三題噺第22弾「人間」「息」「残り五秒の関係」
「お前との出会いも“残り五秒の関係”だ」
銃口を突きつける二十代中頃の青年が言った。
「五、四、三……」
「待ってくれ、あんたとはこれからも仲良くしようじゃないか」
銃口を突きつけられている四十代前半の男は言った。
「二、一、ゼロ」
バンっ。四十代前半の男は頭から血を流し、倒れた。
“息”をしてない──完全に死んでいる。
「これで任務達成っと。依頼内容からがっぽりと報酬がもらえるはずだ」
治安の悪そうな裏路地の依頼主のところに戻ってきた。
「帰ったぜ」
「おや、早かったですね」
依頼主の三十代後半と見える女性が話す。
「報酬もらいにはやく片付けたのさ」
「“人間”こうなってはおしまいですね」
「はやく報酬くれよ」
「はい、報酬」
バンっ。
二十代中頃の青年は撃たれてしまいました。
「どう……し……て」
バタっ。
「あなたは生きていると危険だからですよ」
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