臓器のあげ方
その日、私は、憂鬱なる人生に幕を下りることになった
実に単純な話であり
実にいい加減なこの上ない話だ
最近は、地球温暖化のせいか、秋の長雨が、各地に大洪水を巻き散らし
私のマンションから見える憂鬱な灰色の世界は
あたしの心を程よく最悪へと巻き込んでいくようでさえある
そんな私の唯一の世界との接触が、仮想世界の声での接触である
それは、無機物的な、器械を通して
音声だけが、殆ど一方的に、私の器械を通して、声として、ラジオのように、語りかけてくる一方的に
文字を打ち込めば
どこの誰かもしれない
何かに、ある意味、返答は、もらえるかもしれないが
私のような、現実社会でも、受け入れられないものは、辺境の地でも、変わりなく、マイナーを、歩くしかない
相手を困惑させるくらいなら、何もしない方が、良いに、違いない
しかし、その日は、何時ものように、相手に何も影響を及ぼさず
ただ、見知らぬ人間の見知らぬ価値観の、全くみずしらずであるにもかかわらず
全く何の金銭的援助もせず
私は、ぼんやりと、聞き及んでいた
もし、時給換算すれば、それを聞いた時間というものは、もしかすれば、誰かと会った時間を凌駕するかもしれない、恐ろしく、稼げ、そして、他者との付き合いに、回せたかもしれない
しかし、私は、臆病にも、このゲームに、乗ることもなく、そのシステムに、組み込むことも、ルールを、理解することもなく
ただ、傍観者として、道端の通行人として、その騒がしい宴を、端から覗く程度の邪魔者でしかない
現実世界で、嫌われ、ネットに逃げ込んだ逸れ物からも嫌われ
私自身さえ、私を嫌っている節があれば
どうしてあたしは存在できようか
もしかすれば、払って住んでいる
この賃貸は、私に、その代金と引き換えに、私を許し
私に、その内部を、触らせてくれているのかもしれない
しかし、その許しさえも、私のリミットの中では、もうじき終わりらしい
私は、本来であれば、生物的、終りを、甘受するところだが
それを、他者の手に明らかに委ねて、終らそうとする
それは、老衰などというまっとうな生でも、管につながれた最後でも、野垂れ死にでもない医療的に自分の意志でも他者に行わせる安楽死でもない
自らの意志で、
それがやりたいに奴にやらせる
何とも、放漫的自殺行為である
なぜ今まで自分で死ななかったと言えば
それは単純に、他者に迷惑がかかるのであろう
それこそ、失踪して、死んだところで、警察の雑多な業務が少しと、役所の雑多な業務が少し増えるだけで、そこまで誰かの時間はかからないかもしれないが
しかし、私が他社に少しでも負担をかけるなら
それは自殺する根拠にならない
それほどまでに、私は他者が、怖いのであろうか
もし、私が結婚でも、しようものなら
その罪悪感から、もしかすると、自殺を、早めるかもしれない
幸せの絶頂の中で
もしかすると、血痕はそこまで幸せではないかもしれない
男の自殺率の高さは、結婚に対しての私と同じような、何処か罪悪感めいた
プライドと、自分自身への変化の恐怖かもしれない
私は、誰かと一緒にいるに足りる人間だろうか
もしかすれば、相手方のパフォーマンスを、あたしが落とし、足を引っ張ってはいないか
それさえも、逆に言えば、相手を見下すことになりかねない
ご都合主義の妄言に等しい
世の中には、食う寝るやるなどという直球的な欲望もあるが
それ以外にも
息っを吸うとか、消化するとか
人間程度では理解しがたい
総合的に
人体を、維持している部位がある
それらを踏まえても、人間が人間たり得ていると思っている外部的何かを、私程度の小さな価値観では
良し悪しを、番組の健康食ていどにも、理解していないだろう
つまり、私があるいという考えも、
実際は、その内容は、言語化できない物で
それは、昔から言う背中を見て覚えろ
というものであったのだとすれば
あたしの何の行動もせず
あたしの心の中での裁判や法律など
何の意味があろうか
もし経験して失敗して、他者との関りを、極力なくした今現在が
私が行きついた
何かの法だったとしても、それは、決して卑下されるものでもまた、褒められるものでもない
何かしらの自然の摂理にのっとった
何かの結果であり
それは、認識外の意味のあるのかないのかわからない
何かであろう
