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見た目は22歳中身は53歳 理美的未知との未遭遇 異世界ライフ

異世界初配信

作者: ヘキサク 希
掲載日:2026/07/13

今日は、異世界での初配信となる。


昨日は日本の私が配信を休んでいたので、アーカイブを見る配信ではない。


異世界の二十二歳の私だけの初配信。


異世界生活一日目。


たった一日生活しただけなのに、JINさんに言いたいことが山ほどできた。


「まず、調理器具です」


私は異世界では料理をしないと心に決めている。


洗濯くらいなら、ボタン一つでできるので自分ですることもあるかもしれない。


でも、料理はしない。


毎日の食事はヒューゴに作ってもらう。


ヒューゴには料理人の技術をインストールできる。


すでに志麻さんの技術もインストールした。


パティシエの技術だって入れられる。


だったら、食に関しては良い物を揃えてもいいと思う。


毎日のことだし。


しかし、一日生活して気づいた。


志麻さんの技術をインストールしたヒューゴが使っているのは、うちの普通の調理器具である。


これは失礼なのではないか。


もちろん、志麻さん本人がここにいるわけではない。


ヒューゴに技術をインストールしているだけ。


分かっている。


それでも、志麻さんの技術をうちのキッチンの道具で使わせるのは、なんだか申し訳ない。


炊飯ジャーはいい。


日本の家でも十数万円する物を使っていた。


問題はオーブンレンジだ。


あれは、パパが私と結婚する前から使っていた物である。


私も日本にいた時から、そろそろパナソニックのビストロを買おうと思っていた。


パティシエの技術をインストールしたヒューゴに、結婚前から存在するオーブンを使わせる。


違う


「JINさん、パナソニックの一番いいビストロ、見てきてください」


「分かりました」


「あと、ガスコンロ」


日本の家はIHだった。


でも、料理をするならガスの方がいいんじゃないだろうか。


「リンナイのDELICIA。最上級のやつ、見てきてください」


「はい」


JINさんは素直である。


私は知っている。


JINさんは日本円をかなり持っている。


日本へ来るたび、自分の世界の金などを日本円に換えている。


一年で約百五十万円。


長く日本へ通っているのだから、かなり貯まっているはずだ。


だから、ビストロもDELICIAも、買おうと思えば買える。


ネットで注文して、私の家に届けてもらえばいい。


でも


二十万円以上する物を買える日本円がある。


私には毎週一万円しか投げなかったくせに


おかしい


コピーで済む物に、私への投げ銭何十週分もの日本円を使われるのは、なんだか腹が立つ。


一万円くらいまでならいい。


JINさんが毎週私に投げていた金額だから。


それを大きく超えると、急に納得できなくなる。


どうやら私の中には、明確な序列があるらしい。


志麻さん> 日本円 > JINさんの労力


志麻さんの技術を古い調理器具で使わせるのは申し訳ない。


何十万円もの日本円を使うのは納得できない。


なら、JINさんが見に行けばいい。


我ながら、非常に分かりやすい序列である。


もちろん、そんなことはJINさんには言わない。


「JINさん」


「はい」


「いい物を見ることって、大事だと思うんです」


私は真剣に話した。


「いい物を見て、いい物を見極める。そういう目を養うことも、この世界を発展させていくためには必要だと思うんですよ」


「なるほど」


「JINさん、日本の美味しい物とか、高い物とか、良い物について、ちょっと勉強が足りなさすぎると思うんです」


「そうですね」


「月に一回くらい、日本の良い食品を見るのも勉強になると思います」


「分かりました」


完全に理美のためである


「次の土曜日、日本橋三越本店に行ってください」


「はい」


「全部見なくていいです。服とか宝石は見なくていいです。別に欲しくないので」


私は必要な場所だけを指定することにした。


「食品売場はしっかり見てきてください。特に魚、野菜、果物」


肉は、一度良い物を見てもらえばいい。


一年中、そこまで大きく変わらないと思う。


でも魚、野菜、果物は違う。


季節によって売場の商品が変わる。


「新館地下二階の生鮮・グローサリー売場。青果、フルーツ、精肉、鮮魚。ちゃんと見てきてください」


「はい」


「これから月に一回くらい、食品売場は見に行った方がいいと思います」


「分かりました」


「あと、本館五階。リビング、家庭用品。鍋、フライパン、包丁。調理に必要な物、見てきてください」


「はい」


「それから成城石井」


「成城石井ですね」


「惣菜、デザート、輸入食品、調味料、加工食品。一通り見てきてください」


三越とは、また違う。


日本には高級な食材だけではなく、少し変わった美味しい物もたくさんある。


JINさんには、その辺りの知識が圧倒的に足りない。


「あと千疋屋」


一日目。


JINさんに、今まで見た中で一番高いバナナを用意してもらった。


期待して食べた。


私が普段食べていたバナナより、品質が悪いような気がした。


この人は、高級な果物をほとんど知らない。


「良い果物も見てきてください」


「分かりました」


私は少し考えた。


「宝石は……」


JINさんは、自分の世界の金などを日本で換金している。


もし金より効率よく日本円に換えられる物があるなら、それはJINさん自身のためになるかもしれない。


「もっと効率よく日本円に換えられそうな物があるなら、そこは勝手に見てきてください」


「はい」


食品売場と調理器具は細かく指示する。


宝石は自主研修


「JINさん。いい物を見ること、いい物を見極めること。そういう目を養うことも、異世界の神様として必要だと思うんです」


「分かりました」


JINさんは嬉しそうだった。


自分の快適な生活だけではなく、この世界の発展まで考えてくれている。


理美さんこそ、まさに神。



一週間後の日曜日。


私のキッチンは変わった。


良いガスコンロ


良いオーブン


良い鍋


良いフライパン


良い包丁


そして、最高級の食材


ヒューゴには志麻さんの技術がインストールされている。


私はヒューゴに、フレンチのコース料理を作ってもらった。


食べる


美味しい


めちゃめちゃ美味しい


やっぱり道具が違うと、より一層美味しい。


最高級の食材


最高級の調理設備


良い調理器具


志麻さんの技術


完璧


私は満足しながら、皿を見た。


欠けている


日本の家で使っていた皿だ。


この家は、日本の家にあった物をそのまま再現している。


当然、欠けた皿もそのまま存在する。


最高級の料理が、欠けた皿に載っている。


……食器


忘れてた


今日の夜の配信で、食器売り場全部見てこいって言わなきゃな

異世界の神 JIN 完全な異世界理美のパシリ笑

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― 新着の感想 ―
理美の為に至れり尽くせりのJINさん、志麻さんに負けるwww
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