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窓際の君  作者: 気衒い
窓際の君〜現代編〜

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第十七話:旅行2

「神無月くんと二人きりになるには具体的にどうすればいいのかな?」


「ん〜そうだな〜…………まずは」


ああ言ってしまった手前、俺は長月のお願いを叶える他なかった。その為、俺は長月達を二人きりにする為の方法を色々と考えていた。ちなみに現在は昼前であり、小休憩として近くにあったベンチに腰掛けている。メンバーは俺、長月、優梨奈であり、神無月と霜月はどこかに行っていた。おそらくトイレか何かだろう。


「ここに行けばいいんじゃないか?」


「あっ、それいいと思います!!」


「うん!いいね!如月くん、ナイス!」


一緒にここら辺一帯の地図を覗き込む三人。優梨奈には既に長月と神無月を二人きりにしたいということを話していた。そして、俺の友人が神無月であり、彼の片想いの相手が長月だと当然ながら思い込んでいる。だからだろう。長月が神無月と二人きりになりたいと言い出したことに嬉しそうな反応を示していたのは………………全く。仕方ないとはいえ、すぐに長月の気持ちを恋愛方面に結びつけるのはどうかと思う。長月は言っていたのだ。"神無月のことはあまり知らないから、よく知りたい"と。それをすぐに恋だと決め付けるのは良くないと思う。彼女は単純に好奇心が旺盛なだけなのだ。


「任せとけ、長月!俺がバッチリとサポートしてやる!!」


「ありがとう!!如月くんは本当に良い人だね!!私、如月くんのことは人として大好きだよ!!」


「お、おう!!ありがとう!!」


そうだ。そうに決まってる。長月が神無月のことを好きなんて……………それこそ、ありえない。そんなの王道すぎる。これが物語の中とかだったら、あり得るかもしれない。だが、ここは現実。そう単純じゃない……………はずだ。


「お、噂をすれば神無月達が戻ってきたぞ!!いいな?長月は心配せず、そのままでいてくれ!優梨奈は…………何かあったら、助けてもらうから、そのつもりで」


「「は〜い!!」」


俺は心の中で大丈夫と言い聞かせ、二人の元気な返事を背に立ち上がった。まだまだ一日は長く続きそうだった。






           ★






「それにしても凄い温泉の数だ」


「そ、そうだね。早く入りたいね」


「長月さん、大丈夫?疲れてない?」


「う、うん!!全然大丈夫だよ!!」


「それは良かった…………はぁ。本当に来れて良かった」


俺は遠くから長月と神無月の様子を眺めながら、ガッツポーズをしていた。あの後、昼飯や温泉街に立ち並ぶ店巡りの際に二人を隣同士にさせたり、芦○湖をスワンボートで漕いでいくペアを組んでもらったりとかなり奮闘していた。その際に時々出る自分の行動力が力を発揮し、我ながら良い仕事をしたと思われる。今はどこかの公園で散歩する二人を遠くから見守っていた。


「あの…………拓也先輩?」


「ん?何だね、優梨奈助手」


「何で泣いているんですか?」


「いや〜上手くいったな〜と思ってね〜」


「いや、どう見ても心の底から喜んで泣いているようには見えませんが」


「うん〜?そうかな〜?あれ〜おかしいな〜」


「?」


「はぁ。あなたって、つくづく不器用というか……………アホね」


「ううっ……………霜月、言わないでくれ。自分でも分かってるよ〜」


「??」


不思議がる優梨奈を差し置いて、頭を抱える霜月と俺。その後、とても満足した様子の長月とどこか物思いに耽る神無月と共にその場を後にした。





           ★






「ふふふ。如月くんのおかげで今日は沢山、神無月くんと話せたな」


その夜、私は旅館の廊下を一人で歩いていた。さっきまで寝ていたんだけど急に喉の渇きを覚えて、目が覚めたのだ。だから、自販機に飲み物を買いに行こうとしていた。


「ついでに夜風に当たろうかな〜……………ん?あれは」


その道中、ロビーに人影が見えた気がして、よく目を凝らしてみた。すると、そこにいたのは……………


「あっ!?神無月くんだ!!ど、どうしよう。こんな夜に会えるなんて運命!?それとも奇跡!?まぁ、どちらにせよ、こんなチャンスは二度とないかも……………だったら、すぐに…………って、えっ……………何で」


私が目を凝らした先にいたのは神無月くんと………………予想だにしない人物だった。









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