黒板の裏で見つけた君へ
誰にも気づかれない黒子体質の佐伯遥斗。
教室の黒板を拭いても、プリントを揃えても、「ありがとう」と声をかけられることはない。
影でいるほうが楽だと、そう思っていた。
けれど、雨の日。
クチナシの香りが漂う昇降口で、傘を差し出した少女がいた。
その瞬間から、静かな日常は少しずつ色を変えていく。
黒板の裏に残った水跡を「見つけた」彼女――宮原澪。
彼女の「ありがとう」は、やがてクラスのざわめきを越えて、遥斗を表舞台に引き出していく。
陰から支えることしかできなかった僕が、
初めて「並んで歌う」場所に立ち、そして――「ありがとう」の返礼を受け取るまでの物語。
教室の黒板を拭いても、プリントを揃えても、「ありがとう」と声をかけられることはない。
影でいるほうが楽だと、そう思っていた。
けれど、雨の日。
クチナシの香りが漂う昇降口で、傘を差し出した少女がいた。
その瞬間から、静かな日常は少しずつ色を変えていく。
黒板の裏に残った水跡を「見つけた」彼女――宮原澪。
彼女の「ありがとう」は、やがてクラスのざわめきを越えて、遥斗を表舞台に引き出していく。
陰から支えることしかできなかった僕が、
初めて「並んで歌う」場所に立ち、そして――「ありがとう」の返礼を受け取るまでの物語。
第1話 雨の傘
2025/09/08 20:00
第2話 黒板の裏
2025/09/09 20:00
第3話 見つける声
2025/09/10 20:00
第4話 中庭の影とクチナシ
2025/09/11 20:00
第5話 庇う声
2025/09/12 20:00
第6話 初めて並ぶ舞台
2025/09/13 20:00
第7話 返礼の言葉
2025/09/14 20:00
エピローグ 窓辺の席にて
2025/09/14 20:10