しかし、であれば、殺人や強姦等の行為も意味がないことになってしまうし
正しいと言われる生活も、否定的な意味を持ち始める
歯を磨かない運動をしない日光を浴びない
それら常識は、多分常識だし
多分変わりはしない
もしかしたら、根本的に変わる
未来があるかもしれないが、それも、過去の経験則的集約の一部であることに、変りもないだろう
常識の中に
正しくないものが混ざっていた時
それは、あえて正しくなく別の事を立てているのか
今の時代にそぐわない
ロストテクノロジーの廃棄物なのかはわからない
それらは、時代とともに廃れるのか
だとすれば、何時切り離すのか
それを、わかっていながら無視するのか
それとも、はやばやと切り離すのか
自分というものの意志そのものが無意味だとすれば
その行動に、意味はあるのか
正しいことが自分に当てはまるのか
正しくない行動をする前に
自殺することは
正しいのか
犯罪行為を起こす前に
犯罪者御殺すことは
正しい事なのか
私が、自殺する意味は
果たして
私は、ある日、一人の投稿に眼を止めた
「誰かを殺しても、生きたい配信したい
誰か私に殺されて臓器をくれ」
それは、幻のように、見返すと、消えていた
アカウントの投稿違反により消されたのかとも思ったが、アカウントが消えている様子もないし、ペナルティーで、投稿が制限されていないようで、一日たつと、別の投稿押していた
もしかすると、非公開にされていた投稿が一瞬外に操作を誤って出た可能性もあるんほかもしれないが
それは、わかるところではない
多分、自分で書いて、不味いと思って、自分で消したのであろうと、私はそう思った
しかし、私は、仕事中も、帰宅途中も
風呂でも、布団の中でも、携帯をいじりながら
あの言葉を、考えていた
それはまるで、からっからの地面に、雨が降るように、自然なことに思えた
私にとって、灰色の空は、まさに天から降る恵みのようなもの
私以外が、役に立つのであれば
どうせ、焼却して二酸化炭素をばらまくくらいなら
もしかすると、ウジの栄養よりも、まだ人間に近い人間にこの臓器を、渡したほうが
創作になったほうが幾分この相容れない社会に
あたしの意志がない形での社会貢献にはならないだろうか
私は、そんなことを、ぼんやりと、そう思っていた
私は、三日考え
た後、三日目の帰宅後
午後六時三十分
早退ついでに、相手へのメールに
こう打ち込んだ
「突然のメールすいません
臓器の提供大丈夫ですが
如何でしょうか」
それは、到底、社会人とは思えないような
幼稚なメールに思われた
もしかしたら、あれはあたしの見間違いで、誰かと誤認していたり、もしくは、夢か幻の可能性だってない明けではないかもしれない
すぐにでもけしても良かったかもしれないが
私は、そんなことはできず
ただ、そのメールの内容が、読まれる猶予として、三日ほど考えることにした
私が送信したメールを消すことはできる
しかしそれは、私がメールを送信したという個所を、私から見えなくするだけで、相手からしてみれば、依然として、私から送信された言葉がそこには残っている
私は、ぼんやりと、気恥ずかしさや、後悔
その他もろもろを、踏まえたうえで、何となく、誇らしげに、それを閉じた
もしかしたら、私の身体は、使用されるかもしれない、今まで生きていた中で、無意味かと思われたそれは、今この時ようやくパーツとして意味を成すかもしれない
それは、男とか年齢ではなく
ただ、パーツとして
一生
私の遺伝子が、私の先祖が
相手の肉体を、いや、相手が私を拒み続け
それを、薬でごまかす
肉片同士の拒絶反応の飽和だとしても、私は、酷くドキドキしていた
いや、もしかすれば、彼女でさえも、私と大して変わらないものかもしれない
もしかしたら、特別なんかではないかもしれない
しかし、非現実だとしても、一瞬でも私に、それを、誤認させたそれは、
演技だろうが小説だろうが歌だろうがマンガだろうが、どうでもいい
その一瞬のごまかしは、私の中では、欺かれようが、現実で仕方ない
そういう意味において
それは、現実社会での強者を前にする弱者や、敗者の感想かもしれない
しかし、その一部になり
その一部分でも
私の意志などなくても、見る事が出来なかろうが
そこにいるのは、実に、面白い経験ではなかろうか、私の命を、かけるに値する
