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第9話 配信用カメラを買おう

「おお~、凄いな」

「色んなカメラが置いてあるよ!」


 機材やカメラを販売している店に入ると、俺が想像していた以上の数の機材が並べられていた。

 やはり、ダンジョン配信者という職業が人気になってきて機材などの需要も高まっているのだろう。


 そこには安い価格のものから良い品質の高い価格の機材まで色々並べられていた。こんなにあるとどれを選べばいいのか分からなくなるな。


「種類が多くてどれがいいのかよく分からないなぁ」

「うーん、安いのを買ってすぐ壊れてしまっても困るし今回は高めのやつを買ってもいいかもしれないね」

「なるほどね。高いやつだと品質も絶対に良いだろうしな」


 俺たちは店内に並べられているカメラを見てまわり、良さそうなものを探す。

 でも、よく考えてみたらカメラを持ちながらダンジョンで戦うのってかなり大変じゃない?


 他のダンジョン配信者の人たちはどうしているのだろう。


「なんか良さそうなのあった?」

「ユウくん! これとかどうかな?」

「これって」

「値は張るけどカメラが撮影しながら飛んで付いてきてくれるんだよ! ダンジョン配信者の人たちもこういうカメラを使っている人たちが多いみたい。これなら戦いに集中しながら配信もできるからね!」

「なるほど。確かにそれがあれば楽に撮影をしながらダンジョンでも戦えるな」


 今はこんなすごいカメラまで存在しているんだな。

 このカメラは、浮遊型撮影カメラ『Dプロ』という名前のカメラのようだ。値段は少しばかり高いがダンジョン配信者では使用している人が最も多いカメラらしい。

 やはり、高くてでも品質や便利性の高いカメラを買っておいた方が今後の配信活動にとっても良いのかもしれないな。


 それにサリナがそのカメラを見つけてからずっと他のカメラに見向きもせずに目をキラキラさせながらそのカメラの説明文を読んでいる。かなり気に入ったのだろう。サリナが気に入ったのなら俺が拒む必要は全くない。


 よし、決まりだな。


「サリナ、そのカメラが気に入ったのか?」

「え、あ、うん。このカメラ高いけど品質も良さそうだし便利そうだし壊れにくいみたいだし」

「そっか。それじゃ、そのカメラにしよう」

「え、本当? 二人で使うやつだからユウくんが選んでも良いんだよ?」

「俺はカメラについてあまり詳しくないし、サリナが良さそうだと思うものでいいよ」

「そう? でも、さすがに代金は私が払うよ!」

「いや、このカメラ俺たち二人のダンジョン配信者として必要な最初の道具だ。だから、これは俺も払うよ」


 サリナはカメラの代金を自分一人で払おうとしていたみたいだが、さすがにそういう訳にはいかない。

 一緒にダンジョン配信をやっていくのだからここは俺も出さないとダメだろう。


 俺とサリナはカメラを持って、レジまで持っていき二人で半分ずつ代金を出し合った。

 カメラを購入した後は再び俺の部屋に戻った。


「それにしても結構値が張ったね」

「そうだな。でも、そのお陰で俺たちの配信活動が快適になってくれるはずだよ」

「たしかに、そうだといいな」


 俺たちは二人でカメラの説明書を読んで使い方の確認をした。

 これで俺たちはいつでもダンジョン配信を始めることができるってことか。


 明日からダンジョン配信を始めるのだろうか。

 そう考えると、緊張してしまうような気がする。


 有名なダンジョン配信者なら多くの視聴者が見に来てくれるらしいけど、最初はほとんど見に来てくれる人がいないってよく聞くからなぁ。


「配信用のカメラを買えたんだけど、もう明日からダンジョン配信はじめるの?」

「そうだね。できれば明日から始めたいね」

「オッケー。明日から俺たちのダンジョン配信者ライフが始まるんだな」

「ふふっ、ユウくんも楽しそうで良かったよ。それじゃ今のうちに《《ダンスト》》にチャンネルを作らないとね」

「あ、そっか。忘れてたよ」


 ダンストというのは、正式名称『|Dungeonダンジョン Streamストリーム』という動画や配信を公開することのできるサイトだ。世界中のダンジョン配信者のほとんどがこのサイトで配信を行っており、配信をしない一般の人たちもスマホにこのサイトを入れている人が多い。


 このサイトにチャンネルを作らなければ配信すらできないのだ。


「ユウくんはどんなチャンネル名がいい?」

「チャンネル名か。俺、そういうの本当にセンス皆無だからなぁ。チャンネル名はサリナに決めてほしいかも」

「そう? やっぱり、私とユウくんの両方に関連する名前が良いと思うんだよね」

「確かに誰のチャンネルなのか分かりやすい方がいいね」

「そうなんだよね。そうなるとシンプルだけど、『ユウとサリナの愛の巣』とか?」

「んんんんん!?!?!? どこがシンプル?!?!?!」


 サリナが急に変なことを言うから驚きすぎて変な声が出てしまった。

 そんな俺を見ながらサリナはお腹を押さえながら大爆笑している。


「あははっ、冗談だよ冗談。それなら、『ユウサリちゃんねる』とかはどうかな?」

「よかった。また変なチャンネル名を付けだすんじゃないかと思ってヒヤヒヤしたよ。俺もそのチャンネル名なら良いと思う」


 チャンネル名を決めた俺たちはチャンネルをサイトに登録し、少し談笑した。

 その後、明日の予定を話し合ってからサリナが帰るのを見送った。



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