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TSサキュバス  作者: 藤塚ソラ
第2章
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第12話:魔術を覚えよう! スケベ魔術師

 俺は今、胸を揉まれている。

 俺の(・・)おっぱいを。


「おふっ、やわらかいねぇー」


 男は気持ち悪い笑みを浮かべて更に揉んだ。

 もみもみもみもみもみもみ……。


「……」


 俺は一体何をやられているのだろう。

 そして本当にこんな奴が魔術のスペシャリストなのか?

 甚だ疑問だ。


「……アリア、こいつの実力は、実力だけは本物だから我慢ね……?」


「……はい」


 男はそんな事は全く気にしていなかった。

 しかし知らない人に胸を揉まれるというのはこんなにも気持ちが悪いものなのか。

 よくよく考えると肌をベタベタ触られているだけだもんな。

 相手が好きな人でも無い限り、気持ち良いわけがない。

 俺はエッチなビデオの女性の反応は演技ということを身をもって察した。


「……」


「おっと、そんなに睨まないでおくれよ、ゾクゾクするだろ?」


 うわぁ……こいつ、とんでもない変態だ……。

 黒髪ロングのイケメンなのに、普通の性格、性癖だったら普通にモテただろうに、あーあ。


「……よし」


 男は何かに納得したかのように小さく頷いて俺の胸から手を離した。

 そしてゆっくりと目を閉じ、小さく何かを唱え始めた。


「……?」


 さっきまでとは打って変わって真剣な表情だった。

 俺の胸を揉んで睨まれて興奮していた変態だとは思えない。


「……少し離れていてくれ」


「……」


 言われた通りに男と距離を取る。

 男はぶつぶつと何かを呟き、胸に手を当てると背中から漆黒の翼が飛び出してきた。

 それだけじゃない、男の周りの空間の色が変わる。

 透明から赤へ、やがて黒へ、ガタガタと揺れながら色が変わる。

 その振動は地面を伝って俺の足元にも伝わってきた。


「な、なんなんですか、あいつ!?」


「やつはスケベな悪魔で、種族はインキュバスっていうサキュバスの男版みたいなもんね。今やられた通りで奴はおっぱいが大好きなの」


 リリーは、でもと付け足し、


「あいつの魔力の扱いは私が出会った中ではトップクラス。昔から器用に魔術を使っていたわ」


「昔、から……?」


「うん。言ってなかったけど、あいつと私は昔からの知り合いなの。幼馴染ってわけじゃないけど、まあ中々の腐れ縁ね」


「そうなんですか……」


 まあリリーがそこまで言うなら魔力に関しては(・・・・・・・)信用しても良いのかもしれない。

 他はダメダメっぽいけど。


「ほらアリア、そろそろ始まるよ。見てみな」


「え」


 大地の揺れが激しくなっている。

 男の身体から黒い霧のような蒸気が出て大気を犯している。

 その黒い霧が一点に集まっていく。

 そしてそれが大きくなっていき完成したのは。


「えっ……!?」


 そこには絶世の美少女がいた。

 絹のようなさらっとした金髪に、大きい二重の目、鼻はバランスが良く整っていて、唇はきれいなピンク色。

 俺はこの美少女に見覚えがあった、いや、見覚えしかなかった。


「ふぅ、久々にこれやると疲れるね……」


 男は額の汗を腕で拭ってみせた。


「見ての通り、この女の子は君の分身だ。今の君の魔力を元にして僕が作った。力も早さも全く同じ君の分身と君に今から戦ってもらう」

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