勝率の高い
ギャンブルに思えなくもない
私は、味気ないような、夕食を取る
ツナ缶に、ブラックペッパーと、カラスマヨネーズを、小皿に入れて、マヨネーズの海で
泳がしている
後は、もやしの大量に入った
お味噌汁だが
その二つと
長年壊れることなく使われている
安物の茶碗の中の
白米を見て
私はふと考える
私の臓器は、本当に、彼女に相応しいのであろうか
私は、ふと思う
私の体脂肪率は健康状態は
いつ死んでも変わらないと思う私は、会社の健康診断に、なんだかんだ一度も出たこともないし
会社も会社で、
一社員にそこまで重要性を見出してもいないようで
私どころか
ほかの社員が、積極的に、怒られるなどして、健康診断を、受けさせられている構図を、見たことも聞いたことも、風のうわささえ聞かないのが現状である
手にした箸をおいて
私はそれらを一度、冷蔵庫に、 ラップをかけて
入れると、外に出た
やけに寒い
そして、適当にジャージを、着て外に出た
それは別段、おしゃれなわけでも、何か意味を持った服装でもない
普段着と言われればそうかとそれまでの意服装であり
おしゃれに興味のない風のバンからやヤンキーのような意志など微塵もないただ、どこにでもいる
誰でもない
誰かになるための服装だ
おしゃれでも、世捨てでもない
それさえもまた一つに意志表示になりかねないが
そんなことは、どうでもいいと思っていた私は、なぜか、急に恥ずかしくなる
果たして、こんなダサい人間の臓器
もし本当に欲しいなんて言われて
出す価値など、あるのだろうか
神は細部に宿るという、社会を、斜めに見すぎていた私は
服装に、ある意味意味を見出せていなかった
上っ面に意味はない
しかし、会社でそれもまずかろうと
のっぺらぼうに、意味のない服装、意味のない髪形
意味のない人間格子柄を、マニュアル通りに、続けていた
それこそは、私が世の中に、意味を見出せずにいたそのものなのではないかと言われるかもしれないが
しかし、それは違う
あくまでも、私は社会を批判的に見ながらも
別にこれを否定するわけでは無い
あくまでも、それを壊さないようにしているのだ
配信者にコメントしないかのように
それが好きなら、相手に干渉してもいい、ある程度摺合せしなければ、話にならないことも多いであろう
しかし、別段すりあわせるすしない以前に、興味がある無い以前に
最低限の身だしなみを、再提言する程度に、私は、他者と距離を取っていたし
私は、誰かに自分に踏み込んでほしくないとも思っていたが
だからと言ってなんだという話だ
財布が一つ
部屋の鍵それと携帯
それだけが、今の私の所有物だ
実際には私の肉体や
部屋や、わずかながらの銀行口座もあるだろう
しかし、全てから切り離されたとき
人が私を見たとき
その画面に映るのは
ジャージ姿の冴えないおっさんでしかない
その持ち物は、鍵と財布と携帯だけ
携帯の情報は、私の所有物ではない
誰かの経験則であり
私の地に国はない
本当かどうかさえ分からない
ただ見聞きしただけの文字列に過ぎない
そして今私ができるのは、その中での行動だ
もしかしたら、何かを担保にもう少しできるかもしれないが
私の地で、何かを今現時点で社会に送ることはない
そう考えると、ジャージで出たのは、不味かったかもしれない
こんな不格好な姿を見せるのは、社会的影響を、及ぼす可能性がある
それは人は、不可解、いや、不愉快に思うかもしれない、その時点で、相手の感情に、私が入り込み
それこそが情報操作になるかもしれない
いくら人がいい加減な記憶力と
他者に、興味がないとはいえ、そいつ自身を形成しているのは、所詮は社会の情報でしかない
教科書に出た事実を覚えるだけで
それ以外の深みには興味がない
なぜなら意味がない
だから人は、趣味に走る
この世の不条理の側面を埋めるために
無意味な知識と現実を手に入れたいがために
妄想的修行を繰り返し
意味のない美酒に人生をくぐらせるのだ
私は、肌寒い中
そんな寒いことを考えながら
近所の量販店に入り
雑多な中を、家電のコーナーに歩く
ペタペタとサンダルが痛い
世の中の正確さのひずみが
私なのではないかと
ニヒルに笑う事さえできない
それは、痛いどころの話ではない
邪魔である
世界の邪魔ものが私のような
