数出てくる。
一部の人間には受けがいいらしいけど…。
「面白そうですね!やりましょう!」
↑一部の人間。
「問題:都市伝説で有名な《口裂け女》。ある言葉を三回言えば助かると言われています。
その言葉とは何でしょう。答えが分かりましたお客様は、
お近くのインターホンにてお答えください」
この問題もおかしいだろ。昭和の匂いがプンプンするぞ…。
と、ここでメガネをかけた賢そうな男がインターホンに手をかけた。
「こんな問題簡単ですよ!答えは――です!」
「はい、不正解です。《同情するなら金をくれ》と言っても、くれるわけ無いでしょ。
馬鹿ですかあなたは」
がっくり項垂れるメガネの男。
すんごい言われ様だな…。
結局、5両目に乗っていた客が正解した。
「それでは最終問題○×です。問題:私は25歳である。○だと思う方は1〜5両目に、
×だと思う方は6〜10両目に移動してください」
分かるわけねーじゃん…。
そんな事を思っていると電車内で大移動が始まった。
母とはぐれ泣きじゃくる子供。
あまりの窮屈さにガトリングを連射する女。
……ガトリングを連射する女!?
「ソフィア!それは置いてこいって言っただろう!」
「身の安全を守るためには必要不可欠です!」
そうこうしている内に移動時間が終了してしまった。
結局移動出来ず終いだったな。
ちなみに今まで1両目にいました。
「正解は……○です!」
おおお!
正解した!
ドアがぷしゅ〜と開き、俺たちはいそいそとプラットホームを後にする。
はぁ…疲れた…。
さてこれからどうしようか。
「私、あのおっきな建物に入りたいです!」
ソフィアが指差した先には大手家電量販店が建っていた。
まぁ、そろそろ新しい炊飯器も欲しかったし行くか。
俺たちは量販店へと足を伸ばした。