episode2
広瀬ユイです。
ご覧いただきありがとうございます。
かなり変更が多かったので、これからはゆっくり見直して投稿していきたいと思います。
「りゅーくん、りゅー…ねぇりゅーちゃんって呼んでもいい?」
駅前のファミレスで、向かいの席に座った先輩がそう聞いてきた。
はい、と頷く。りゅーちゃん、か。いいかもしれない。こんな風に人と接するのは初めてだ。
メニュー表を渡され、中を見る。ファミレスに誰かと来るのも初めてだった。
優柔不断で何を頼めばいいのか分からないので、少し困る。
「先輩。俺…」
メニュー表から目をあげ、先輩を呼ぼうとする。
その時、はっと言葉をとめてしまった。なんて呼べばいいか、聞くのを忘れていたからだ。
もう心の中ではすでに「先輩」なのだが、相手に確認もせず呼ぶなんて…。
「なに、どうしたの?」
先輩は怪訝そうな声音だった。
慌てて言葉を繋ごうとする。
「あ…いや…、なんて呼べばいいのか分からないので…。」
「先輩、か。確かに。葵でいいよ~って言っても気を使うか。」
先輩はまつ毛を伏せて考えていた。少し見とれてしまい、慌てて目をそらす。
「葵先輩。」
気が付くとそう呼んでいた。
先輩が驚いた表情でこちらを見てくる。なにか悪いことがあったか…。
少し不安に思って先輩を見つめる。
「それ、いいね!」
先輩は無邪気な笑顔をこちらに向けてくる。
ドキッ…。
ほっとしつつ、胸の高鳴りを抑えた。
きっとこれが友達っていうことか…、すごく心地いい。
「えっと…何言おうとしてたんだっけ…。」
「確かに、なんか言おうとしてたよね(笑)」
とても楽しかった。こんな日が続けばいいのにさえ思う。
昼食で同じものを食べたあと連絡先を交換して、その日は別れた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
緩く書いていくので緩く読んでください。。