皆が私を笑っているような
現実と非現実の自己批判と自己分析という名の妄想をしているが、実際はそんな程度にも思う
相手は相手により自分が定まっている
どれだけおしゃれをしようとも
誰にも評価されなければ、それはおしゃれかわからない
対戦者のいない対戦ゲームは
果たして、何だろうか
綺麗な服を着たとき、その意味は何だろうか
綺麗な私を見て
褒めて
これなら、誰かと会話できるかもしれな
その為のチケット
こういうのが好きな人の中にいたい
少なくとも、それらすべてに、興味がない私は、このジャージを見に包んでいるが
別段、ジャージの中で、未だに、体育を受けたいわけではない、それは、たまたま、自暴自棄で、部屋の外に出たわけだ
私はただの肉片でしかない
それ以上でもそれ以下でもない
恋人ができたからと言って、それの価値を、相手にうらやましがらせることによる
存在意味を見出すほど
私は何か興味がない
楽しい人生を、仲間でやるような
学校の続きがしたいわけでもない
あくまでも、いや、もしかしたら、狂うほどの何かを、同等の誰かと、
楽しいとは別の擦り合わせ、もしくは、たたかわせたいかもしれないが
探し方が悪いのか
それとも私があまりにもちんけだからなのか
そんな人はおらず
ただ、孤独のまま
変な人に見られ
一つ合えば、しかめっ面か
早くどっかに行ってほしい変人というような対応だ
、それは、本来のヘンタイじみた私における
マニアの誉れなのかもしれないが
明らかに現実問題を逸脱した
邪魔な存在であろう
もしかしたら、私の行動を、相手は、赤子のようにまねしただけかもしれないし、不出来な子供を見る大人のようなものかもしれない
どちらにしても、私の立ち位置には、少なくとも、誰もいない
いても、私の下らへんだ
私以上の変人はいない
いたところで、どうだろうか
これは孤独がつらいのだろうか
相手がいないことへの失望だろうか
私の思考は孤独であるが
しかし、現実は、妄言的孤独ではなく
現実的孤独を、そこに言い表す
そこにいたくはない反面
しかし私はそこに存在する
だからこそ、影法師のような
いるようないない人間を、貫いてきたわけであるし
この孤独な自己欺瞞は
果たして何の意味もなく
高く高くそびえ
そして、それは、現実世界には、邪悪として映ることであろう
何もできない
ゴミが、偉そうに、気取る
何様だろうかと
しかしながら、現実問題
これほどまでに、何か良く分からない
プロフェッショナルは、そう相違ない
いや、表に出てこないだけで
皆が同じような自己欺瞞を、別のほうへとこじらせているだけかもしれない
それはどこを隠すかだけで
実際問題は
自分が最も毛嫌いしている人間と同じ場所で、自己嫌悪しているに過ぎないのかもしれない
ただ、そんなことはどうでもいい
私は、一人
量販店の明るさと騒々しい中
食品売り場の冷たさを隣の空間から流れ出しているのを感じながら
体重計のボタンを押して
自分の体重を
高校生以来
目にする
それを、携帯にメモり
また次に、見慣れない表示を見た
体脂肪率
私はそれを、ぼんやりと、また同じように、メモり何も買うことなく家に戻る道中
公園で、自分の身長と体重の
平均値を見て
驚愕する
肥満体系らしい
なんということであろうか
平均を目指しておきながら
そんなことも、理解に及んでいなかったとは
所詮は頭の中の空想で
私が行うべきは、社会常識だったのではなかろうか
いくら頑張ったところで
先駆者の偉業の
始めの一歩さえ追いつかないのではないだろうか
しかし、だからと言って、今更、自分自身でしかない自分を捨てて、誰かに教えを乞うほどに
私は、強くもなければ疲れ果てていた
自分の事は、自分でしかわからない
それはそうだ、ある意味一つの心理だ
しかし
現実問題、正しかろうが間違っていようが
それでも、ある程度の真実が、この世にはある
犬のしつけに暴力は必要か
歯磨きの手順は、何が正解か
人による
それぞれの最高峰の考えでは、それが正しいこともあるだろう
それを、さて置いたとしても今目の前の
私の肉体は、切り刻んで、相手に渡されたとき
果たして、普通と言えるのだろうか
私はその日
サンダルで
暗い街を何となく走って帰った
少し生きる事への容認を得られる気がする




